【宝塚記念】2006年の京都開催はディープインパクトが勝利 受け継がれた「舞台相性」…今年の好走候補は?
高橋楓
ⒸSPAIA
いざ、凱旋門賞へ! ディープインパクトの負けられない戦い!
前回、京都競馬場で宝塚記念が行われたのは2006年。勝ち馬はディープインパクトだった。この時の興奮は今も忘れられない。というのも、前走の天皇賞(春)を制したことで世界統一ランキングの芝長距離部門で世界1位にランクイン。また凱旋門賞に挑戦することが発表されており、宝塚記念はその壮行レースとも言える形になっていたからだ。ファン投票も当日の単勝支持率も堂々1位。負けられない一戦だった。
当日の京都競馬場は雨交じりの曇天で稍重のコンディション。スタートからいつものように後方待機を選択し、レースを見る形。全馬が思い思いの位置からレースを進めたことで道中は縦長の展開になった。ディープインパクトは3コーナーの坂からじわっと加速すると、4コーナーでは一気に先団に取り付いた。ラスト400mで前に壁を作らないように大外に持ち出し、200mを切るころには大勢が決していた。武豊騎手がゴール板の手前で握り拳をあげる余裕まで見せる圧勝劇。秋には日本の悲願がロンシャンで達成されることを、この時は信じて疑わなかった。
あの時の優勝馬が今では偉大な種牡馬として活躍し、多くの産駒を送り出した。今年のディープインパクト産駒はドバイ帰りのジャスティンパレス、改修後の京都競馬場で重賞2勝のプラダリア、OP・L競走で好走を続けているヤマニンサンパの3頭。そのほか父父、母父ディープインパクトの馬も3頭が出走予定だ。そこで今回は「ディープインパクトの血を引く」出走予定馬たちのデータを紹介していく。
京都芝2200mの産駒別成績で見るディープインパクトの血
2023年4月22日のリニュアールオープン以降、芝の2200m戦は26レースあった。ここでは今年の出走産駒別を一覧にした。
<京都競馬場 芝2200mの産駒別成績>
キズナ【5-4-2-11】勝率22.7%/連対率40.9%/複勝率50.0%
ハーツクライ【3-1-4-14】勝率13.6%/連対率18.2%/複勝率36.4%
ハービンジャー【2-4-2-19】勝率7.4%/連対率22.2%/複勝率29.6%
エピファネイア【2-2-0-10】勝率14.3%/連対率28.6%/複勝率28.6%
ディープインパクト【2-1-0-4】勝率28.6%/連対率42.9%/複勝率42.9%
ジャスタウェイ【1-2-2-7】勝率8.3%/連対率25.0%/複勝率41.7%
ロードカナロア【1-2-0-4】勝率14.3%/連対率42.9%/複勝率42.9%
キタサンブラック【1-0-1-4】勝率16.7%/連対率16.7%/複勝率33.3%
キングカメハメハ【0-1-0-7】勝率0.0%/連対率12.5%/複勝率12.5%
特筆すべきはディープインパクトの仔キズナ産駒。勝率22.7%、連対率40.9%、複勝率50.0%で5勝をマークしている。悲願のGⅠ制覇を目指すディープボンドにとっては追い風だ。ディープインパクト産駒は勝利数では劣るが、率では勝率28.6%、連対率、複勝率42.9%と引けを取らない。
宝塚記念には出走しないが、ディープインパクトの仔であるサトノダイヤモンド産駒も【2-0-1-6】と複数勝っている。母父がディープインパクトの馬も【2-2-2-20】で2勝しており、あの宝塚記念から18年が経った今でも、ディープインパクトの血は淀と相性がいいと言っても過言ではない。
前走は天皇賞(春)&大阪杯組が優勢!
今年は例年と違う場所での開催で、過去データがどれほど有効かは未知数。あくまで参考程度に近10年の前走レース別成績を見ていく。
<前走レース別成績(宝塚記念の過去10年データ)>
天皇賞(春)【3-3-3-33】勝率7.1%/連対率14.3%/複勝率21.4%
大阪杯(GⅠのみ)【2-2-1-16】勝率9.5%/連対率19.0%/複勝率23.8%
ドバイシーマクラシック【2-1-1-6】勝率20.0%/連対率30.0%/複勝率40.0%
鳴尾記念【1-2-0-15】勝率5.6%/連対率16.7%/複勝率16.7%
目黒記念【1-0-1-13】勝率6.7%/連対率6.7%/複勝率13.3%
やはり、天皇賞(春)をはじめとした日本の中長距離路線組が一歩リード。とはいえ、前走海外からも馬券に絡んでいて、昔ほど海外帰りの馬でも心配はいらなくなった感がある。だが、ドバイターフ組は2018年ヴィブロス(前走2着→宝塚記念4着)、2022年パンサラッサ(1着→8着)と2頭ともにドバイでは連絡みも宝塚記念では馬券圏外になっているのは少々気になるところだ。今年はドウデュースが該当。父は有馬記念でディープインパクトを破ったハーツクライだ。
ここまで見ると、キズナ産駒で天皇賞(春)から転戦してくるディープボンドによる、通算16戦目のGⅠ挑戦での戴冠もあるのではと思えてくる。対するはディープインパクト産駒でドバイシーマクラシックから参戦のジャスティンパレス、京都巧者で大阪杯から転戦のプラダリアあたりか。ディープインパクトの血にも注目しつつ、レースを楽しみたい。
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
サクラローレルの馬体の美しさに魅せられ毎週競馬を見るようになる。他に好きな馬はホクトベガ、サイレンススズカ。一口馬主を趣味とし、楽しさを伝える事にも注力している。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
《関連記事》
・【宝塚記念】グランプリ連覇狙うドウデュースが最有力 逆転候補はソールオリエンスら大阪杯敗退組
・「京都巧者」をデータで徹底調査 京都ダートに抜群の適性を誇る種牡馬とは?
・【宝塚記念】過去10年のレース結果一覧
おすすめ記事