【ファルコンS】重馬場で大型馬、ダート経験ありの2頭が波乱演出 「タマモ」10年ぶりの平地重賞V

SPAIA編集部

2023年ファルコンSのレース結果,ⒸSPAIA

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3連単83万馬券の大波乱

2023年3月18日に行われたファルコンステークスは、幸英明騎手騎乗の8番人気タマモブラックタイが勝利。「タマモ」のJRA重賞制覇は2018年京都ジャンプSのタマモプラネット以来4年4か月ぶり、平地重賞は2013年きさらぎ賞タマモベストプレイ以来、約10年ぶりの出来事だった。

トップスタートを切ったタマモブラックタイは外から主張するアームズレインと、内から行くウメムスビを先にやって道中4番手。両隣のカルロヴェローチェ、ペースセッティングがともに行きたがるそぶりを見せたように600m通過34.8秒は馬場を考慮してもやや遅いペースだったが、自身はリズムよく追走。直線に向くと、失速したウメムスビの前に入って最内を伸びて一気に先頭へ。対照的に仕掛けが遅れたカルロヴェローチェの猛追をハナ差だけしのぎ切った。

3着には14番人気サウザンサニーが入り、3連単は83万馬券の大波乱になった。出走馬中、馬体重が500キロを超える大型馬は2頭だけで、8番人気1着と14番人気3着。どちらもダート戦を経験した馬でもあった。

若駒どうしの一戦とあって、雨の影響を受けた緩い馬場に戸惑った、対応できなかった馬が多かったのだろう。そしてそんな馬たちを尻目に、パワーを備え、「走りにくい路面」での脚運びを体得していた2頭が浮上してきた。この波乱の解釈はそんなところではないか。

逃げてこそのペースセッティング

2着カルロヴェローチェは逃げ馬の後ろにつけ、序盤は少し折り合いを欠きながらの追走。初の1400mにもかかわらず引っかかったのは前走でハナを切ったことの影響だろうが、裏を返せば今回再び控える競馬で“リセット”したのは好感の持てる材料だ。直線は勝ち馬がやや強引に進路をとったのに対し、こちらはペースセッティングの後ろが空くと見たようだが、相手が案外伸びてくれず、再度アームズレインの後ろに戻る形。しっかりと追えたのは残り200mからだった。ゴール前の脚では明らかに上回っており、やはりポテンシャルは重賞を勝てるレベルにある。

3着サウザンサニーは中山ダート1200m未勝利戦を勝ち上がっての重賞挑戦を実らせた。生産と馬主「千明牧場」、母メイハンコックからの「サウザンサニー号」だから命名の妙を感じるところだが、それは置いておこう。父タリスマニック、母父ワークフォースの欧州血統で、芝なら道悪が合うのも納得。今後も馬場次第で穴を開ける場面がありそうだ。

8着スプレモフレイバーは内枠勢が上位を占めたなか、外枠から大外を回っての追い込み。伸びそうで伸びず、坂上で少し鈍ったところを見るに、この馬場の1400mは長かった。というより、1番人気に推された函館2歳Sも渋った馬場で大敗を喫したように、距離を問わず道悪は苦手なのかもしれない。良馬場、できれば1200mで見直したい。

2番人気11着、シンザン記念2着のペースセッティングは序盤で折り合いを欠き、最後はぱったりと止まってしまった。個人的にも「距離短縮なら」と期待していたのだが、現状はどうやら距離というよりもハナを切れるかどうかが重要な様子。スピード馬場だった昨夏小倉芝1200mでは、その後オープン3勝のビッグシーザーを全く寄せ付けずに逃げ切っている大器。本来の実力はこんなものではない。

さて、最後に付け加えると、ファルコンSの前後半34.8-35.9、勝ち時計1.22.6は同日同コースの8レース・古馬1勝クラス(前後半34.8-35.6、勝ち時計1.22.4)をやや下回る時計の水準。雨が止んでいて馬場は回復途上だったことも踏まえ、レースレベル自体はあまり高くなかったと見るのが妥当だ。今年もNHKマイルCへ直結するとは考えにくいが、果たしてどうだろうか。

2023年ファルコンSのレース展開,ⒸSPAIA



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