【武蔵野S】持ち味の粘り強さが生かせるメンバー構成 ペイシャエスが先行力を武器に重賞連勝を狙う
貴シンジ
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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は11月9日(土)に東京競馬場で行われる武蔵野Sについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった18頭を検討対象とし、過去10年データを使用する。
重要データ:「前走4着以内」に注目
武蔵野Sの前走に関するデータで重要視したいのは前走着順。前走レース別成績では様々なレースから好走馬が出ているが、多くのレースで前走4着以内の馬の成績が抜群に良い。
1~4着全ての着順から勝ち馬が出ており、4着以内の成績は【10-7-6-69】、単勝回収率124%、複勝回収率120%となっている。
一方、5着以下からの臨戦だった馬は【0-3-4-58】、単勝回収率0%、複勝回収率55%となっている。出走頭数はほぼ変わらないが好走率、回収率ともに前走4着以内の馬に軍配が上がっている。
上位人気が予想されるコスタノヴァの前走は盛岡で行われたクラスターC6着。好走データには当てはまらない。
【前走4着以内の出走予定馬】
・イーグルノワール
・エルゲルージ(抽選対象)
・エンペラーワケア
・カズペトシーン
・キタノヴィジョン
・サンライズホーク
・ショウナンライシン
・ゼットリアン(抽選対象)
・タマモロック
・ペイシャエス
・ペリエール
前走内容;エルムS
エルムSからは12着サヴァと勝ち馬のペイシャエスが出走予定。レースは前半3F37.1秒、後半3F36.9秒の後傾0.2秒という淡々とした流れ。中間に息が入った区間もあり、前目につけていた馬が有利だった。
サヴァは力関係もあったが、2走前の大沼Sと同様の位置で走れていれば、もう少し着順は良かっただろう。
ペイシャエスは好位を取ってそこからジワジワと伸び、上がり3F2位の36.7秒で差し切り勝ち。先行すれば持ち味の粘り強さを発揮するタイプで、今回はすんなり好位を確保できそうなメンバー構成だ。東京ダート1600mはユニコーンSを勝っている舞台でもあり注目したい。
血統解説:ペイシャエス
・ペイシャエス
日本での牝祖は祖母バレーダンシング。米国で繋がってきた牝系で、ダート適性と粘り強さが持ち味のファミリーだ。母リサプシュケはJRAダート中距離で2勝。伯父タイセイモンスター(父アグネスデジタル)もJRAダート中長距離で3勝と、ダートのマイルから中距離に適性がある。
本馬は父にエスポワールシチーを迎え、母父ワイルドラッシュという形で先行して粘り強さを発揮する競馬が一番形にハマるタイプに出た。ファミリーの良さも合わさってスピードもあり、自分の形に持ち込めるかがポイントだ。
今回は先行したい馬がそう多くない組み合わせ。前走に引き続き重賞連勝が狙えるとみる。
Cアナライズはペイシャエスを推奨
今回はペイシャエスを推奨する。前走のエルムSはドゥラエレーデやミトノオーがおり、決して今回よりメンバーレベルが低かったわけではないが、しっかりと地力で勝ち切った。
今回は前走とメンバーレベルはさほど変わらないが、先行したい馬が少なくなったぶん、自分の競馬がしやすくなるはずだ。
重賞3勝の実績馬でGⅢなら上位の一角であることは疑いようがない。重賞勝ちの実績がある東京マイルも心強い要素だ。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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