【大阪杯】金鯱賞勝ち馬は過去2頭とも好走! 東大HCの本命はジャックドール

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大阪杯インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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緩い流れで前有利

4月3日(日)に阪神競馬場で行われる大阪杯(GⅠ・芝2000m)。春の古馬、中距離王決定戦に実績馬16頭が集結した。有馬記念を含むGⅠ・3勝の現役最強馬エフフォーリアや、本格化到来で5連勝中の逃げ馬ジャックドールなどが出走を予定しているが、信頼できるのは果たしてどの馬か。今週もデータを踏まえて検討していこう。

初めに、過去10年の傾向を分析する(GⅠ昇格前を含む)。


過去10年大阪杯好走馬4角通過順位,ⒸSPAIA


全体の半数にあたる5レースにおいて前半5Fが61秒台を記録し、12年には65秒台という極めてスローな流れになるなど、前半が緩みやすいレース。そのため前有利の傾向が強く、過去10年で逃げ馬は【1-1-2-6】、先行馬は【3-5-3-22】と、どちらも複勝率は30%を上回っている。

15年には4角11番手、12番手によるワンツーが見られたものの、17年のGⅠ昇格後には特に前有利となり、4角で二桁順位にいた馬は1頭も馬券に絡んでいない。また、逃げ馬は昨年レイパパレが1着、一昨年にはダノンキングリーが3着と2年連続で馬券内に入っている。


トライアル組の信頼度は?

過去5年大阪杯前走GⅡ組成績,ⒸSPAIA


大阪杯のトライアルには金鯱賞と中山記念が指定され、それぞれ1着馬に優先出走権が与えられている。今回は16頭中11頭がGⅡレースから臨むが、各路線の重要度を調べてみる(今年該当馬がいないものは省略)。 

過去5年で金鯱賞組は【2-1-1-14】、中山記念組は【1-1-1-5】と、トライアル組から複勝圏内に入る馬が多数出ている。最多勝利は2勝の金鯱賞組で、特に同レース勝ち馬は【1-0-1-0】と2頭とも好走。なお複勝率では中山記念組に軍配が上がっている。

一方、京都記念組は【0-2-1-9】と勝ち星がない。過去10年に広げてみても【0-4-1-11】と、馬券には絡むものの勝ちきれていない印象だ。アタマで狙うのは避けた方がいいだろう。AJCC組は【0-0-0-4】と全く活躍できていないことからも、GⅡ組の中ではトライアルを使った馬を素直に信頼したい。


歴史的名馬に続け

◎ジャックドール
逃げて突き放す競馬で連勝中。前走はレコードを1秒1更新するなど、レース内容も評価できる。デビューから9戦全て2000mを使っており、距離の経験が豊富なのもプラスだ。何かと比較されることの多いサイレンススズカは金鯱賞1着から宝塚記念へ挑み、GⅠ初制覇を果たした。一挙の戴冠を成し遂げる可能性はこの馬にも十分ある。

◯エフフォーリア
GⅠ・3勝、敗戦はダービーの2着のみと実績首位にいる。昨年の天皇賞(秋)ではコントレイルやグランアレグリアといった名馬を抑え、勝利を収めた。先行策を得意とするが、有馬記念のように中団につけても戦える。展開を見て柔軟に対応できる脚質が魅力だ。先週、先々週と重賞で結果が出なかった横山武史騎手の不調が気にはかかるが、上位人気馬2頭の馬券内は堅いだろう。 

▲ヒシイグアス
ジャックドールやレイパパレ、ウインマリリンなどにより先行争いが激化することを見越し、3番手にはある程度後ろから進められる馬を選ぶ。前走香港Cではレイパパレを下し、国内・国外GⅠ計4勝のラヴズオンリーユーにアタマ差まで迫った。中山巧者のイメージがあるが、天皇賞(秋)では5着に入るなど中山以外でも実績を残しているため軽視はできない。

△ポタジェ
重賞で2着1回、3着2回の実績がある馬。金鯱賞では位置取りが後ろすぎたこともあり差し損ねはしたが、上がり最速の脚を使っている。ディープインパクト産駒は過去10年で【5-2-5-22】と、血統も後押しする。

以下、相手としてレイパパレ、アカイイト、アフリカンゴールドを押さえる。

◎ジャックドール
◯エフフォーリア
▲ヒシイグアス
△ポタジェ
×レイパパレ
×アカイイト
×アフリカンゴールド

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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