【目黒記念予想】穴を狙うべし、されど大穴を狙ってはならぬ ギリギリのラインを攻めるウインキートス

SPAIA編集部 鈴木佑也

目黒記念の単勝オッズ別成績ⒸSPAIA

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一発逆転ファイナルレース

来たる5月30日、2021年の日本ダービーが行われる。昨年のコントレイルに続く無敗の三冠馬誕生へ、エフフォーリアがまず二冠を制して夢をつなぐのか、それとも牝馬サトノレイナスが快挙を達成するのか、などなど、話題は枚挙にいとまがない。

そんなダービー当日、最終レースに行われている重賞が目黒記念だ。対戦歴のある馬どうしでの争い、ある程度力関係のハッキリしたダービーとは対照的に、G1を敗れてきた馬、ハンデ重賞の安定株、OP入りして日の浅い新興勢力らが、斤量差をつけて戦う。射幸性という意味ではこちらの方が高いだろう。

地方・高知競馬場の名物レースとして、記者選抜によって組まれた大混戦のメンバーで行われる「一発逆転ファイナルレース」という呼び物もあるが、目黒記念はさながらダービーで夢破れたファンにとっての一発逆転ファイナルレースといったところか。個人的にも、ダービーの傷を癒して終わったこともあれば、取り返そうとした負けが倍に膨れ上がったこともある。

ついつい投資額も大きくなりがち?で、地味ながらきちんと分析しておきたい目黒記念を、データも見ながら予想する。

穴を狙うべし、されど…

各馬の分析に入る前に、まずは目黒記念の傾向をデータからつかんでみよう。ダービーで大勝利を収めた人はともかく、そうでない人にとってはどうしても逆転を懸けて高配当狙いに目が行くレース。

それは大きな間違いではなく、15年のヒットザターゲット(11番人気1着)など、人気薄の好走例はそれなりに多い。しかし、人気順でいえば1~13番人気まではまんべんなく馬券になっている形で、あまりにも絞りづらい。そこで、人気順ではなく単勝オッズを用いて人気別成績を出してみた。

目黒記念の単勝オッズ帯別成績ⒸSPAIA



単勝オッズ10倍未満の単回収率73%、複回収率64%はやはり低調で、人気馬に日和ってしまうのはもったいない。ただし、気を付けたいのが単勝30倍以上の馬。その成績は【0-1-1-68】とほぼ全滅で、複回収率も22%しかない。ここは単勝10.0~29.9倍の「中穴」が単163%、複115%と黒字計上だ。

いかにも荒れそうなハンデ戦で、魅力的な穴馬は藁にもすがる思いで買われるレース。そんな中で単勝30倍以上と見向きもされていないような組はノーチャンスということだろう。穴を狙いつつ、かといって希望的観測込みで振り回しすぎない、さながらチキンレースのようにギリギリの人気薄を攻めてみたい。

軽量を活かして

といっても執筆時点で単勝オッズが分かるわけではないので探り探りの面はあるが、一応単勝10.0~29.9倍に収まりそうな馬を中心に据えていこう。

本命はウインキートス。スローペースの先行という形で好走を続けていたために内容は目立たないが、3・4走前はソフトフルートやデゼルといった相手にも先着。重賞初挑戦となった前走は3角で内ラチ沿いに挟まれる大きな不利を受け、最後は流して15着大敗。完全にノーカウントでいい。

昇級初戦を大きく負けたことで人気が落ちるだけでなく、ハンデも52キロと恵まれた。先行勢が手薄なメンバー構成でもあり、軽量を活かしての一発に期待したい。

対抗はディアマンミノル。昨秋には不良馬場でレース上がり37.5秒というタフな勝負を制したように、時計がかかってしぶとさの活きる競馬が得意な馬。前走のメトロポリタンS3着は一見好走だが、上がり最速33.9秒が出るようなレースはこの馬の本領ではないだろう。坂下スタート、よりタフな戦いになる今回の方が条件としては好転する。

3番手は人気だがグロンディオーズ。前走で破ったオーソリティは左回りだけ別馬のように強い馬だが、その相手を長距離戦とはいえ東京で撃破したのは値千金だ。斤量増はネックだが、大崩れもないと見る。

以下、G2・2着ながら54キロのハンデが有利に映るナムラドノヴァン、内有利の日経賞で外を回っての7着に見どころのあるムイトオブリガードらを押さえる。願わくは、今年の目黒記念は逆転を狙わなくていい状況で迎えたいものだ。

▽目黒記念予想▽
◎ウインキートス
◯ディアマンミノル
▲グロンディオーズ
△ナムラドノヴァン
×ムイトオブリガード


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