【フェアリーS】穴馬候補は10番人気、キャリア7戦、前走新馬・未勝利組 当日まで覚えておきたいデータ

勝木淳

2021年フェアリーSインフォグラフィックⒸSPAIA

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1番人気【2-1-0-7】、10番人気【2-2-0-6】

1984年テレビ東京賞3歳牝馬Sの名称で創設、現表記で2歳暮れ、中山芝1600mで行われた。第1回の勝ち馬エルプスは翌年桜花賞を勝ち、第2回を勝ったメジロラモーヌは中央競馬史上初の三冠牝馬になった。91年から一旦1200mに距離短縮され、09年から現在の条件、3歳1月の芝1600m戦に変更、創設当初と同じく桜花賞戦線を意識した重賞に様変わりした。

変更当初の09年ジェルミナルこそ桜花賞3着と結果を出したが、その後はここから桜花賞好走馬は出現せず、20年スマイルカナが久しぶりに桜花賞3着と気を吐いた。1月の中山という条件ゆえにAランクの出走が少なく、例年人気は割れ、その結末も波乱決着になることも多い。そんな難解なフェアリーSの穴馬について過去10年のデータを基に考えていく。

フェアリーS人気別



過去10年で1番人気が7回も馬券圏外だったことに注目。1番人気は【2-1-0-7】、17年アエロリット2着を最後に3年連続馬券圏外だ。もっともいいのは3番人気【4-0-1-5】勝率40%、複勝率50%で、その次が10番人気【2-2-0-6】勝率20%、複勝率40%だからたまらない。その単複回収値は1193、348。この10年10番人気の単勝を買い続けていれば、2回的中し資金は10倍以上になっていた。きっと今からでも遅くないはずだ。大穴狙いでも十分戦える。

キャリア7戦が2勝

ここからは3歳重賞の指標にもなるキャリア別成績をみていこう。

フェアリーSキャリア別



3戦以内は【7-5-5-83】、ほかの重賞と同じくキャリアの浅い馬が強いのは事実。ただしキャリア3戦は2勝で単複回収値27、53。キャリア1戦も同じ2勝ながら回収値は398、142。勝ったのは13年10番人気クラウンロゼ、14年1番人気オメガハートロックの2頭。2着は13年5番人気ウキヨノカゼ、3着2頭は18年7番人気レッドベルローズ、20年5番人気ポレンティア。新馬勝ち直後には注意すべきだろう。

さらに3歳重賞としては珍しく豊富なキャリアが武器になるレースでもあり、7戦が【2-0-0-3】と2勝をあげている。2勝は12年3番人気トーセンベニザクラと15年11番人気ノットフォーマル。前者は阪神JF10着、後者は秋の東京・赤松賞8着から巻き返した。フェアリーSでは新聞の馬柱に全成績が収まらないような馬は軽視できない。

フェアリーS前走クラス別



ではさらに具体的に前走クラス別成績をみていこう。前走新馬2勝、未勝利2、1勝クラス3、GⅢ1、GⅠ2勝と分布は正直バラバラ。前走阪神JF組はやはり注目されてしまうため、単複回収値は62、36と低い。加えて好走例は13年以前に集中、14~18年はすべて凡走、19、20年は出走馬ゼロ。

満遍なく好走馬を出し、かつ妙味があるのはキャリアで触れた新馬組。3着以内馬は5、10、1、7、5、5番人気。目下3年連続で前走新馬組が3着である。さらに前走未勝利組【2-2-3-25】は上位人気馬が勝ち切る傾向(18年2番人気プリモシーン、19年3番人気フィリアプーラ)にあるものの、人気薄の2、3着も目立ち、14、4、8、7、7番人気が2、3、2、3、3着。前走新馬、未勝利組は要チェックだ。

新馬は前走東京、未勝利は距離短縮

ということでここからは前走新馬、未勝利組にポイントを絞る。

フェアリーS前走新馬組の前走場所別



前走新馬組がどの競馬場で走ったのかというデータをみると、東京【2-1-2-6】が圧倒的。いや東京以外の前走新馬組は札幌の3着1頭(20年5番人気3着ポレンティア)のみでほぼ機能していない。ここは東京の新馬を勝った馬と覚えておこう。

フェアリーS前走未勝利組の前走距離別



前走未勝利組は前走距離に注目。もっともいいのは同距離の前走1600m組【2-0-1-11】だが、単複回収値は87、50。前項で記したように前走未勝利組の上位人気馬がここに該当する。

では穴馬はというと、距離短縮組から出現する。前走1800m【0-1-1-8】複勝回収値233。内訳は12年14番人気2着マイネエポナ、17年7番人気3着モリトシラユリ。前走2000m【0-1-0-0】複勝回収値600、15年8番人気2着ローデッド。この3頭の未勝利勝ちは12月小倉、中山ダート、12月中京と暮れの第3場やダートといった人気になりにくい条件でのもの。ぱっと見で違和感を覚える条件で未勝利を勝った馬は見逃すべきではないということだろう。

以上の分析からわかるフェアリーSの穴馬条件
・10番人気に注意
・キャリア豊富な馬
・前走東京新馬
・前走未勝利は距離短縮かつ地味な条件に出走した馬

2021年フェアリーSインフォグラフィックⒸSPAIA



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。


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