【クイーン賞】2角先頭から持久力勝負に持ち込む 江田照男騎手騎乗のテリオスベルが重賞初制覇

三木俊幸

2022年クイーン賞を制したテリオスベル,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

強みを存分に活かしたレース運び

前走のJBCレディスクラシックこそ6着に敗れたが、その他の重賞レースでは全て3着内と好走していたテリオスベル。重賞挑戦5回目となったクイーン賞(JpnⅢ・ダート1800m)で見事に重賞初制覇を飾った。

今開催から船橋競馬場のダートコースはオーストラリア産の白砂に変更。前日の夜に雨が降り、コースサイドの撮影場所付近には水たまりもあったが、馬場状態は稍重。コース内の水捌けはかなり良さそうに感じた。

スタート後ショウナンナデシコ、リネンファッション、グランブリッジが先行する構えを見せたが、大外14番枠からテリオスベルの鞍上江田照男騎手は出ムチを入れながら一頭離れた外から追いかけた。


2022年クイーン賞,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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捲る競馬を得意とするテリオスベルにしては早め2角での先頭。その時点で馬群はかなりの縦長となり、先頭に立つまでの間に11秒台のラップが2回計測されるなど前半からハイペースとなった。

向正面に入り、やや落ち着くも3角手前でリネンファッションが後退。前の争いは上位人気に支持されたJRA勢に絞られた。

4角で2番手にいたショウナンナデシコも手応えが悪くなり、3番手にいたグランブリッジが交わして進出を開始するも、テリオスベルは3馬身ほどのリードを保って直線へ。

ラスト1Fが14.4、大幅に減速しているのがファインダー越しにも明らかに分かるほどだったが、そのまま押し切った。スタートは速くないが、テリオスベルの強みである持久力を存分に活かした積極的なレース運びが好結果をもたらしたと言えるだろう。


2022年クイーン賞を勝利したテリオスベルと江田照男騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

最後差を詰めるも

2馬身差で2着となったグランブリッジは関東オークス、ブリーダーズゴールドCを連勝。JBCレディスクラシック2着と好成績を残しての参戦だった。最後はテリオスベルとの差を徐々に詰めたが、持久力勝負に持ち込まれると分が悪かった。ただ力上位であることは明白で、今後もこの路線の中心として活躍していくだろう。


2022年クイーン賞2着のグランブリッジ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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グランブリッジから7馬身離れた3着に終わったのはショウナンナデシコ。秋初戦のレディスプレリュードは他馬より2kg重い57kgを背負って逃げたが、テリオスベルに捲られ3着。2戦目のJBCレディスクラシックは勝負どころで内に包まれる形となり3着だった。

今回はハンデ57.5kgで勝ち馬とは2.5kg差。厳しい斤量だったが、やはり上半期の活躍と比べると不満が残る内容だと言わざるを得ない。しっかりと立て直し、再び輝きを取り戻してもらいたい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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