【ラジオNIKKEI賞】ハイブリッド式消去法で実績上位馬が次々脱落!消去を免れた穴馬3頭とは
八木遊
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5つのデータから絞れた馬は?
先週の『宝塚記念』はレイパパレとカレンブーケドールを軸にカデナを押さえ、クロノジェネシスは消しという判断を下した。結果はご存じの通り、クロノジェネシスが他を圧倒。レイパパレは3着を確保するのがやっとだった。極度の不調に陥ったまま上半期を終了したこのコーナー。下半期で何とか挽回したい。
今回予想するのは7月4日に福島競馬場で行われる『ラジオNIKKEI賞』。東日本大震災の影響で中山開催だった2011年も含めた過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。フルゲート16頭に対し、18頭が登録。2頭が除外されるが、全18頭を対象に絞っていきたい。
『前走5番人気以下』×『前走上がり3位以内』★0.0%★
まず取り上げるのは前走の人気順。前走5番人気以下だった馬は過去10年で77頭いて、【2-4-6-65】(複勝率15.6%)。この77頭のうち、前走で上がり3位以内の末脚を使っていた馬は【0-0-0-16】(同0.0%)と一度も馬券に絡んでいなかった。ローカル福島では、決め手よりも機動力の高さが重要ということだろう。
今年この条件に当てはまったのは、上位人気が予想されるリッケンバッカーなど4頭。同馬は昨夏に小倉の1800m戦で6着に敗れており、ワンターンでこその馬。消去法に従って思い切って消しとしたい。
【今年の該当馬】
・アイコンテーラー
・デルマセイシ
・リッケンバッカー
・ワザモノ
『前走重賞』×『前走から中9週以上』★0.0%★
続いては、前走重賞を走っていた37頭に注目。その成績は【2-3-2-30】(複勝率17.5%)とやや苦戦している印象だ。特に前走からの間隔が9週以上と空いている場合は【0-0-0-15】(同0.0%)で全て馬券圏外に沈んでいる。一方、中8週以下だと【2-3-2-18】(同28.0%)と、こちらは割り引く必要はなさそう。2つ目はこの消去データを採用する。
今年この条件に引っ掛かったのは5頭。除外対象のボーデンの他、皐月賞から参戦のアサマノイタズラ、シュヴァリエローズなどの実績馬がここで消えた。
【今年の該当馬】
・アサマノイタズラ
・シュヴァリエローズ
・ボーデン*
・ロードトゥフェイム
・ワールドリバイバル
『前走10着以下』×『前走馬体重減』★0.0%★
続いては前走の着順を取り上げたい。10着以下に敗れていた馬は過去10年で【0-1-3-25】(複勝率13.8%)。1着こそないが、複勝率は悪くない印象だ。ところが前走時の馬体重が明暗を分ける。前走時に馬体重が減っていた馬は【0-0-0-14】(同0.0%)とすべて馬券圏外。一方、増減なしか馬体重増は【0-1-3-11】(同26.7%)と、巻き返しに成功する馬が少なくなかった。
今年は3頭がこのデータに当てはまった。既に消去済みの2頭に加え、前走スイートピーS(L)を8kg減で走り、13着に大敗したネクストストーリーを消しとする。
【今年の該当馬】
・(アサマノイタズラ)
・(シュヴァリエローズ)
・ネクストストーリー
『社台系生産』×『前走人気<前走着順』★6.3%★
続いては、生産者別データを取り上げる。通常なら芝の中距離戦は社台系の生産馬が最も得意とする条件。ところがこのレースでは過去10年で【4-2-4-47】(複勝率17.5%)と、非社台系の【6-8-6-69】(同22.5%)を好走率で下回った。なかでも前走で人気より悪い着順に終わっていた馬は【0-0-1-15】(同6.3%)で、3着が1頭だけだった。
4つ目の消去条件に当てはまったのは3頭。新たに消去対象となったのは、ともにプリンシパルS(L)で人気を裏切る着順に沈んだスペシャルドラマとヴァイスメテオール。最後の消去データを残し、18頭中6頭が残った。
【今年の該当馬】
・スペシャルドラマ
・(ボーデン*)
・ヴァイスメテオール
『栗東所属騎手』×『今回馬番5~9番』★0.0%★
最後は、騎手と枠順の組み合わせを採用したい。栗東に所属する騎手は過去10年で【3-1-3-31】(複勝率18.4%)。美浦所属騎手の【7-9-7-83】(同21.7%)をほんの少し下回る。掛け合わせるのは、今回の枠順だ。馬番が5~9番の真ん中からやや内目に収まった馬は【0-0-0-14】と全滅していた。
残った6頭のうち、栗東所属騎手が騎乗を予定しているのは、ジュンブルースカイ、ノースブリッジ、そしてプレイイットサムの3頭。もしこの3頭が5~9番枠に入れば、無印とする。
【今年の該当候補】
・ジュンブルースカイ
・ノースブリッジ
・プレイイットサム
5つの消去データを免れたのはグランオフィシエ、タイソウ、ヴェイルネビュラといういずれも人気薄が予想される3頭。この中で最も魅力を感じるのは2連勝中のグランオフィシエだ。重賞初挑戦となるが、近2走の勝ちっぷりが秀逸。最終追い切りと当日の気配次第だが、最も本命に近い存在である。リッケンバッカーなど実績馬が早々と消去の憂き目にあった今年は大荒れの予感がプンプン漂う。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(6月27日時点の回収率は28.6%)。
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