【函館2歳S】キーワードは「元気に走れる馬」 消し条件から旬の馬を探る

佐藤永記

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あまりにも早い2歳重賞だからこそ今の成長度が大事

函館2歳Sの消し条件データ,ⒸSPAIA


JRAの2歳戦最初の重賞である函館2歳S。戦歴も浅くとても若い馬たちの戦いのため、はっきり言ってレース結果に一番影響があるのは現時点での完成度。今元気に函館芝1200mを元気に走れるのはどの馬か、という視点で買う馬を探すべきで、他のことは完全に二の次である。

現に直近10年の成績を見ても勝ち馬の種牡馬は10年で全部違う。さらには勝利騎手も全部違う。調教師だけは中竹厩舎が3勝と狙い撃ちしている重賞だったが今年は出走馬なし。枠番傾向もあるにはあるが、今年は13頭とフルゲート割れしていることもあり、短距離で詰まるリスクも例年より少ないため、内がいいとか外がいいという話は今年においては語る意味は全くないと考えている。

とにかくひたすらに、函館芝1200mを今一番元気に走れる馬を見つけよう。

今函館芝1200mを走れる状態ではない条件を探る

函館2歳Sの消し条件データ,ⒸSPAIA


まずは毎年ほぼ出走している「前走門別組」についてだが、過去10年で【0-0-0-19】と残念ながら一度も馬券に絡んでいない。さすがに門別ダートから函館芝重賞へは適性が違いすぎるのだろう。今年もラブミードールが挑戦するが、前走ハイレベルだった栄冠賞での積極策は頑張ったとはいえ結果は8着。2走前のJRA認定OPでの勝ちもあり、函館2歳Sへ出走してくる権利はすでにあったものの、芝で勝負になりそうな見込みは残念ながら厳しそうである。

そして、過去10年で前走勝ってない馬も厳しい結果で【0-0-1-5】という状況だ。ほとんど新馬・未勝利を前走勝って出走してくる重賞なので、そもそも前走勝ってない馬がレアケースなのだが、それでも3着1回だけである。しかもその唯一である3着は2011年ナイスヘイローが、前走当時OP戦で開催されていたラベンダー賞での2位入線11着降着からのもので、前々走にはしっかり新馬を勝っている。つまり、未勝利馬が馬券に絡んだことはない。

今年の登録馬でグランデ、トーセンヴァンノの2頭が未勝利馬である。トーセンヴァンノは前走、最後方から上がり3F34.4で頭差まで詰めた2着で能力を買っての出走になるわけだが、他からの勝利馬も集まる重賞で、その脚を出せても馬券圏内まで届かせられるかどうか、私は疑いたい。

連闘で挑む馬も【1-0-0-10】とあまり狙えない。例外の勝ち馬である2014年アクティブミノルのときは逃げ切り勝ちだったうえに連闘元である新馬戦では逃げて2着と0.8秒5馬身差の圧勝だった内容で、ちょっと実力差が大きすぎたという結論でよい年である。今年連闘で挑むのは3頭、イチローイチローとトーセンヴァンノ、ベルウッドブラボーであるが、そこまで圧勝して強かった前走内容というわけではないので、消し判断としたい。

さらに馬体重が軽すぎる馬は成長度の視点で疑いたい。過去10年で馬券圏内となった最低体重は420kgで、420kg未満は【0-0-0-8】。人間で考えればまだ小学生高学年か中学1年生といった感じの時期ではあるため、軽量であっても軽視はできないのは早い時期の2歳戦では基本ではあるのだが、さすがに重賞ともなると多少の馬体は必要となる。

前走392kgだったポメランチェ、404kgだったリトスは消しとして、前走422kgだったカワキタレブリーとイチローイチロー(連闘条件ですでに消し)はギリギリであると考えておき、当日馬体重は注視したい。

頭数が絞れたのでボックスを考えたい

おそらく上位人気だろうポメランチェが馬体重条件で消えたので、もう馬券は残った馬のボックスで組み立ててしまおう。ここまでの馬券圏内条件をくぐり抜けて残った馬は

カイカノキセキ
トーセンサンダー
ナムラリコリス
フェズカズマ
メリトクラシー
(カワキタレブリー)※当日馬体重420kg以上が条件

この残った馬で3連複ボックス(5頭なら10点、6頭なら20点)はどうだろうか。傾向通りならば、馬券圏内で決まる馬だけなので狙えるはずである。



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