【金鯱賞】ドゥレッツァ、プログノーシスは消し ハイブリッド式消去法

藤川祐輔

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の弥生賞は3頭が消去データを免れたが、その中からシンエンペラー、シリウスコルトの2頭が好走した。勝利したコスモキュランダを推奨できなかった点は心残りだが、2、3着馬を見極めることができた。

今週は3月10日に中京競馬場で行われる金鯱賞(GⅡ)を予想する。今回は登録馬15頭を対象に絞りこみを行う。当レースが3月施行になってからの過去7年(17~23年)のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。


『6歳以上』×『前走重賞』 ★7.1%★

出走各馬の年齢に着目すると、6歳以上が【1-1-3-32】(複勝率13.5%)とやや苦戦。さらに、この組を前走クラス別に分類すると、前走が非重賞だった馬が【1-0-2-6】(同33.3%)と好成績だった。一方、意外にも前走重賞だった組が振るわず【0-1-1-26】(同7.1%)だった。

今年は6歳以上の馬が8頭エントリーしているが、その中の5頭がこのデータに該当。プログノーシスを筆頭に重賞戦線で活躍する馬が多く含まれるが、過去7年で2、3着が1頭ずつのデータを信じて軽視する。

【今年の該当馬】
・アラタ
・タガノパッション
・ハヤヤッコ
・プログノーシス
・ヨーホーレイク


『距離延長組』×『前走3角3番手以下』 ★0.0%★

各馬の前走距離別成績を見ると、当レースより短い1900m以下のレースを使っていた馬が【0-1-0-16】(複勝率5.9%)とほとんどが凡走していた。この組から唯一好走したのは17年2着のロードヴァンドールだ。当馬は前走で番手につける競馬をしており、当レースでも先行力を生かして先頭でレースを進めることで結果を残した。

距離延長組で前走3角3番手以下だった馬に限ると、成績は【0-0-0-13】(同0.0%)で好走馬は1頭もいない。今年のメンバーでは唯一の距離延長組であるバラジがこのデータに該当。オープン昇格以降の4戦は一度も馬券に絡めておらず、GⅡの好メンバー相手に期待しづらい。データ通りに消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・バラジ


『距離短縮組』×『美浦所属馬』 ★0.0%★

距離延長組が振るわない一方で、前走2100m以上だった距離短縮組は【4-3-2-28】(複勝率24.3%)と優秀だ。だが、この組で好走したのは全て栗東所属馬。美浦所属馬に限定すると【0-0-0-12】(同0.0%)と厳しいデータが浮かび上がる。

このデータには、ドゥレッツァを含む菊花賞からの転戦馬3頭がそろって該当。5ハロンの大きな距離短縮で、古馬混合GⅡの厳しい流れに対応することは簡単ではない。追走に手間取り力を発揮できない可能性があり、厳しいデータも存在することから評価を下げる。

【今年の該当馬】
・シーズンリッチ
・ドゥレッツァ
・ノッキングポイント


『前走10着以下』×『GⅠ連対実績なし』 ★0.0%★

前走で10着以下の大敗を喫している馬は【0-1-1-17】(複勝率10.5%)と結果を残せていない。この組から好走したのは18年2着サトノノブレス、同年3着サトノダイヤモンドの2頭だが、いずれもGⅠで連対実績があった。同様の実績がない馬は【0-0-0-12】(同0.0%)と全滅だ。

このデータには新たにレッドジェネシスが該当する。3歳時の菊花賞以来、前走まで2桁着順の大敗が続いており、一変に期待はできない。データに従って消去する。

【今年の該当馬】
・レッドジェネシス
・(アラタ)
・(シーズンリッチ)
・(ノッキングポイント)


『中4週以内』×『中1週以内で勝利歴なし』 ★0.0%★

前走間隔が中4週以内と詰まっていた馬は【0-1-0-20】(複勝率4.8%)と苦戦を強いられている。唯一、17年にロードヴァンドールが2着と好走しているが、当馬には中1週と極端に詰まったローテーションでの勝利経験があった。この経験がなかった馬に限定すると【0-0-0-19】(同0.0%)で好走馬0の消しデータになる。

このデータには新たにショウナンバシット、ワイドエンペラーの2頭が該当する。共に目立った実績はなく、データ通り消去する。

【今年の該当馬】
・ショウナンバシット
・ワイドエンペラー

全ての条件を終えて「凡走データ」に該当しない馬は、エアサージュ、ブレイヴロッカー、ヤマニンサルバムの3頭だけ。中でもヤマニンサルバムを推奨する。

前走の中日新聞杯は先行勢が崩れたが、本馬は強気に先行する競馬で後続を振り切って勝利。レースレベルにやや疑問は残るが、勝ち馬は相手を選べない。展開を考えれば十分に評価できる内容だった。

中京コースは最も得意とする舞台であり、6戦5勝と戦績は抜群だ。唯一、昨年の金鯱賞は7着に敗れたが、8枠から強引に先行したことで最後に脚が止まってしまった。重賞ウイナーとなり本格化を迎えた今ならGⅡでも勝負になるはず。コース適性の高さを武器に、昨年のリベンジに期待したい。

《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、よりデータを活かした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。

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