【毎日杯】関東馬2頭のマッチレースだ! キングズレインとノッキングポイントが春GⅠを前に対決
SPAIA編集部
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キズナ、シャフリヤールに続け
2023年3月25日に行われる3歳限定GⅢ・毎日杯。皐月賞への「東上最終便」と呼ばれることもあるが、実際にここから皐月賞へ進んだのは直近5年で1頭(19年勝ち馬ランスオブプラーナ、18着)だけ。最近の傾向としては、どちらかといえば一冠目を既に諦め、NHKマイルCや日本ダービーを目指す馬たちが集う重賞となっている。
ここから世代の頂点に登りつめたキズナやシャフリヤールのような逸材が今年も出てくるのか。過去10年のデータとともに展望していこう。
意欲の西下と2戦2勝馬
まずは人気別成績から。1番人気は【3-3-3-1】複勝率90.0%と安定感抜群で、2番人気【3-2-1-4】同60.0%も上々の成績。阪神芝1800mというまぎれにくいコース設定に加え、少頭数になりやすいという事情も相まって、前評判が比較的アテになるレースといえる。
4番人気以下は計6連対だが、うち5連対は4角5番手以内の先行勢だった。キレで勝る馬が上位人気に推され、それに伏兵が一矢報いるためには先手先手の競馬で粘り込むしかない、といったイメージだ。なお、10番人気以下は位置取り問わず【0-0-0-23】と出番がない。
続いて所属別を見る。少数精鋭の関東馬が【3-4-1-10】で連対率38.9%の高打率。大半を占める関西馬は【7-6-9-71】同14.0%で少々押され気味だ。そもそも1週前に同距離のスプリングSが用意されている(しかも、そちらなら皐月賞への出走もしやすい)にもかかわらずこちらに出てくる関東馬というのはなかなか特殊。ワンターン、直線勝負の阪神なら勝算アリと見て意欲的に西下してきたケースが多いのではないか。
ちなみに、関東馬のうち「前走5着以内」にまとめていた馬は【3-4-1-4】連対率58.3%、単回収率204%、複回収率226%をマークしている。今年はキングズレインとノッキングポイントがここに該当。頓挫で弥生賞をパスした前者はともかく、ノッキングポイントはジュニアCの大敗で中山に見切りをつけた、という意味合いの遠征だろう。魅力は大きい。
臨戦過程に注目して、いったん前走クラス別というくくりでデータを確認。キングズレインの「前走GⅠ」は【0-0-0-2】で好走例はないが、サンプル不足でなんとも言えないところ。続いて「前走GⅢ・GⅡ」は【6-4-4-21】複勝率40.0%、特に共同通信杯組【4-0-1-2】、弥生賞組【1-0-2-1】などが好調。ここは共同通信杯6着のシーズンリッチがいる。
次点の「前走1勝クラス」【4-4-4-30】を掘り下げよう。その1勝クラスで連対していれば【4-4-4-17】、3着以下なら【0-0-0-13】と明暗が分かれる。さらに、連対したのが「東京コースの1勝クラス」であれば【1-3-1-1】で、複勝率は83.3%に達する。この点からもノッキングポイントが浮上する。
最後にインパクトのあるデータで、キャリア別成績をあげておく。群を抜いていいのが「キャリア2戦馬」の【4-3-2-5】連対率50.0%、複勝率64.3%だが、このうち2戦2勝馬は【3-2-2-0】と全て馬券に絡んでいた。マイネルラウレアの回避により、残念ながら不在。単にキャリア2戦という馬ならアドマイヤイルがいる。
波乱は望み薄か
「1番人気の複勝率90%」「関東馬優勢」「前走東京の1勝クラス連対馬が好成績」「キャリア2戦が吉」などのデータを踏まえた上で、ここからは有力馬の分析に移ろう。
まずは関東馬で前走ホープフルS3着のキングズレイン。好データに合致するのもさることながら、ホープフルSは2番手ドゥラエレーデ、逃げたトップナイフによる前残りの決着に対し、大外を回してただ1頭猛然と追い込んできた。母タッチングスピーチは広いコースでの追い込みで鳴らした馬であり、それに近い適性をもっていそうだ。阪神芝1800mという舞台は合いそうだが、弥生賞を熱発で回避した影響がどの程度あるのか、これが懸念材料となる。
東京の1勝クラス・芝1600m戦を快勝したノッキングポイントにもいいデータは目白押し。前走で記録した1.32.9という走破タイムは非常に優秀で、3歳2月東京開催までにこれより速く駆け抜けたのはメジャーエンブレム、サリオスの2頭だけ。新馬戦圧勝ののち2、3戦目こそ不可解な負け方だったが、能力を出し切った時のパフォーマンスはGⅠ級といっても過言ではない。配当的な部分も加味して、こちらを筆頭評価としておきたい。
実績上位の2頭がデータ的にも強力で、今年は波乱を望みにくいところ。
共同通信杯組のシーズンリッチは、レース内容的にはスローペースを先行するも直線の追い比べでジリジリと後れをとっての6着。目立つものではなかったが、4着馬のタスティエーラが弥生賞を制したように、近年は共同通信杯>弥生賞>その他3歳重賞というレベル感になることが多い。同じだけ走れば足りるというケースは十分考えられるところ。
続いて京成杯2着のオメガリッチマンだが、前走京成杯組は【0-0-0-2】、同様に2着から毎日杯へ転戦した17年ガンサリュートは3番人気7着と敗退。自身のレース内容含め、強調点には欠ける。あとはエマヌエーレか。前走2着はスローの逃げで恵まれた面が多分にあったが、反対にその前2戦は出遅れと大幅体重増でそれぞれ言い訳の効く敗戦でもあった。展開次第で馬券圏内へ再度突入の可能性はある。
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