【ステイヤーズS】ベテランリピーターに好走サイン 当日まで覚えておきたいデータ

勝木淳

2020年ステイヤーズステークスデータインフォグラフィックⒸSPAIA

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高齢馬こそ狙い

師走の中山開幕を告げるステイヤーズSは、内回りコースを2周する国内平地最長距離レース(かつて中山芝4000mの日本最長距離Sが75年まであった)。活躍の場が少ない個性派ステイヤーたちが勝ち馬に名を連ねる。

81、82年ピュアーシンボリ、88、89年スルーオダイナ、92、93年アイルトンシンボリ、00、02年ホットシークレット、13、14年デスペラード、そして15年から三連覇したアルバート。同馬は9歳になった今年も元気に出走予定だ。ここではマラソン競馬ステイヤーズSについて過去10年間のデータを基に分析する。

年齢別成績(過去10年)ⒸSPAIA

スピードが問われず、スタミナや我慢強さといった面が重要なレースなので、ほかの芝重賞では好走確率が落ちるベテランが大健闘。9歳以上は【1-0-2-7】勝率10%、複勝率30%で上位。

今年は世代別トップの3歳馬から出走予定馬が見当たらないので、実質9歳以上が確率ではトップだ。9歳以上で凡走した7回中3回はサイモントルナーレ。反対に好走データの1勝3着2回はすべてトウカイトリックの記録。

同馬は9~11歳で連続好走。典型的なリピーターだった。かつて三連覇したステイヤーズS最強馬9歳アルバートが好走しても不思議でもなんでもない。ほかにはルミナスウォリアー(9歳)も出走予定だ。

枠番別成績(過去10年)ⒸSPAIA

周回コースを2周する競馬で枠順の有利不利などないのではないかと思いきや、これが案外偏っている。なぜか最内1枠【2-0-1-8】勝率18.2%、複勝率27.3%、真ん中の5枠【2-2-1-14】勝率10.5%、複勝率26.3%、大外8枠【3-1-0-16】勝率15%、複勝率20%と内、真ん中、外にホットゾーンがある。

複勝率でみるとそこまで偏らないが、例年、特殊な距離のため出走頭数が少なく、馬券的に絞って買う必要があるので、1着馬を予想する際には注意しよう。

注目すべきは前走GⅡ組

ここからは出走馬の戦歴について具体的に掘り下げていく。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

この時期の重賞としては前走GⅠが【0-0-1-6】と数も少なく、好走も10年3人気3着ネヴァブションのみ。前走3勝クラス【1-4-2-22】(ヒュミドールなど)、オープン【2-2-0-15】(ボスジラなど)も悪くないが、注目は前走GⅡ組。【7-4-6-50】勝率10.4%、複勝率25.4%と好成績。

今年はアルゼンチン共和国杯組(オセアグレイト、ゴールドギア、タイセイトレイル、メイショウテンゲン)、京都大賞典組(シルヴァンシャー、ダンビュライト、リッジマン、モンドインテロ、アルバート)のほかに札幌記念からポンデザールが出走予定。

前走GⅡ組の前走レース別成績(過去10年)ⒸSPAIA
前走アルゼンチン共和国杯組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

アルゼンチン共和国杯勝ち馬の出走こそ過去10年でゼロだが、掲示板以上の好走馬は【3-1-2-4】とこのレースで強い。今年の予定馬では5着タイセイトレイルが該当。

5着馬【0-0-0-2】はやや気になるデータだが……凡走組も6~9着【2-0-1-10】、10着以下【1-0-2-22】なので軽視禁物。9着ゴールドギア、11着オセアグレイト、17着メイショウテンゲンまで好走可能だ。

最後に京都大賞典組に触れるが、こちらはアルゼンチン共和国杯より傾向が極端で、掲示板以上の好走馬はこの10年で出走なし。4着シルヴァンシャーは異例パターンだ。6~9着は【1-1-1-1】で7着ダンビュライトが合致する。

また10着以下も【0-2-0-5】なので侮れない。リッジマン、モンドインテロ、アルバートが該当。この3頭は過去5年間のステイヤーズS勝ち馬。まさにリピーター好走パターンでもある。

ステイヤーズSデータ



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

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