ディープインパクト、ハーツクライなど GⅠを勝ったサンデーサイレンス産駒の種牡馬一覧

門田光生

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Nasrullah系、ノーザンテースト時代を経て、サンデーサイレンス系へ

サンデーサイレンスの血統樹

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日本競馬の種牡馬界で一大巨頭となっているのがサンデーサイレンス系。

中央競馬の専門紙で入社2年目から20年近く血統を担当させていただいたのだが、当時はノーザンテーストが不動のリーディングサイアーとして君臨。その後、サンデーサイレンス、そしてディープインパクトと時代が移っていった。

ノーザンテースト時代より前、1970年代はテスコボーイやネヴァービート、そしてアローエクスプレスらNasrullah系の種牡馬が大活躍していた。しかし、Nasrullah系の種牡馬は活躍馬こそ多数出したが、自身の後継種牡馬がリーディングサイアーとなることはなかった。

それはノーザンテーストとも同じ。それどころか、サンデーサイレンスが現れる前は、後継種牡馬がリーディングを取ったのは1950年代のクモハタまでさかのぼらなければいけない(注:アローエクスプレスは中央総合リーディングは取っていないが、1980~1981年に中央+地方の総合リーディングを獲得している)。そう考えると、後継種牡馬が3頭もリーディングサイアーとなっているサンデーサイレンスがいかに凄い種牡馬だったかがよく分かる。

サンデーサイレンスの初年度産駒がデビューしたのは1994年だが、翌年に早くもリーディングを獲得。わずか2世代で頂点に立ったことになる。ちなみに、ノーザンテーストが初めてリーディングを取ったのは4年目。ディープインパクトやキングカメハメハでも3年かかっている。

サンデーサイレンス系の後継種牡馬は100頭以上

サンデーサイレンスの出現により、割を食った種牡馬も当然ながら存在する。まずはトニービン。ノーザンテースト政権が崩壊した翌年の1994年に初のリーディングサイアーを獲得。

「さあ、これから長期政権を築くか」と思った矢先、サンデーサイレンスが凄い勢いで抜き去っていった。1998年から5年連続で2位。「たられば」になるが、サンデーサイレンスがいなければもっとリーディングを積み重ねていただろう。とはいえ、サンデーサイレンスとトニービンは同じ社台グループの種牡馬。さらに父系が違うことにより、サンデー産駒の肌に付けやすかっただけ恵まれていたかもしれない。

サンデーサイレンスより1年早く種牡馬デビューしたブライアンズタイムは、最も影響を受けた種牡馬かもしれない。この馬も2世代でリーディング4位まで押し上げたスーパー種牡馬なのだが、リーディング争いではサンデーサイレンスに全く歯が立たず。種付け頭数がサンデーより少なかったし、繁殖牝馬の質も違う。ヘイルトゥリーズン系の同型配合ということで、サンデーの肌に付けづらかったのもあるだろう。12年連続で3位以内だったが、結局一度もリーディングを取ることはなかった。

ちなみに、ノーザンテーストが最後にリーディングを獲得した1992年、トップ10に入った後継種牡馬はアンバーシャダイの1頭だけ。しかし、サンデーサイレンスはリーディング最終年にアグネスタキオン(2位)、ダンスインザダーク(3位)、フジキセキ(5位)、スペシャルウィーク(8位)、そしてアドマイヤベガ(10位)の5頭がランクイン。この時点で「サンデーサイレンス系」は確立されていた。

その「サンデーサイレンス系」だが、後継種牡馬は優に100頭を超えている。その中からGIを勝ち、なおかつ日本で繁殖入りした種牡馬をリストアップ。これらを年代順に並べ、次回以降は見ていく。


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