冬のダート戦は「あえての軽量馬狙い」で裏をかけ 大穴ゲットに役立つデータとは

佐藤永記

1月ダート戦のデータインフォグラフィックⒸSPAIA

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軽量馬の強襲を拾うには

「冬のダートは馬体重が重い馬のほうが有利!」というのは誰もが知る一般常識といっても過言ではないだろう。実際に過去10年の1月ダート戦、馬体重別成績を見ると傾向ははっきり出ており、重ければ重いほど成績がよくなる。

1月ダート戦の馬体重別成績ⒸSPAIA



だが私達は当たればよいだけじゃない。馬券で勝ちたいのだ。これだけ知られた常識がゆえ、成績と反比例するように大型馬の配当は下がってしまっている。

1月ダート戦の馬体重別成績ⒸSPAIA



馬体重20キロごとにグループ分けしていくと、馬体重460キロ未満の区分は勝利時の単勝平均配当1291~1706円に対し、460キロを超えると873~1219円となる。

いくら大型馬の成績がよくても、儲からなければ意味がない。ならば逆に「軽量馬が冬のダートで来る条件」を探してみよう。馬体重が460kg未満の馬で馬券に絡んだ馬たちはどんな成績なのか、特徴をまとめてみた。

軽量馬の前走着順別成績ⒸSPAIA



まずは前走着順。条件戦が多く含まれるため、前走1着馬は昇級で苦戦を強いられるものの、基本的には上位着順を取っていた馬が好走している。前走2着馬は勝率19.8%、複勝率49.0%と好成績。ただ、当然ながら高配当帯は昇級馬(単勝平均1069円)や前走6着以下(同2658円)。

さらに条件を探してみると、意外にも答えは「もうひとつの馬体重」にあった。

前走馬体重から読み取る

冬場は気温が低く馬体が絞りづらいため、調整が難しいとされる。冬毛が生え脂肪を蓄えようとする、動物として当然の機能を馬も持っている。それをパワーに変えられればいいが、「太すぎる」のでは走れない。

イチロー選手も語っていたが「本来自分が持つバランスを崩してはいけない」というのは、人間のアスリートだけでなく競馬にも当てはまりそうな話だ。

そんな調整状況を読み解くのにデータでわかりやすいのが「前走馬体重」だろう。出走レースが460kg未満の馬たちについて、前走馬体重別成績を見る。

軽量馬の前走馬体重別成績ⒸSPAIA



連対率を見ていくと、前走馬体重400~419キロが3.1%、420~439キロが8.1%、440~459キロが10.6%、460~479キロが11.7%と、見事に前走重かった馬が好成績。また、前走460~479キロでも単勝平均1471円と、配当妙味もキープされている。

軽量馬の馬体重増減ⒸSPAIA



なお、前走からの増減で見ると、体重減より体重増の成績がよくなっている。また、面白いのは馬体重の増減幅はあまり成績に影響していなかったことだ。以上から分かる「軽量馬で穴を狙うときのポイント」は下記の通り。

・前走は460キロ以上で、今回絞れてきた馬
・前走から馬体重が増えた馬(増減の幅は気にしない)

加えて、「増減幅が大きくて人気が落ちている」なんてことがあると配当効率はさらに上がるだろう。

「冬のダートは馬体重」だが、裏をかいて高配当を得るためのポイントも隠されており、実にロマンがあると言えるのではないだろうか。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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