【天皇賞(秋)】1、2番人気の牝馬は連対率8割 2008年以来の牝馬決着なるか注目

高橋楓

天皇賞(秋)過去5年の優勝馬インフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA

牝馬2頭が人気に

2008年11月2日。私は錦糸町のウインズで一枚の単勝馬券を強く手に握りしめていた。十数分後には「ダイワスカーレット」と書かれたただの紙に変わるのだが、外れた事よりもとんでもないものを見てしまった、という得体のしれない高揚感に包まれていた。

それは従来のレコードタイムを0.8秒も更新する「1分57秒2」という数字は当時信じられない事だった。馬券が外れて悔しがらなかったのは恐らくあの時だけだろう。あの時と同じ様に今年の天皇賞(秋)も2頭の牝馬が上位人気に予想されている。

過去5年の優勝馬



コース改修前の東京芝2000mではメジロマックイーンの降着や1番人気の連敗などが続き、よく「府中の二千には魔物が住む」と言われていた。しかし近年はすっかりと魔物は影を潜め、人気馬が堅実なコースになっている。

とはいえ、1コーナー奥のポケットからスタートするため、すぐに2コーナーが迫ってくる東京競馬場にしてはトリッキーな条件。それに伴い、外枠の馬にとってはコースロスが大きく、天皇賞(秋)に限定すると近10年間で8枠の馬は[0-0-2-25]と1頭も連対できていない。外枠に入った馬は割引が必要だ。

無理な穴狙いは禁物

過去10年の配当



近10年間全て1、2番人気のどちらかが連対しているため、馬連万馬券は出ていない。1番人気が馬券に絡めなかったのは2011年ブエナビスタ(4着)、2018年スワーヴリチャード(10着)のみで[5-2-1-2]と安定した成績になっている。

ただ、3連単は平均5万2873円とやや荒れ気味。覚えておきたいデータは、6番人気以下で馬券に絡んだ9頭中8頭が、8番より外の枠だったこと。決め手を持った馬が中枠から外に入った場合、ケアが必要だ。

前走はGⅡ以上が必須

前走レース別



連対馬全頭が前走でGⅡレース以上に出走してきている。特に毎日王冠組は[3-3-5-42]と一歩リード。2012年エイシンフラッシュや2015年ステファノスなど、毎日王冠で掲示板に載れなかった馬からも連対馬が出ているので、負けていても軽視は禁物だ。

また、近年では外厩の運用が進み、休み明けで直行する馬も増えてきた。宝塚記念組[2-3-2-16]、安田記念組[1-2-0-3]、札幌記念組[2-1-1-15]などなど。

京都大賞典組は[1-0-0-12]で、15年に同年の宝塚記念馬ラブリーデイが勝利。オールカマー組は[1-0-0-25]で18年のレイデオロしか馬券に絡んでいない。また、半年以上の長期休み明けは[0-0-1-7]と苦戦傾向だ。

人気2頭に好データ

年齢別



近10年間では4歳馬[4-6-4-30]と5歳馬[6-2-4-36]が圧倒的な数字を残している。上位人気が予想されるアーモンドアイ(牝5歳)クロノジェネシス(牝4歳)には追い風だ。6歳以上は[0-0-1-59]と苦しい数字になっている。

性別



牝馬人気別



性別でみると牡馬[8-8-9-130]に対し牝馬は[2-2-1-8]となっている。また、牝馬は2番人気以内だと[2-2-0-1]に対し、3番人気以下になると[0-0-1-7]と信頼感が落ちる。アーモンドアイ、クロノジェネシスは1、2番人気濃厚だが、当日のオッズからは目が離せない。

一角崩しはダノンプレミアム

ここまでアーモンドアイ、クロノジェネシスの2頭を中心に書いてきたが、この上位を崩せるとすればダノンプレミアム。充実期に入った5歳馬で、2着に入った昨年同様、安田記念からの直行のローテーション。休み明けは[2-1-1-0]と鉄砲駆けも大丈夫。騎手は相棒の川田将雅騎手[6-2-0-2]に戻った事もプラス材料だ。

昨年は1:56.7という時計を記録しながら3馬身も前にアーモンドアイがいたが、この馬も超一流の走りをしていた。天皇賞(秋)を制するために必要な「前走GⅡ以上」「4、5歳馬」の条件も満たし、一年越しのリベンジがあっても何ら不思議はないだろう。

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。


《関連記事》
【菊花賞】コントレイル三冠の偉業達成!レース内容と馬券の結果を振り返る【動画あり】

【天皇賞(秋)】名牝クロノジェネシス、アーモンドアイに黄色信号 当日まで覚えておきたいデータ

【スワンS】「4歳牡馬」「ディープインパクト産駒」が好調 覚えておきたいデータ

おすすめ記事