【高松宮記念】枠順次第で人気馬でも危険 レシステンシア、ダノンスマッシュらの不安要素は?

鈴木ショータ

高松宮記念イメージ画像,ⒸSPAIA

人気馬が外枠に入ったら危険!?

今年の高松宮記念は豪華メンバーだ。上位人気が予想されるレシステンシア、ダノンスマッシュ、インディチャンプなど、正直、逆らうことは難しいようにも思う。しかし、ここではあえて牙を剥き、死角を探っていく。

高松宮記念の枠順別成績,インフォグラフィック,ⒸSPAIA


人気馬にとって最も厄介となりそうなのが枠順だ。高松宮記念は内枠有利の傾向が出ており、過去10年(阪神開催の11年除く)の枠別成績を見ても、1~4枠が複勝率22.2%、複勝回収率167%。対して5~8枠は、複勝率12.4%で、複勝回収率45%。

例年フルゲートになることからも、外枠の馬が内に入るのはそう簡単なことではなく、枠なりに外々を回って敗れてしまうことが多々ある。枠順が発表されたら、まず有力馬の馬番をチェックしたい。

レシステンシア

レシステンシアの好走パターンは、ハイペースで逃げの手を打つこと。レコード勝ちも2度あるように、スピードが豊富で、先行して押し切る形がベストの展開。数字的に言えば、中盤3F(残り1200~600m)区間、35.0秒未満のよどみないペースでは【4・1・0・0】と、パーフェクト連対。負けた相手も桜花賞のデアリングタクトなのだから仕方ない。それ以外のレースでは、以下のように凡戦が多い。

35.9秒3着チューリップ賞
35.3秒2着NHKマイルカップ
35.0秒8着マイルCS

今回は1200m戦になるので、前半3Fのタイムがポイントになる。35.0秒は切ってきて当然で、おそらく33秒台半ばのハイペースに持ち込むのが好走のゾーンになる。ただし、スローペースに落としてしまったり、何らかの形で馬群に包まれて逃げられなかった時には不安が残る。怪我で乗れなくなった武豊騎手に代わって手綱をとる浜中騎手がどのようにエスコートするのか注目だ。

ダノンスマッシュ

前走の香港スプリントで念願のGⅠ初制覇。しかし国内のGⅠに限って言えば人気に応えられていない。国内GⅠでは【0・1・1・5】。こと高松宮記念は、2019年1番人気4着、2020年3番人気10着と、人気を大きく裏切っている。

スプリンターズS2着に関しては、レースレベルにも疑問が残る。勝ったグランアレグリアこそ1.08.3だが、2着のダノンスマッシュの走破時計は1.08.6。これは同開催の3勝クラスでケープコッドが記録した1.08.5よりも遅い。実際、上位に入線した馬の次走成績も芳しくない。

3着アウィルアウェイ→12着
4着ミスターメロディ→12着
5着クリノガウディー→5着
6着レッドアンシェル→14着

以上のことからも、スプリンターズSとは全く異なる組が今回の高松宮記念で上位を独占するかもしれない。

ラウダシオン

ラウダシオンはNHKマイルカップの勝ち馬であることからも人気を集めそうだが、そもそも、そのレースレベルが低かった可能性がある。NHKマイルカップに出走していた馬を次走以降で買い続けた場合、単勝回収率30% 、複勝回収率41%。人気以下に負けていることが多く、馬券的には全く狙えないのが実情だ。

また管理する斉藤崇史厩舎も、短距離戦の適性は未知の部分がある。クロノジェネシスをはじめ、中~長距離には定評があるが、1200m戦では単勝回収率47%、複勝回収率58%と水準を大きく下回っている。

以上のように、そもそも能力的に疑問が残る点と、厩舎的にも大きな上積みがあるかは未知のため、人気では危険な存在かもしれない。

ライタープロフィール
鈴木ショータ
競馬伝道師。競馬エイトトラックマンを経てフリーに。オリジナルのweb競馬新聞「PDF新聞」を毎週発行。根っからの大穴党で、馬券格言は「人の行く裏に道あり”穴”の山」

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