【シルクロードS】「京阪杯5着以内」は5戦3連対 中心はルガル、穴はメイショウソラフネ
勝木淳
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ハンデ戦でも上位人気信頼
直近3年間、中京で行われたシルクロードSは本番(高松宮記念)と同舞台になったからか存在感を増した。昨年は1、2着ナムラクレアとファストフォースが高松宮記念2、1着だから、ほぼ直結といっていい。
これは中京施行だからなのか、それとも本番まで間隔をとれる前哨戦が優位になっているからか。京都に戻る今年のシルクロードSは試金石でもある。データは中京での3年を含めた過去10年分を使用し、京都と中京の違いもみていく。
基本は真冬のハンデ戦とあって、1番人気【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%と頼りないものの、その下の2番人気【5-0-1-4】勝率50.0%、複勝率60.0%、3番人気【2-2-1-5】勝率20.0%、複勝率50.0%が堅実で、総じて波乱の空気は薄い。とはいえ、10番人気以下も【0-2-5-70】複勝率9.1%。馬券的には慎重に組み立てたいレースだ。
年齢別成績ではスプリント戦らしく、4歳が【4-3-3-21】勝率12.9%、複勝率32.3%と断然。5歳【2-3-2-27】勝率5.9%、複勝率20.6%、6歳【3-3-3-38】勝率6.4%、複勝率19.1%で5、6歳は大きな差はなし。つまり、6歳だからと評価を下げない方がいい。4歳中心で5、6歳は互角、と考えよう。
ハンデ戦のため、斤量が軽くなる傾向がある4歳は55キロ【2-2-0-4】勝率25.0%、複勝率50.0%、56.5キロ以上【2-0-1-2】で、軽いながらも背負わされる実績馬を素直に上位にとろう。また、4歳牝馬【3-2-0-10】のうち、3勝はアウィルアウェイ、メイケイエール、ナムラクレア。いずれも重賞やオープンでの実績があった。
ルガルの勢いを素直に評価
実績がある4歳馬となると、今年はルガルだろう。牝馬はバースクライなど昇級馬が目立ち、データ通りなら過信はできない。ここからは前走成績を参考に、好走候補をピックアップしていく。
前走GⅠ【3-1-1-14】勝率15.8%、複勝率26.3%はスプリンターズSが【3-1-0-13】勝率17.6%、複勝率23.5%と中心。14着テイエムスパーダが候補だが、10着以下は【1-0-0-6】。2018年ファインニードルが12着から巻き返したが、この年は本格化を迎え、6戦4勝、春秋スプリントGⅠ制覇の年でもあった。基本はGⅠ上位着順がほしい。
GⅠ以外の重賞組について内訳を出すと、京阪杯【3-2-0-16】勝率14.3%、複勝率23.8%、阪神C【2-0-0-9】勝率、複勝率18.2%が目立つ。京阪杯は京都開催時のシルクロードSだと【2-2-0-7】勝率18.2%、複勝率36.4%とさらにいい。ルガル、トゥラヴェスーラと上位馬がいる。
京都でのデータのうち、京阪杯5着以内だと【2-1-0-2】、6着以下【0-1-0-5】でつながりは強い。両馬とも候補に入るが、上位はやはり4歳ルガルだろう。別定の京阪杯が56キロ。それ以上ハンデを課されそうで、データ上はむしろチャンスといえる。古豪トゥラヴェスーラも年齢を考えると、前半が猛ペースにならない京都はいい。
次に前走OP・L【2-6-6-73】勝率2.3%、複勝率16.1%について。2、3着に飛び込んでくるのでここもしっかり掘り下げたい。まず、前走距離をみると、1200mが【2-5-6-70】と大半をしめる。京都のシルクロードSに限ると【2-4-5-49】。ただし、前走中山芝1200mは【0-0-1-17】。淀短距離S組は好走馬なら可能性はある。登録馬のなかで最先着しているメイショウソラフネは穴候補だろう。
前走3勝クラスも1200mであればチャンスはある。1400mからの距離短縮組より南総Sを勝ったバースクライがよさそうだが、こちらもOPと同じく中山芝1200mだと【0-0-0-3】。前半が下りで基本ハイペースの中山と、ペースが上がりにくい京都は結びつきが弱いということだろう。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
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