【毎日王冠】前走GⅠ・3着以内が狙い目 サリオスここで復活だ

門田光生

毎日王冠の前走クラス別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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マイルと中距離路線の一流馬が激突

2022年10月9日に東京競馬場で行われる第73回毎日王冠。すでに秋のGⅠシリーズは始まっているが、そのスプリンターズSが12月に行われていた時代を知っているファンは、東の毎日王冠、西の京都大賞典の声を聞いて、秋競馬の開幕をイメージするかもしれない。

さて、毎日王冠は天皇賞(秋)の優先出走権が与えられるレースではあるが、ここからマイルCSへと駒を進める実力馬もいて、マイルと中距離路線の一流馬が激突する、注目の一戦でもある。そんな毎日王冠にはどのような傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。

毎日王冠出走馬の所属,ⒸSPAIA
毎日王冠出走馬の性別,ⒸSPAIA
毎日王冠出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆所属、性別、年齢
美浦、栗東とも5勝、10連対でがっぷり四つ。3着は栗東勢が6回でリードしているが、出走頭数も少し多いことを考えると、差はないと考えていいだろう。

性別では、牡馬・セン馬8勝(17連対)、牝馬2勝(3連対)。ただ、牝馬は5頭しか出走していないので、連対率は5割を超えることになる。牝馬は次週に同競馬場、そして同距離で行われる府中牝馬Sへと向かうのが一般的。一流牡馬が出走してくるここにわざわざ挑むのだから、それなりの勝算がある馬が多かったのかもしれない。

勝率、連対率が最もいいのは3歳だが、今年出走がない。それに続くのは4歳世代で、年齢を重ねるごとに率が下がっていく傾向にある。7歳以上から連対馬は出ていないが、こちらも今回は該当馬なし。

毎日王冠出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
毎日王冠出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走クラスと主な前走
条件戦、もしくはオープンから挑んできた馬から連対馬は出ていない。最高着順は2014年の3着馬スピルバーグ(前走・メイS)で、次走で天皇賞(秋)を勝つほどの馬。それでも連対できなかったのだから、厳しいと言わざるを得ない。

というわけで、やはり主力は重賞組。中でも、連対馬の半分以上を占める国内GⅠ組(5勝、11連対)の活躍が目立つ。その内訳は、安田記念組が5連対(2勝)、ダービー組が4連対(2勝)、NHKマイルC組が1連対(1勝)。宝塚記念組は2着が最高で、勝ち馬は出ていない。GⅡ組の2勝は札幌記念と中山記念(今年は該当馬なし)、GⅢの2勝はともにエプソムC組。また、海外遠征組では2013年の勝ち馬エイシンフラッシュ(香港・QE2世C)がいる(該当馬なし)。

毎日王冠出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走着順
どのレースにかかわらず、前走3着以内の馬が8勝、2、3着も6回ずつ。これはクリアしておきたいところ。逆に前走が9着以下だと、31頭出走して好走は2着が2回だけだった。

安田記念3着といえば……

毎日王冠のデータをまとめてみよう。まず好走確率が上がるパターンはA「牝馬」B「前走GⅠ」C「前走3着以内」。

勝率、連対率が下がってしまうのはD「前走9着以下」。連対がないのはE「前走が条件、もしくはオープン」。

ずっとフルゲートに満たない年が続いていたが、今年も登録の時点で10頭しかいない。一方、京都大賞典の登録馬は14頭。長距離レースの方が出走頭数の少ないイメージがあったが、少なくとも毎日王冠と京都大賞典に関しては、逆転しているようだ。

さて、今年の毎日王冠は4~6歳馬の争い。年齢が若いほど勝率が高いのが特徴だが、連対率だけを見るとほぼ変わらない。これはひとまず置いておこう。まず、連対例がないE「前走が条件、もしくはオープン」に該当するキングストンボーイ、ハッピーアワー、レッドベルオーブの3頭を除いた7頭を検証してきたい。

まずは好走率の高い前走GⅠ組から。キングオブコージ(宝塚記念)、サリオス(安田記念)、ポタジェ(宝塚記念)、そしてレイパパレ(ヴィクトリアマイル)の4頭で、うち勝率0%である宝塚記念組の2頭は脱落。この2頭は勝率0%のD「前走9着以下」にも該当し、今回はノーマーク。また、レイパパレも同様に勝率0%のD「前走9着以下」に引っかかる。

となると、データ上で勝つ確率があるのはサリオスのみとなる。もうひとつの好走データであるC「前走3着以内」もクリアしているし、2年前の勝ち馬でもあり、条件に不足なしだ。安田記念3着→毎日王冠というローテーションは、昨年の勝ち馬シュネルマイスターと同じパターンなのも心強い。あとはプラスデータのA「牝馬」があるレイパパレを押さえておきたい。

他路線では連対率が25%あるエプソムC組のノースブリッジ。C「前走3着以内」も同時にクリアしており、また過去にエプソムCから連対した3頭は、ノースブリッジ同様に勝っての参戦だった。これも有力な1頭。同じくエプソムC組のジャスティンカフェは、4~6歳の中で最も勝率、連対率がいい4歳馬で、かつマイナスデータを持たない。同様の理由でダノンザキッドともども押さえておきたい。

◎サリオス
◯ノースブリッジ
▲レイパパレ
△ジャスティンカフェ
×ダノンザキッド

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
動物園へ行ってシマウマを見ると「腹回りに余裕があるなあ」とか思ってしまいます。これも「職業病あるある」なんでしょうかねえ。

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