【阪神大賞典】東大HCが阪神芝3000mを徹底検証 ディープインパクト、キズナ産駒は単複回収率100%超え

東大ホースメンクラブ

阪神芝3000mのコースレイアウト,ⒸSPAIA

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コース分析

今週は阪神芝3000mを舞台にGⅡ阪神大賞典が行われる。1着馬にGⅠ天皇賞(春)の優先出走権が与えられる。昨年の覇者ジャスティンパレスはその後天皇賞(春)を制しており、同レースに向けての最重要ステップといっても過言ではないだろう。今年は前走の日経新春杯で悲願の重賞初制覇を果たしたブローザホーン、2022年天皇賞(春)3着の実績馬テーオーロイヤル、過去にこのレースを連覇している7歳馬ディープボンドなど好メンバーが揃った。春の大一番に向けて勢いに乗るのはどの馬か。

当該コースが舞台の重賞は阪神大賞典のみ。コースの特徴を過去のデータから分析していこう。(使用するデータは14年3月23日~24年2月25日)。

まずはコース紹介。2コーナーの出口付近からスタートし、コーナーを6回通過して約1周半回る。最後の直線は356.5m(Aコース)。残り200m付近には急坂があり、約120mの間に1.8mの勾配を一気に駆け上がることになる。

「強い馬」は外枠有利

阪神芝3000m・過去10年の枠別成績,ⒸSPAIA


<阪神芝3000m・過去10年の枠別成績>
1枠【1-1-2-14】勝率5.6%/連対率11.1%/複勝率22.2%
2枠【1-2-3-12】勝率5.6%/連対率16.7%/複勝率33.3%
3枠【3-2-1-14】勝率15.0%/連対率25.0%/複勝率30.0%
4枠【0-2-3-18】勝率0.0%/連対率8.7%/複勝率21.7%
5枠【1-2-3-18】勝率4.2%/連対率12.5%/複勝率25.0%
6枠【2-4-2-20】勝率7.1%/連対率21.4%/複勝率28.6%
7枠【3-1-1-28】勝率9.1%/連対率12.1%/複勝率15.2%
8枠【5-2-1-26】勝率14.7%/連対率20.6%/複勝率23.5%

枠別成績では2、3枠の複勝率が高くやや内枠有利といったところ。コーナーを6回通過するコース形態からも、内々でロスなくレースを進められる内枠の恩恵は大きいということだろう。ただ、勝率ベースでは外枠の方が優位。特に阪神大賞典では過去10年で8枠が4勝、7枠が2勝を挙げている。なお8枠から勝利した4頭は全て2番人気以内。人気を背負うような強い馬にとっては、包まれるリスクが小さい外枠にメリットがあるようだ。

阪神芝3000m・過去10年の脚質別成績,ⒸSPAIA


<阪神3000m・過去10年の脚質別成績>
逃げ【1-1-2-12】勝率6.3%/連対率12.5%/複勝率25.0%
先行【7-8-6-41】勝率11.3%/連対率24.2%/複勝率33.9%
差し【4-4-3-46】勝率7.0%/連対率14.0%/複勝率19.3%
追込【0-1-5-51】勝率0.0%/連対率1.8%/複勝率10.5%
マクリ【4-2-0-0】勝率66.7%/連対率100.0%/複勝率100.0%

脚質別成績では前有利傾向。追込は決まりにくく軸にするなら前目で競馬できる馬がおすすめだ。またマクリが連対率100%で、後方脚質の馬を軸にする場合は3~4コーナーから最終直線にかけてポジションを上げていける馬を狙った方がいい。

ディープインパクト系産駒の庭

阪神芝3000m・過去10年の種牡馬別成績,ⒸSPAIA


<阪神芝3000m・過去10年の種牡馬別成績>
ディープインパクト【4-4-3-12】勝率17.4%/連対率34.8%/複勝率47.8%
キズナ【2-0-1-5】勝率25.0%/連対率25.0%/複勝率37.5%
ハーツクライ【1-4-0-18】勝率4.3%/連対率21.7%/複勝率21.7%

種牡馬別成績ではディープインパクト産駒が優秀だ。過去にジャスティンパレスやサトノダイヤモンドが阪神大賞典を制している。同レースではデニムアンドルビー(15年7番人気2着)やトーセンカンビーナ(20年5番人気2着)など人気薄からも馬券に絡んでいる。当該コースでの単勝回収率は300%オーバー、複勝回収率も150%を超え、紐に入れておいて損はない。

キズナ産駒も単勝回収率143%、複勝回収率180%とまずまず。代表産駒は21、22年で阪神大賞典を連覇しているディープボンド。他にも3勝クラスでナムラカミカゼが8番人気ながら3着に入っている。

ハーツクライ産駒は1着1回に対して2着4回と勝ちきれない。ただ、阪神大賞典ではアドマイヤラクティ(14年5番人気2着)、サトノクロニクル(18年4番人気2着)、カフジプリンス(19年6番人気2着)など中穴で馬券に絡むケースも多く、連系馬券の紐には入れておきたい存在だ。

今週の阪神大賞典では、ディアスティマやゼーゲンがディープインパクト産駒、サヴォーナやディープボンドがキズナ産駒に該当する。その他、ブローザホーンが該当するエピファネイア産駒は【0-1-1-5】複勝率28.6%、プリュムドールなど計3頭が該当するゴールドシップ産駒は【1-0-1-6】同25.0%とまずまずだ。

阪神芝3000m・過去10年の騎手別成績,ⒸSPAIA


<阪神芝3000m・過去10年の騎手別成績>
岩田康誠【4-1-1-4】勝率40.0%/連対率50.0%/複勝率60.0%
和田竜二【2-1-0-9】勝率16.7%/連対率25.0%/複勝率25.0%
C.ルメール【2-1-0-1】勝率50.0%/連対率75.0%/複勝率75.0%

騎手別成績では岩田康誠騎手が勝ち数トップ。阪神大賞典では14、15年ゴールドシップ、18年レインボーライン、20年ユーキャンスマイルと計4勝を挙げている。ここ数年は勝利から遠ざかっているが要警戒の存在だ。21、22年にディープボンドで連覇を果たした和田竜二騎手が2位に続く。2勝を挙げている騎手はほかにC.ルメール騎手や岩田望来騎手がいて、特にルメール騎手は連対率75.0%、複勝回収率110%で好走率や回収率の面でも優秀だ。

今週の阪神大賞典では、残念ながら岩田康誠騎手やルメール騎手の騎乗予定はない。複数勝っている騎手のなかでは和田竜二騎手がプリュムドールに、岩田望来騎手(成績は【2-0-0-4】)はディープボンドに騎乗予定だ。その他、サヴォーナに騎乗予定の池添謙一騎手は【0-1-0-6】、シルヴァーソニックに騎乗予定の武豊騎手は【0-0-1-9】、テーオーロイヤルに騎乗予定の菱田裕二騎手は【0-0-1-0】となっている。ブローザホーンに騎乗予定の菅原明良騎手はこのコース初騎乗となる。

阪神芝3000mのデータ,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開。新入部員は随時募集中。

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