【みやこS】高い機動力と持続力ある末脚が必須 京大競馬研の本命はオッズ妙味十分のミッキーヌチバナ

京都大学競馬研究会

京都ダ1800mOPクラス以上の4角4番手以内馬の成績

ⒸSPAIA

前が残りやすいコースと先行馬多数の差し展開

11月3日(日)にみやこS(GⅢ)が行われる。本競走の1着馬にはチャンピオンズカップの優先出走権が与えられる。昨年はセラフィックコールが鮮やかな差し切り勝ちで挑戦権を獲得した。

今年も例年に違わず、ここから冬の大舞台へ挑もうとする多くの実力馬が集結。混戦模様の難解な一戦となった。

以下では、本レースが行われる京都ダート1800mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。

まずは京都ダート1800mのコース形態をみる。スタンド前の直線半ばからスタートし、初角までの距離は約280m。平坦な1~2コーナーを回り、バックストレッチは約400m。向正面半ばから上り坂があり、3コーナーで頂上を迎え、そこから4コーナーにかけて一気に下る。最後の直線は329.1mで平坦となっている。

まず注目すべきは初角までの距離が約280mと短いこと。序盤の先手争いは内の先行馬が有利になる。先手争いは長引かず、序盤のペースは流れにくい。1~2コーナーを回った後も向正面には上り坂があるため、ここでもペースは上がりにくい。

加速するのは3コーナーの上り坂頂上から。ここから下り坂で先行勢が一気にスピードを上げていく。そのため、最終直線に入るまでに後方勢が先行勢とポジション差を埋めにくい。加えて、直線も329mとそこまで長くなく平坦であるため、下り坂からの惰性で先行勢がそのまま押し切りやすい。これがこのコースが持つレースの質だ。

京都ダ1800mOPクラス以上、4角4番手以内の成績,ⒸSPAIA


<京都ダート1800m OPクラス以上における4角4番手以内馬の成績(過去10年)>
【19-13-11-71】
勝率16.7%、連対率28.1%、複勝率37.7%、単勝回収率153%、複勝回収率92%

この傾向は数字にも表れている。京都ダート1800mの OPクラス以上における4角4番手以内馬の成績は上記に示した通り優秀だ。過去10年で24戦中19戦で4角4番手以内の馬が勝利している。

このように基本的に前が有利になりやすいコース形態だが、今回は一筋縄ではいかないメンバー構成となっている。これについて次の展開予想で深掘りしていく。

先行馬は持久力、差し馬は機動力を重視

続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が7頭と出走馬全15頭に対して約半数を占める。また、そのうち4頭は徹底先行型であり、その他にもテンの速い馬が多く揃っている。

序盤の先手争いがあまり長引かないコースとはいえ、今回のメンバーならペースは流れ、先行負荷はそれなりに大きくなると考える。基本的に3~4コーナーにかけて前目までマクっていける機動力のある差し馬が有利になるだろう。

しかし上がりに限界があるダートで前有利なコース形態となると、前の馬も簡単には止まらず、完全な差し決着となる可能性も低い。したがって今回は、先行馬は序盤の負荷をものともしない持久力、差し馬は前目までマクっていける機動力を重視した上で、素直に各馬の地力の高さを比較し、オッズ妙味も加味して印を打っていく。

高い機動力と持続力のある末脚

◎ミッキーヌチバナ
前走の平安Sは4角7番手以内の馬が掲示板を独占する内前有利な展開を、4角12番手から上がり最速の脚を使い0.5秒差6着。4角から直線にかけては7頭分も外を回す大きなロスがある競馬で着順、着差以上に評価できる内容だった。

2走前のアンタレスSは2、3着に終始好位で運んだ馬が残る前残り展開のなか、本馬は通過順位8-8-6-5とマクる競馬。上がり最速で同2位の馬を0.4秒上回る脚を使い勝利した。タイム差はなかったものの、これも着差以上に評価できる。

近2走はGⅢでもハイレベルなメンバー構成で、どちらも最も強い競馬をした。高い機動力と持続する末脚を兼ね備え、今回想定した展開にピッタリだ。

またM.デムーロ騎手とのコンビは同コースで3勝クラスを勝利したときと同じ。持ち味を生かした競馬をしてくれるだろう。前走の展開不利の敗戦をうけ、オッズ妙味が見込まれる。

◯サンライズジパング
前走のジャパンダートクラシックは実力馬フォーエバーヤング、ミッキーファイトに負けはしたものの1.2秒差3着。能力の高さを示した。2走前の不来方賞は、鳳雛Sを1:51.1の好タイムで勝利したカシマエスパーダ相手に0.5秒差の圧勝。やはり世代屈指の実力を示す内容だった。

今回は初の古馬との対戦で試金石の一戦。ただ現3歳世代のダート路線のレベルの高さを考えれば通用する可能性は十二分にある。

大外枠も外から長く良い脚を使いたい本馬にとって悪くない。むしろ嫌われてオッズ妙味が見込まれる点はプラスだ。オッズ以上に能力が抜けている可能性も考え、2番手評価とする。

▲ドゥラエレーデ
前走の札幌記念は内前有利の展開が向かずの敗戦で度外視可能。やはり今の適性は芝よりもダートの方が高いと感じる内容だった。

2走前のエルムSは内前有利の展開が向いたなかで、0.1秒差2着と素直に評価できる内容ではない。ただ3走前のドバイワールドカップは展開不利のなか世界トップクラス相手に5着。5、6走前はチャンピオンズC、東京大賞典と2走続けてダートGⅠで僅差の3着に好走した。今回のメンバーでは一頭だけ格の違う実績と地力の高さを誇る。

内枠は先行しやすい点でプラスだが、ハイペースに巻き込まれそうな点は割引。度外視可能な前走の敗戦でオッズ妙味は見込まれるが、3番手評価とする。

△ハピ
中団から堅実な末脚を使えるタイプ。前走のシリウスSは中京ダートで終始外を回す厳しい競馬で、負けはしたが評価を落とす内容ではなかった。今回は展開が向きそう。2、3走前に見せた高い機動力と持続する末脚を使えれば好走可能だ。

×オメガギネス
今回のメンバーでは能力上位であるものの、近2走は展開が向いての好走。オッズ妙味も薄く、ハイペースに巻き込まれそうな点も考慮して5番手評価とする。

×ロードアヴニール
前走は逃げる競馬をしたものの、本質は末脚を生かす競馬。ここでも通用する能力はある。

買い目は◎◯単勝2点、◎-◯▲△×馬連5点、◎-◯▲-◯▲△×3連複7点で勝負する。(花田)

▽みやこS予想▽
◎ミッキーヌチバナ
◯サンライズジパング
▲ドゥラエレーデ
△ハピ
×オメガギネス
×ロードアヴニール

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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