【注目2歳馬】キタサンブラック産駒トリプルコークが好時計勝ち 血統から将来性にも期待大

三木俊幸

12月14日中山5Rの新馬戦を制したトリプルコーク,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ラスト800mすべて11秒台でまとめる好内容

先週末に行われたレースから注目馬として取り上げたいのは、12月14日(土)中山5Rに組まれた芝2000m戦を勝利したキタサンブラック産駒トリプルコークだ。

C.ルメール騎手騎乗で単勝1.9倍の1番人気に支持されたなか、最内枠からまずまずのスタートを切り、6番手のインを追走。前半1000mの通過は1:02.0で、後半に入ると徐々にペースが上がり馬群は縦長で勝負所に差しかかる。

4角で徐々に外へと持ち出され、直線は大外へ。早め先頭に立ったロールザダイスを残り100mを切ったところで捉えると、一気に突き抜けて後続に1.3/4馬身差をつけた。勝ちタイムは2:01.0。中山芝2000mの2歳新馬戦という括りでは、2023年にクリスマスパレードが記録した2:00.7に次ぐ好時計である。

この日の中山は1角側から4角側に向かって強めの風が吹いていた。最後の直線は向かい風となり、差しが決まりやすい傾向もあって最後のラップは減速したものの、11.8-11.9-11.4-11.7(46.8)と11秒台のラップが刻まれる展開を差し切った点は評価でき、能力の高さを証明したと言える。

半兄サトノラーゼンは京都新聞杯を勝利し、続く日本ダービーでも2着に好走。同じく半兄サトノクロニクルはチャレンジCを制したほか、3000mの阪神大賞典で2着という成績も残している。

トリプルコークも2000mまでというタイプではなく、更なる距離延長にも対応できそうな雰囲気がある。将来的に重賞戦線での活躍が期待できそうだ。


注目2歳馬トリプルコークの能力値,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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レコードタイムで逃げ切り

同日の中山9Rに行われたひいらぎ賞(1勝クラス/芝1600m)はダノンキングリー、スマイルカナ、シュネルマイスター、シックスペンスといった後の重賞勝ち馬を輩出した出世レースとして注目度を高めている。

今年は10月の新馬戦勝利時に注目馬として取り上げたモーリス産駒のデンクマールが逃げ切り、勝ち時計は1:32.4で2歳レコードを更新した。


デンクマール,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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新馬戦からプラス4kgとなる548kgでの出走、スタートしてからすんなりとハナを奪った。前半800m通過45.8(12.3-10.9-11.1-11.5)と速めのペースを刻んでいき、そのまま手応えよく直線に向く。

最後の苦しいところで強い向かい風を受け、並の馬なら失速してもおかしくない流れ。実際に2番手追走だったルージュナリッシュは7着、その直後にいたイノキは8着に敗れている。

デンクマール自身もラストは12.1と減速して中団追走から伸びたイミグラントソングに半馬身差まで詰め寄られたが、着差以上に強さが際立つ完勝だった。


持ったままで2馬身半差

15日(日)の京都4R、芝1800mの未勝利戦はサートゥルナーリア産駒のショウヘイがデビュー2戦目で勝ち上がった。

好スタートから好位集団の一角に取りつき、1000m通過1:01.6と淡々としたペースで流れたなか、4角から直線に向いても川田将雅騎手の手応えは抜群。残り200mで先頭に立ってからも手綱は持ったままでラスト11.5-11.5、後続に2馬身半差をつけた。

同じ舞台で行われた新馬戦では2番手追走から早め先頭に立ち、11.1-11.1-10.9という瞬発力勝負に持ち込んだが、リバティアイランドの半妹マディソンガールがそれ以上に強かったというしかないレース内容。それだけに今回の勝利は順当勝ちと言っていい。


ショウヘイ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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