【日経新春杯】ラチ沿いの有利もそろそろ落ち着く? 前走で馬場不利に泣いた馬は

坂上明大

日経新春杯の参考レースインフォグラフィックⒸSPAIA

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距離延長で逆転可能

京都競馬場の改修工事の影響で、例年の京都芝2400mから中京芝2200mに施工条件が替わる今年の日経新春杯。年始の2週はAコース替わりでラチ沿い有利の馬場状態が続いたが、3週目の今週はそろそろラチ沿いのアドバンテージが失われそうで、より地力が求められる競馬になるだろう。

日経新春杯参考レースのトラックバイアスⒸSPAIA



【毎日王冠】
東京秋開催開幕週でAコース初週。夏期休場中に芝張替作業を行い絶好の状態で開幕を迎えるはずだったが、水~金曜の79.5㎜、土曜の24.5mmの降雨の影響で稍重開催、時計も平均的に落ち着いた。レースでは前2頭はオーバーペースだったが、3番手以降は35.9-35.2-34.4のスローペース。少頭数ということもあり、末脚が結果に直結するレースとなった。

2着馬ダイワキャグニーは去勢明けでも好仕上がり。馬群を離れた馬群を引っ張る形で展開は申し分なかった。まとまった体形だけに1800~2000mがベストだろう。

3着馬サンレイポケットはラスト600~200mこそ他馬に劣ったが、ラスト200~0mはサリオスに次ぐ2位。「これぞHyperion」という持続力を見せた。距離が延びればダイワキャグニーとの着順は入れ替わるだろう。

10着馬サトノインプレッサはテンションが高く、発汗も目立った。レースでは大きく出遅れており、参考外の一戦であった。ただ、まだまだ幼い体つきでもあっただけに、今回も当日の気配は要チェック。

5戦4勝の6億円ホース

【アンドロメダS】
短距離路線で活躍していたディアンドルが気風良く逃げて、前後半1000m59.3-59.5の引き締まったラップ。馬場状態も良く、どの馬も力を出し切れるレース展開であった。

1着馬アドマイヤビルゴは中団追走から直線は大外。ペースアップした地点で若干遅れたが、200m過ぎに先行勢を捉え切った。馬体は増えてこないが、一戦ごとにレースぶりの進境は感じる。本格化はまだ先だろうが、超高額馬らしい素質は見せている。

2着馬クラージュゲリエはアドマイヤビルゴの1列前での競馬。4角の進路取りもスムーズだったが、4角出口で逆手前になってスタミナロス。2キロの斤量差も加味すれば、勝ち馬との力差は感じない。フェアリードール牝系のキングカメハメハ産駒だけに内回りコースがベストだろうが、同斤量の今回は逆転も。

3着馬レイホーロマンスは内々をロスなく回っての3着。後有利の展開でどこまで。

長期休養明けでの善戦

【中日新聞杯】
タガノアスワドが掛かり気味に逃げたが、前後半1000m61.5-58.6のスローペース。スパート位置もそう早くなく「前有利」の展開であったとみる。

3着馬ヴェロックスは中団外目から上がり3Fを11.4-11.1-11.4程度でまとめて3着。3歳時のパフォーマンスからするとまだまだ本調子ではなかったか。使っての上積みに期待。Hyperionの影響が強い馬だけに好位で運ぶ形がベストだろう。

前走馬場不利のサンレイポケット

サンレイポケットの前走(アルゼンチン共和国杯)は内の悪い馬場状態の中を内差しの形。血統的にはHyperionの影響が強い先行粘着型だけにポジション取りが鍵にはなるが、このメンバーでの55キロなら十分に勝ち負けになるだろう。

注目馬:サンレイポケット

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者40000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、走法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。


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