【マーメイドS】ミッキーゴージャスは消し ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年のマーメイドステークス『前走2000m』かつ『前走4角4番手以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週のエプソムCはレーベンスティール、アルナシーム、グランディアが5つの消去条件を免れた。3頭のワイドボックスと三連複1点で勝負した。レーベンスティールは人気に応えて勝利したものの、アルナシームとグランディアが3着とタイム差なしの5、6着に敗れたため、的中とはならなかった。

今週は引き続き函館、東京、京都の3場で開催。唯一の重賞となる日曜京都のマーメイドSを予想したい。例年は阪神開催だが、芝の2000m戦は同じ内回りを使用するため、そこまで傾向に大きな違いは出ないと見る。

いつも通り過去10年の当該レースのデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。24頭が登録しているが、除外対象の4頭を除き、5分の1の抽選対象馬(*)を含めた計20頭を対象に進めていきたい。

『前走2000m』×『前走4角4番手以下』★0.0%★

まずは前走距離に注目した。ここで取り上げるのは同距離の2000mを使われていた馬だ。過去10年では【2-2-1-27】(複勝率15.6%)と成績はいまひとつ。特に前走時に4角を4番手以下で通過していた17頭は全て4着以下に沈んでいた。

今年この条件に当てはまったのは以下の6頭。アグラシアドら抽選対象の3頭に加えて、1月の愛知杯勝ち馬ミッキーゴージャスもここで消去する。

【今年の該当馬】
・アグラシアド*
・アレグロモデラート*
・インザオベーション*
・エーデルブルーメ
・ファユエン
・ミッキーゴージャス

『3~4歳』×『前走関東圏』★4.0%★

2つ目は年齢から“凡走候補”の馬を探していきたい。対象としたのは3~4歳のまだ若い馬たちだ。成績は【4-4-2-43】(複勝率18.9%)と、5歳以上【6-6-8-75】(同21.1%)に比べるとやや見劣りする。この中で前走を関東圏の4場(東京、中山、新潟、福島)で走っていた馬に限ると【0-1-0-24】(同4.0%)だった。

今年は3歳馬の登録がなかったが、前走関東圏の4歳馬は3頭いた。重賞ウイナーのラヴェルを含めた以下の実力馬3頭を消去する。

【今年の該当馬】
・キミノナハマリア*
・ジューンオレンジ
・ラヴェル

『前走3勝クラス以下』×『前走0秒6以上の差で負け』★4.0%★

続いて取り上げるのは、前走で3勝クラス以下の条件戦を走っていた馬だ。【7-5-2-66】(複勝率17.5%)という成績が残っており、2勝クラスからの格上挑戦でもハンデを生かした好走例はある。ただし、その前走で0秒6以上の差をつけられ負けていた馬は【1-0-0-24】(同4.0%)。唯一の好走馬は21年の勝ち馬シャムロックヒルだった。

今年この条件に当てはまったのは1頭だけ。マリネロは実績的にも今回のメンバーが相手では上位進出は厳しいと見るのが妥当だろう。

【今年の該当馬】
・マリネロ

『関西馬』×『前走から中2週以下』★6.7%★

4つ目の条件は【10-6-6-86】(複勝率20.4%)の関西馬から見つけたい。複勝率自体は【0-4-4-32】(同20.0%)の関東馬と変わらないが、前走から中2週以下という詰まったローテーションで出走した馬に限ると【0-1-0-14】(同6.7%)で、好走例は少なかった。

今年は中2週のアリスヴェリテと、中1週のベリーヴィーナスが該当。どちらも前走で条件戦を逃げ切ったキズナ産駒という共通点があるが、今回はバッサリと消去したい。

【今年の該当馬】
・アリスヴェリテ
・ベリーヴィーナス

『前走時馬体重470kg以上』×『今回馬番9~16番』★2.9%★

ここまで4つの条件を終えて、対象20頭のうち12頭を消去した。残った8頭を前走時の馬体重と今回枠順の組み合わせでふるいにかけたい。条件は「前走時の馬体重が470kg以上かつ今回9番ゲートから外に入った馬」で、その成績は【0-0-1-33】(複勝率2.9%)だった。

残った8頭の前走馬体重をチェックすると、以下の4頭が470kg以上で出走していた。金曜日に発表される枠順次第で、この4頭の取捨を決めたい。

【今年の該当候補】
・コスタボニータ
・ゴールドエクリプス
・タガノパッション
・ホールネス

全ての条件を終えて、確実に残るのは、エリカヴィータ、セントカメリア、ピピオラ*、ピンハイの4頭となった。この中で食指が動くのは、抽選突破が条件のピピオラだ。昨年の5月から8月にかけて3連勝しており、おそらく大の夏好き。気温が少し下がった10月の秋華賞で14着に敗れ、その後は3勝クラスで惨敗続きだったが、初ブリンカーの前走・錦Sで見せ場たっぷりの5着に善戦。復活の狼煙を上げた。

昨夏の西海賞では同斤量53kgを背負ったミッキーゴージャスにも勝利した実績があり、今回は2頭の斤量差がなんと7.5kg(56.5kgと49kg)! 前走で初コンビを組んだ田口貫太騎手とも手が合う印象で、下克上のチャンスは十分にあるはず。もし出走が叶えば、ピピオラを大本命に抜てきし、ワイド流し馬券で勝負したい。もし抽選に漏れた時はピンハイに重い印を打つことにする。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

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