【京都金杯】初笑いはドーブネに託す 前走クラスと距離に好走ポイントあり
勝木淳
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年齢の傾向に注意
かつて東西金杯は芝2000mで行われていた。同日に2000mの古馬ハンデGⅢが東西で行われていたのだが、それも2000年に京都金杯がマイルに替わり、解消されることになった。その最初の年に勝ったのがキョウエイマーチだ。
同馬の初仔であり唯一の牝馬ヴィートマルシェからマルシュロレーヌ、そして、サンブルエミューズからナミュールと見事なまでにつながる活力あふれる牝系の祖として、その名はいまも輝き続ける。13歳でこの世を去ったキョウエイマーチは今もなお忘れられることはない。牝系の尊さを体現する一頭だ。
そのキョウエイマーチが勝利を飾ってから24年。京都金杯は4年ぶりに京都へ舞台が戻った。データは中京3年間を含め、10年分を使用する。
東西金杯は「厳冬期に行われるGⅢのハンデ戦」という位置づけを忘れてはいけない。1番人気は【2-1-1-6】勝率20.0%、複勝率40.0%と半数以上が馬券圏外だ。5番人気【2-1-2-5】勝率20.0%、複勝率50.0%など7番人気以内は圏内といってよく、10番人気以下も【1-2-3-69】勝率1.3%、複勝率8.0%と激走の可能性はある。
マイル戦だからと若い組優勢のイメージだが、4歳は【3-2-3-33】勝率7.3%、複勝率19.5%で、5歳【4-3-1-26】勝率11.8%、複勝率23.5%が互角以上。6歳も【3-3-4-35】勝率6.7%、複勝率22.2%で侮れない。
ダノンタッチダウン、セッションら4歳勢より5歳セルバーグ、ドーブネ、マテンロウオリオン、6歳メイショウシンタケらを上位にとりたいところだ。
ポイントは中京3年を除いたデータ
前走クラス別成績では、格上の前走GⅠが【1-4-2-20】勝率3.7%、複勝率25.9%と頼りない。マイルCSは【0-4-0-18】複勝率18.2%、その5~9着【0-3-0-4】、10着以下【0-1-0-12】。マテンロウオリオン、セルバーグにはそう易々と飛びつけない。
前走GⅡ【2-1-2-23】勝率7.1%、複勝率17.9%、GⅢ【2-3-1-31】勝率5.4%、複勝率16.2%について、距離別成績を出す。同距離が【2-1-1-15】勝率10.5%、複勝率21.1%で距離のつながりは意識したい。距離短縮【2-2-0-23】勝率7.4%、複勝率14.8%はいいが、距離延長【0-1-2-16】複勝率15.8%は苦戦で、1400mから来るアヴェラーレなどの評価は慎重にしよう。
これを京都施行の7年に限ると、同距離が【0-0-1-7】複勝率12.5%とダウンし、距離短縮が【2-2-0-17】勝率9.5%、複勝率19.0%と強くなり、さらに距離延長も【0-1-2-8】複勝率27.3%とアップする。ダノンタッチダウン、メイショウシンタケなどマイル転戦組は京都のデータに照らし合わせると飛びつけない。
つづいて前走OP・L【5-1-4-50】勝率8.3%、複勝率16.7%も距離傾向をみる。重賞組と同じく、同距離【4-1-3-38】勝率8.7%、複勝率17.4%。ただ距離短縮は【0-0-0-5】、距離延長【1-0-1-7】勝率11.1%、複勝率22.2%で延長がいい。ここは重賞と違い、京都7年でも傾向は変わらない。キャピタルS組のドーブネ、セッション、タイムトゥヘヴンなどは候補といっていい。距離短縮になるカシオペアS組アルナシーム、エアファンディタは一枚割り引きとなる。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
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