狙うべき騎手は?今開催は内枠が有利?東大HCが中山ダート1200mの攻略法を徹底解説

東大ホースメンクラブ

中山ダ1200メートルが得意な横山典騎手ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

枠順、脚質の傾向は…

先週の連載では中山ダート1800mのデータを分析した。同舞台で行われた先週の日曜メイン・ラジオ日本賞では、人気薄での激走が多い2枠を引いたクロスケが2着、さらに複勝率・回収率ともに優秀な「困った時の田辺騎手」騎乗のスウィングビートも3着を確保。

コラムを読まれた方にはおいしいレースになったのではないだろうか。今週は同様に施行回数の多い中山ダート1200mを解説。土曜メイン・ながつきSなど、今週は5レースが行われるこの条件で馬券に生かせるデータを紹介する(データは4回中山開催5日目終了時点)。

まずは枠順・脚質別成績を調べてみる。

過去3年の中山ダ1200m枠別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

上に挙げた過去3年の枠順成績を見ると、顕著に外枠有利の成績が出ていることがわかる。これは中山ダート1200mが芝コースからスタートするコース形態で、外枠の方が芝コースを長い距離走ることができ、スピードに乗りやすいからだ。短距離戦で絶対的に有利な前のポジションを確保しやすく、好走例が多い。

しかし今開催のデータを見ると、1〜3枠が抜けた成績を残している。言い換えれば、内有利の馬場傾向がかなり顕著に表れているということだ。従って、今開催に限ってはあえて内枠を重視する方が得策と言えるかもしれない。

過去3年の中山ダ1200m脚質別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

脚質別成績を確認するとやはり逃げ・先行脚質の馬が強いが、これは中山だけに特殊な事態ではない。中山競馬場はダート1200m戦が施行される競馬場の中で最も直線が短いため、前目のポジションを取れる馬が強いと思われがちだが、意外にも逃げ馬の成績が全場と比べると悪い。逃げ馬を過信しすぎないことが重要だ。

ヘニーヒューズ産駒に妙味

続いて種牡馬別成績をチェックする。

過去3年の中山ダ1200m種牡馬別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

30回以上出走している種牡馬別成績での勝率上位5頭は表の通り。勝率1位のトランセンド産駒は唯一の勝率15%超え。これにアイルハヴアナザー、モンテロッソ、ワークフォースが続く。モンテロッソを除く3頭は全て単勝回収率100%超えで馬券妙味もある。

表に挙げた中で最も注目なのがヘニーヒューズ産駒。単勝回収率は200%超えという他を引き離した数字を記録し、複勝率もトップクラスだ。

逆に成績が悪いのはメイショウボーラー産駒やノヴェリスト産駒。メイショウボーラーは同条件で施行されたガーネットSを制しているものの、産駒は伸び悩んでいる。表に挙げていない種牡馬ではエンパイアメーカー、ネオユニヴァース産駒などが苦戦しており、迷った時は買い目から外したい。

横山典騎手の手綱さばきにご注目

最後に騎手・調教師別成績を確認する。

過去3年の中山ダ1200m騎手・厩舎別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

50回以上の騎乗回数がある騎手の中で、勝率・連対率・複勝率全てでトップの成績をマークしているのが戸崎騎手。人気馬の騎乗が多く回収率は高くないが、騎乗馬は確実に押さえておきたい。

馬券妙味も加味して推奨したいのが横山典弘騎手で、円熟味のある好騎乗に期待できる。丸山騎手は勝率は劣るものの、単勝回収率は目立った数字を挙げている。人気がない時は押さえておいても損はない。

調教師別成績で回収率が優秀なのは菊沢調教師など。勝率こそ10%にとどまるものの、複勝率で他と一線を画している手塚調教師の管理馬にも注意を払いたい。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。

おすすめ記事