【根岸S】「差し」「35秒台の上がり」「高速決着」 3つの条件を兼ね備えるタガノビューティー

三木俊幸

2022根岸S馬場適性チャート,ⒸSPAIA

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過去10年で差し・追込が9勝

日曜の東京メインは根岸S(GⅢ・ダート1400m)。2018年ノンコノユメ、2020年モズアスコットはここを制した勢いそのままにフェブラリーSも勝利。2021年の優勝馬レッドルゼルは本番で4着に敗れたものの、ドバイに遠征して2着、秋にはJBCスプリントを制するなどスプリント路線で活躍している。

フェブラリーSを見据えたマイラータイプとスプリンターが混在する1400mという距離で争われるため、テンから激しい先行争いが繰り広げられることも多く、スタートして2ハロン目の200〜400m地点が10秒台、全体的にハイペースとなる傾向にある。過去10年では差しが4勝、追込が5勝に対し、先行馬による勝利はわずか1勝と極端な結果が見られる。

また、冬場でパワーがいる馬場とのイメージを持たれがちだが、直線が長くスピードを求められるコース形態ということもあり、瞬発力と高速決着への対応力が必要。実際に過去10年の勝ち馬の上がりタイムを見ると、最も速かったのは2018年ノンコノユメの34.2。この時は重馬場で勝ちタイムも1:21.5だった。

逆に最も遅かったのは、2016年モーニンと2019年コパノキッキングの35.4。前者は3番手追走から唯一勝利した先行馬で、勝ちタイムは1:22.0。後者は含水率1.5%と極端に乾燥した馬場状態でのものだったが、それでも35秒台前半の瞬発力が必要だということは頭に入れておきたい。

穴候補はスリーグランド

2022年根岸S出走馬の馬場適性,ⒸSPAIA



週中は晴れの日が続く予報で、今年の根岸Sは比較的含水率の低い馬場状態でのレースとなりそうだが、「脚質」「瞬発力と高速決着」の2点から適性のある馬をピックアップしていく。

【1400m、脚質からの注目馬】
メンバーを見渡すと、3走前のコーラルSで前半600mを33.8で飛ばして逃げ切ったリアンヴェリテをはじめ、ヘリオスやトップウイナー、ジャスティンなど先行馬は揃っており、ペースは流れると予想する。

そうしたことから、全6勝中5勝が東京コースで、うち2勝が1400m、追込脚質のタガノビューティー、1600mの武蔵野Sと1200mのカペラSはいずれも中団より後ろからレースを進めて3着となったオメガレインボーは1400mが合う可能性あり、昨年の根岸Sで8番手追走から3着のタイムフライヤーも含めて3頭を評価したい。

【瞬発力と高速決着】
速い上がりと高速決着への対応力という面では、ここでもタガノビューティーが最もよく条件に該当する。3走前の欅Sでは上がり35.2、1:21.9(稍重)というタイムで勝利、6走前のバレンタインSは2着だったものの、今回と同じ冬場、含水率3.1%の良馬場で上がり35.2をマークするなど安定して35秒台の末脚が使える馬だ。

そのバレンタインSでタガノビューティーに0.5秒差をつけて逃げ切ったスリーグランドの走破タイム1:23.1は根岸Sでも勝ち負けできるもの。3走前のグリーンチャンネルCでも2着ながら1:22.9(良)で走っており、高速決着への対応力は高い。また近2走は差す競馬をしていること、過去には良馬場の1200mで上がり35.5をマークしていることからも、全てがうまく噛み合えば好走がありそうだ。

そして最後にヘリオス。先行脚質という点がどうかだが、グリーンチャンネルCでスリーグランドに0.6秒差をつけて1:22.3で逃げ切ったのをはじめ、2020年の霜月Sでも1:22.8(良)で勝利するなど高速決着で強さを見せていて、条件には当てはまる。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。



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