【天皇賞(秋)】「前走GⅠ連対の4歳以下馬」はパーフェクトで馬券圏内 データで導く穴馬候補3頭

鈴木ユウヤ

2024年天皇賞(秋)の穴馬イメージ,ⒸSPAIA

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データで見る「穴候補3頭」

今週日曜の東京メインは天皇賞(秋)。芝2000mを舞台に行われるGⅠ競走で、今年は三冠牝馬リバティアイランドとGⅠ・3勝馬ドウデュースの対決が見所となりそうだ。

本題に入る前にデータ的な前提を紹介する。基本的に天皇賞(秋)は派手に荒れるレースではなく、過去10年で出走した全馬を均等買いした場合の回収率は単勝22%/複勝46%に留まる。しかし21年(エフフォーリア、コントレイル、グランアレグリアの3強決着)を除く9回はいずれも5番人気以下の馬が1頭は馬券に絡んでいて、いわゆる「中穴」くらいの馬は検討する意義がある。

また、この10年で馬券に絡んだ30頭は全て5歳以下で、6歳以上の馬は【0-0-0-47】と全滅。穴を探すにせよ、若い馬にヤマを張っていくのが筋だろう。以上を踏まえつつ、様々な切り口のデータを駆使して3頭の穴候補を導き出した。

若さとGⅠ実績こそ正義! ソールオリエンス

まず1頭目はソールオリエンス。昨年の皐月賞では豪快な後方一気を決めた大器だ。その後は勝ち星から遠ざかっているが、前走の宝塚記念は上がり最速タイで追い込み2着と格好をつけた。

秋古馬三冠の初戦にあたる天皇賞(秋)は昔から「直行ローテ」をとる有力馬が比較的多いレースではあったが、近年はますます春GⅠからの直行が増え、そして結果も出るようになってきた。

過去10年で前走がGⅠ(※海外含む)だった馬は【6-7-4-24】複勝率41.5%で、GⅡ以下から来る馬の【4-3-6-97】同11.8%とは明確に差がある。まずは戦ってきたレースの「格」が重要となる。

天皇賞(秋) 前走の結果別成績,ⒸSPAIA


特に「前走GⅠで連対した馬」は【4-2-2-4】複勝率66.7%。そのうち「4歳以下」に限ると【3-0-1-0】でオール馬券圏内だ。当たり前といえば当たり前だが「若くてGⅠで結果を出してきた馬」は天皇賞(秋)でも高確率で上位争いになる。

今年の出走馬で該当するのはソールオリエンスだけ。大阪杯での敗戦、皐月賞や宝塚記念の結果から「道悪巧者」という評価も散見するが、そもそも東京良馬場の新馬戦で、今回上位人気が予想されるレーベンスティールを破っている。馬場適性どうこうより、不器用さがアダにならず、大味な追い込みが許される条件なら走る。右回りのコーナリングに難があるので、左回りで直線が長い東京コースは理想的な舞台だ。

「リピーター」に要警戒 ジャスティンパレス

2頭目はジャスティンパレスを選んだ。昨年はイクイノックスという不世出の天才に阻まれたものの、こちらも1:55.6という驚異の走破タイムで2着に入った。

天皇賞(秋) 前年着順別成績,ⒸSPAIA


天皇賞(秋)では前年の好走馬、いわゆる「リピーター」が馬券によく絡む。これも過去10年でデータをとると、前年の3着以内馬は【2-1-2-6】複勝率45.5%。ちなみに同4着以下馬は【0-1-0-25】複勝率3.8%なので「前年好走馬がよく走る」と同時に「前年大敗馬はほぼ浮上してこない」とも言える。

冒頭に述べた年齢の話と組み合わせて「前年3着以内だった5歳以下馬」なら【2-1-2-3】複勝率62.5%、複回収率117%となる。3~4歳時に馬券に絡んだ馬は翌年も狙ってみよう。

ジャスティンパレスは直近3戦で馬券に絡めていないが、有馬記念は4角3、2、1番手の馬が上位を占める決着で差し遅れたもの。ドバイSCも3着リバティアイランドとはわずかクビ差、前走は道悪が合わず、といずれも悲観する内容ではない。良馬場に戻れば当然侮れない1頭だ。

東京芝2000mで複勝率5割超の堀宣行厩舎 ダノンベルーガ

3頭目はダノンベルーガ。ドウデュース世代の日本ダービー4着馬であり、一昨年の天皇賞(秋)でもイクイノックスを相手に0.2秒差の3着、昨年は0.6秒差4着と善戦してきた。

堀宣行厩舎の条件別成績,ⒸSPAIA


管理する堀宣行厩舎は東京芝2000mにめっぽう強い。過去5年で【14-13-5-25】複勝率56.1%と非常に好走率が高く、これも5歳以下に限れば複勝率63.3%、単回収率142%、複回収率114%とさらにアップする。

ダノンベルーガ自身も左回り1800~2000mの高速決着を得意としており、国内GⅠ制覇のチャンスがあるとすれば天皇賞(秋)だろう。ドウデュースとは過去5回対戦し2勝3敗。ただし2000m以下なら、皐月賞クビ差負け、昨年の天皇賞(秋)と今年のドバイターフで先着という戦歴だ。人気の盲点になるようなら買い目に組み込んでおきたい。

<ライタープロフィール>
鈴木ユウヤ
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。

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