【フェブラリーS】武蔵野Sでは最も強い競馬 京大競馬研の本命はタガノビューティー

京都大学競馬研究会

フェブラリーSの上がり3F4位以内の成績

ⒸSPAIA

差し展開必至 速い上がりを使える馬が中心

2月18日(日)にフェブラリーステークス(GⅠ)が行われる。今年最初のダートGⅠはレモンポップ、ウシュバテソーロの王者2頭がサウジCへ挑戦し不在。ガイアフォースら初ダート組、南関三冠ミックファイアなど地方から挑戦する馬も多く、様々な路線の馬が出走する大混戦模様の非常に難解な一戦となった。

以下、このレースが行われる東京ダート1600mのコース形態とそれに起因するレース質、そして想定される展開を踏まえて予想する。

まずは東京ダート1600mのコース形態をみていく。2コーナーポケットの芝上から発走し、初角まで約640m。外枠の方が芝の部分を長く走れるためダッシュがつきやすく、先手争いで有利となっている。その後ほぼ平坦な3、4コーナーを回り、ダートコースでは日本最長を誇る約500mの直線を駆け抜ける。

注目すべきは初角までの距離が非常に長い点だ。芝スタートによりテンの勢いがつきやすく、先行馬が長く先手争いを繰り広げやすい。これにより序盤のペースが流れ、コーナーにかけての中盤でペースが緩みやすい。直線で再び加速を迎えるまでに、後方勢がポジション差を縮めやすい。したがってこのコースが持つ質として、序盤~中盤で脚を温存した、速い上がりを持つ差し脚確かな馬が有利となっている。

フェブラリーS、上がり4位以内馬の成績,ⒸSPAIA


これは数字からも明らかだ。フェブラリーSの直近10回で、上がり3F4位以内の馬の成績は【10-9-8-19】勝率21.7%、連対率41.3%、複勝率58.7%、単勝回収率676%、複勝回収率236%と非常に優秀だ。10年全て上がり4位以内の馬が勝利、8回は上がり4位以内の馬が馬券内を占めており前残り決着は皆無だ。脚質問わず速い上がりを使えることが本レースで好走するための鉄則と言い切っていい。

続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。まず先行馬は芝スタートであることも考慮するとドンフランキー、ドゥラエレーデ、イグナイター、ガイアフォースら6~8頭。その多くが徹底先行型あるいは距離延長馬であり、枠の並びも含めて激しい先手争いが想定される。差し脚確かな馬が有利なレース質をより強める形になるだろう。

したがって展開面からは、序盤の先手争いにより伸びた馬群の中団から後方でできるだけ脚を溜め、最後に速い上がりを使って抜け出すような馬が恵まれる。また、序盤のペースが流れて最後に持続力が問われる形になれば、距離短縮馬が有利になるだろう。

武蔵野Sでは最も強い競馬

◎タガノビューティー
前走根岸Sは歴史的スローペースともいえる超内前有利な展開を出遅れ、ほぼ最後方からの競馬で13着。全く展開が向かない中での敗戦で度外視可能だ。注目すべきは今回と同コースの前々走武蔵野S。差し展開が向いたとはいえ、上がり2位の馬より0.4秒速い上がりで0.3秒差の2着と最も強い競馬をした。昨年のフェブラリーS2着馬レッドルゼルに先着しており、今回のメンバーでは最上位の瞬発力を持つ。展開が向かなかった根岸Sの大敗によって人気薄が想定される今回はオッズ妙味ありとみて本命を打つ。

◯レッドルゼル
昨年のフェブラリーSでは差し有利の展開を追い込み、ダートGⅠを春秋制覇するレモンポップに0.2秒差の2着。その1、3、4、5着馬が出走していない今回のメンバーでは上位の能力を持つ。前走武蔵野Sは上がり3位の脚を使って0.6秒差の3着、東京ダート1600mに高い適性を持つことが伺える。ただ、道中外を回されたとはいえタガノビューティーに上がりで0.5秒差つけられており、瞬発力では本命にやや劣る印象。キレイな馬柱である程度人気もするであろう今回は対抗まで。

▲ウィルソンテソーロ
前走東京大賞典は内前有利な展開が向いたとはいえ、ウシュバテソーロに0.1秒差の2着。前々走チャンピオンズCは内前有利な展開をほぼ最後方から追い込み、ここでもレモンポップに0.2秒差の2着。この王者2頭が不在となる今回のメンバーなら能力最上位だ。前目からの競馬も得意とする本馬にとって、ペースが流れる競馬での400mの距離短縮は向く。外目の枠から砂を被らず楽に追走していけるのもプラス材料。ただGⅠ2連続2着で上位人気が想定される今回は3番手評価まで。

△キングズソード
東京大賞典は内前有利な展開を後方からで度外視可能。前々走JBCクラシックは内前有利な展開が向き、ウィルソンテソーロを含む有力馬に0.9秒差をつけ圧勝した。中団から堅実な上がりを使え、印上位3頭に劣らず高い能力を持ち合わせる。

×アルファマム
キャリア16戦で上がり最速13回。根岸Sは超内前有利な展開を上がり最速で0.9秒差の8着。瞬発力はこのメンバーでも高い方に入る。距離不安は拭えないが、砂被りを嫌う本馬にとって大外枠は絶好枠。人気薄が想定される今回はオッズ妙味ありと見て押さえる。

×オメガギネス
得意な条件に戻る今回は、200mの距離短縮で前回より位置を下げるだろう。馬群中団で脚を溜め、持ち前の速い上がりを使い、後方勢に対しポジション差を生かして粘りこみを図る。

買い目は◎◯-◎◯▲△-◎◯▲△×の3連複14点で勝負する。(花田)

▽フェブラリーS予想印▽
◎タガノビューティー
◯レッドルゼル
▲ウィルソンテソーロ
△キングズソード
×アルファマム
×オメガギネス

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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