【フィリーズレビュー】1400mに戻るナムラクレアを評価! ウィリン、アドヴァイスら伏兵多数!
勝木淳
ⒸSPAIA
桜花賞への最終便
阪神JF上位組は同舞台のチューリップ賞に大挙出走する一方、フィリーズレビューから本番に向かうことは少ない。阪神JF3着以内馬のうち、フィリーズレビュー出走は12年アイムユアーズが最後。同馬はすでに母として4頭を競馬場に送る。フィリーズレビューは15年ムーンエクスプレスを最後に阪神JF5着以下ばかりが出走している。
直行ローテが常識になり、トライアルの価値を問われる時代にあって、フィリーズレビューの立ち位置はさらに難しい。とはいえ、桜花賞への切符をかける実質最後の戦いであり、切ないまでの激しい競馬は変わることはない。ここでは過去10年間のデータを使用し、レース傾向について考えてみたい。
春のトライアルのなかでも屈指の波乱レース。1番人気【2-2-0-6】勝率20.0%、複勝率40.0%はそれを物語る。17年2着レーヌミノル以来、4年間馬券に絡んでいない。上位人気ならば2番人気【2-3-2-3】勝率20.0%、複勝率70.0%ぐらい。3番人気以下は横並びで、8番人気【3-1-0-6】勝率30.0%、複勝率40.0%など穴馬も激走する。
次にキャリア別成績。新馬勝ち直後のキャリア1戦は【0-0-0-6】と惨敗。好走ラインは2戦【2-1-1-13】勝率11.8%、複勝率23.5%から7戦【0-1-2-7】複勝率30.0%まで。8戦以上は【0-0-0-11】。1着馬に限定すれば、この10年すべて2~5戦以内から出ている。
それでは好走がないゾーンを切り、キャリア2~7戦以内馬に限定して、さらに前走成績を分析、好走パターンに合致する馬を絞ってみたい。
まずは前走クラス別成績をみる。前走GⅠは【3-4-3-19】勝率10.3%、複勝率34.5%、うち阪神JF【2-4-3-19】勝率7.1%、複勝率32.1%と安定感がある。冒頭でも触れたが、上位着順馬の参戦こそないものの、計算はそれなりに立つ。
阪神JFでの着順を改めて確認しよう。5着【0-3-0-1】複勝率75.0%なので、掲示板以内だった馬の好走は確実。負けたのは12年アンチュラス(阪神JF5着)しかいない。今年ならナムラクレアが軸向きといえる。10着以下だった馬は【1-1-0-15】勝率5.9%、複勝率11.8%、巻き返しはあるものの、確率は低い。10着だったキミワクイーンはやや負けすぎか。
もうひとつ前走阪神JFについて。その位置取り別成績をみると、逃げ【0-2-0-0】、先行【2-0-3-5】勝率20.0%、複勝率50.0%と前に行っていたスピード型が優位。中団は【0-2-0-8】複勝率20.0%、後方【0-0-0-6】。4コーナー13番手ナムラクレアはここに引っかかる。ならば好位にいたキミワクイーンか。今年の阪神JF組はデータを食い合っていて難しい。
次に前走オープン【2-1-1-22】勝率7.7%、複勝率15.4%を着順別にみていこう。前走オープン勝利は【0-0-1-6】複勝率14.3%とイマイチ、買うなら2着【1-0-0-2】など掲示板以内が好成績。今年なら紅梅S3着ウィリン、同4着アドヴァイスなどが該当する。
最後に前走1勝クラス【5-3-5-47】勝率8.3%、複勝率21.7%を検討しよう。こちらはOP・リステッドとは異なり、1着馬【3-3-4-25】勝率8.6%、複勝率28.6%。さすがに条件戦組はフィリーズレビュー出走を確定する2勝目を挙げた馬がいい。2着以下も掲示板以内なら好走馬を出すので、前走1勝クラス3着のホワイトターフ、ゼロドラゴンは相手候補に入れておきたい。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。
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