【中山金杯】外枠大不振、前走GⅠ組イマイチ 一番福を呼ぶのはヒートオンビートだ
勝木淳
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7、8枠【0-1-1-42】、そのワケとは
2022年、中央競馬の開幕はご存じ金杯。今年も一年、週末の終わり、一週間のはじまりに翌週の重賞をさらっと予習、展望してみる私の記事をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、中山金杯というと縁起物な雰囲気だが、冷静に考えれば、真冬のGⅢのハンデ戦。しかも舞台は芝内回り2000m。安易に手を出せない条件でもある。ここでは過去10年間のデータを参考に中山金杯の傾向について探ってみたい。
1番人気は【3-1-3-3】勝率30%、複勝率70%。馬券にならなかったのはこの10年で3頭。ひねらず1番人気をしっかり検討するところからはじめたい。一方、2番人気【3-1-0-6】勝率30%、複勝率40%以下は横一線。5番人気【1-2-2-5】勝率10%、複勝率50%まではどこからでも入れそうだ。10番人気以下もこの10年で3着3回、やはり油断できない。
年齢でみると、5歳【4-4-2-21】勝率12.9%、複勝率32.3%。レース前週まで3歳だった4歳は【2-3-2-18】勝率8%、複勝率28%と勝ちきれない印象。また6歳も【3-3-3-30】勝率7.7%、複勝率23.1%と侮れず、4~6歳は五分に考えたい。
21年暮れの中山は20年と比較しても馬場状態がよく、基本的に内枠の先行勢が強かった。実質連続開催ではあるが、5回中山と1回中山では大きな違いがある。前者は幅員いっぱいのAコース、後者は幅員が6m狭くなるCコース使用。ラチが外側に出るということは、コーナーがその分、大回りになる。
これが響くのが外枠。中山金杯では7枠【0-0-0-20】、8枠【0-1-1-22】複勝率8.3%と不振。今年は違うが、暮れが外優位であっても、Cコース変更で年始は内枠優勢に変化するのが中山の年末年始。1月5日はそういった傾向の変化をメインまでにしっかりつかみたい。
前走GⅠ組が頼りにならず
では次に前走成績から金杯好走パターンをいくつか示してみたい。
まず前走GⅠ組が【1-1-1-16】勝率5.3%、複勝率15.8%と不振。前走エリザベス女王杯【0-0-0-1】、前走菊花賞【0-0-0-7】、ヴィクティファルスが該当。天皇賞(秋)【0-0-1-6】、該当馬トーセンスーリヤなど今年も人気になりそうな馬がここに触れる。確率がいいのは前走GⅡ【4-1-0-14】勝率21.1%、複勝率26.3%だ。
前走GⅡ組の内訳をみると、アルゼンチン共和国杯【1-0-0-2】勝率、複勝率ともに33.3%、ステイヤーズS【0-0-0-3】。オウケンムーンは買えるが、アドマイヤアルバは嫌いたいところ。次に前走GⅢ【2-4-5-51】勝率3.2%、複勝率17.7%について。GⅡほど信頼度はないが、今年も該当馬が複数いるので、検討してみる。
前走GⅢ組のレース別成績を出すと、チャレンジC【1-3-3-15】勝率4.5%、複勝率31.8%、福島記念【1-1-1-16】勝率5.3%、複勝率15.8%、中日新聞杯【0-0-1-14】複勝率6.7%といったところ。間隔が詰まる中日新聞杯はやや厳しい。今年はヒンドゥタイムズが該当。前走チャレンジCはヒートオンビート、スカーフェイスが出走予定。評価するなら前走チャレンジC3着以内【1-2-2-3】にあたるヒートオンビートだろう。
前走GⅢ組について、全体の着順別成績も5着以内が最低条件。6着以下だった馬は【0-0-1-35】。3着は20年11番人気テリトーリアル。同馬はチャレンジC12着だった。まずは掲示板にのったスカーフェイス、ヒートオンビート。前走重賞組ではこれらの馬が狙えそうだ。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。共著『競馬 伝説の名勝負 2005-2009 00年代後半戦』(星海社新書)。
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