【オークス】白毛馬ソダシの取捨は?ハイブリッド式消去法で占う3歳女王決定戦

八木遊

過去10年のオークス『関東馬』かつ『前走6番人気以下』の成績インフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の『ヴィクトリアマイル』は、グランアレグリアを中心視したまでは良かったが、2着に入ったランブリングアレーを消していたため的中ならず。連敗地獄が止まらない。

今週は3歳牝馬による2400mの長丁場『オークス』。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。すでに回避を発表しているホウオウイクセルを除く20頭を対象に進めていきたい。

『関東馬』×『前走6番人気以下』★2.9%★

最初は東西別のデータを取り上げる。関東馬は過去10年で【3-6-4-66】(複勝率16.5%)で、関西馬の複勝率17.2%とほぼ同じ。関東馬の命運を分けるのは前走時の人気だ。

1~5番人気だった馬はオークスで【3-6-3-32】(同27.3%)と高い好走率を誇る。一方、6番人気以下からの参戦は【0-0-1-34】(同2.9%)。馬券圏内は14年3着のバウンスシャッセ(前走皐月賞12番人気11着)だけだった。

今年この条件に該当したのは6頭。除外対象のメイサウザンアワーの他、桜花賞3着のファインルージュなどが消去対象となった。

【今年の該当馬】
・ウインアグライア
・ククナ
・ストライプ
・スライリー
・ファインルージュ
・メイサウザンアワー*

『母父SS系』×『前走上がり2位以下』★4.2%★

続いては血統と前走の上がり時計の組み合わせに着目。母の父がサンデーサイレンス(SS)系の馬は過去10年で【1-1-1-26】(複勝率10.3%)とオークスとの相性は良くない。

ただし、前走で上がり最速をマークしていれば、【1-1-0-3】(同40.0%)で5頭中2頭が連対している。逆に上がり2位以下だった馬は【0-0-1-23】(同4.2%)。過去10年で唯一馬券に絡んだのは11年ホエールキャプチャで2番人気3着だった。

今年この条件に当てはまったのは5頭。新たにアールドヴィーヴルとクールキャットの2頭が消去リストに加わった。

【今年の該当馬】
・アールドヴィーヴル
・クールキャット
・(ククナ)
・(ストライプ)
・(スライリー)

『非社台系生産』×『非一口馬主クラブ』★4.5%★

続いては、生産者と馬主の組み合わせ。やはり3歳春のクラシックディスタンスは社台系生産馬が強く、【8-8-8-68】(複勝率26.1%)と圧倒的。一方、非社台系生産馬は【2-2-2-80】(同7.0%)と苦戦傾向だ。

ただし、一口クラブ馬主だと【1-1-1-17】(同15.0%)と善戦。ちなみに馬券圏内3頭は昨年の1~3着馬である。好走率が低いのは、非社台系かつ非一口馬主クラブの馬。過去10年の成績は【1-1-1-63】(同4.5%)で、昨年は8頭すべてが6着以下に沈んだ。

今年この条件に当てはまったのは6頭。スイートピーSを勝ったタガノパッションなど5頭が新たに消去対象となった。

【今年の該当馬】
・(ストライプ)
・タガノパッション
・ニーナドレス
・ハギノピリナ
・パープルレディー
・ミヤビハイディ

『関西馬』×『前走から騎手乗り替わり』★5.7%★

最初の消去データでは関東馬を取り上げたが、関西馬の“弱点”にも着目。それが前走から騎手が乗り替わっていた時だ。継続騎乗時の【6-4-5-49】(複勝率23.4%)に対し、鞍上が乗り替わっていた時は【1-0-1-33】(同5.7%)と好走率は大きくダウン。

今年これに該当しそうなのは4頭いるが、うち3頭はすでに消去済み。新たにリストに加わったのは、忘れな草賞勝ち馬のステラリア。鞍上が乗り慣れた福永祐一騎手からテン乗りの川田将雅騎手に乗り替わるのはオークスではマイナスに出るとみる。

【今年の該当馬】
・(アールドヴィーヴル)
・ステラリア
・(タガノパッション)
・(ニーナドレス)

『今回馬体重460kg未満』×『今回馬体重4kg以上減』★2.9%★

最後は、馬体重絡みで消去できる条件を探した。ほとんどの馬にとって未経験の長丁場、2400mだけに馬格はある程度あった方がいい。

オークス当日の馬体重が460kg未満の馬は【5-4-5-100】(複勝率12.3%)とやや苦戦傾向。注目したのは、当日の馬体重増減だ。4kg以上減らしていた馬は【1-0-0-33】(同2.9%)、4kg以上増えていた馬の【2-1-1-31】(同11.4%)、2kg以内の増減に収めていた馬の【2-3-4-36】(同20.0%)に比べ、好走率は大きく劣る。

4つのデータを終えて、残っているのはアカイトリノムスメ、エンスージアズム、スルーセブンシーズ、ソダシ、ユーバーレーベン、そして除外対象のスウィートブルームの計6頭。このうち前走時の馬体重が460kg以上あったのはソダシだけ。最終的には当日の馬体重増減を見ての判断となるが、ソダシの優位は揺らぐことはなさそう。少なくとも馬券圏内は外すことはないだろう。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(5月16日時点の回収率は36.1%)。

《関連記事》
【オークス】立ちはだかる距離の壁! 無敗の桜花賞馬ソダシと過去の三冠牝馬の違いとは?
【オークス】横山親子3代制覇なるか? 白毛馬ソダシだけじゃないオークスの注目ポイント
デアリングタクト、コントレイルも敗戦の春競馬 「雨の日の競馬は荒れる」は本当なのか

おすすめ記事