【札幌記念】1番人気は連対率80% データ的にドンピシャなのはあの馬

門田光生

札幌記念で本命に推されたフィエールマンⒸ明石智子

Ⓒ明石智子

またもや「久々」のキーワードが…

関屋記念は馬券の目があったミエノサクシードとソーグリッタリングで決まったかと思った瞬間、外から飛んできたミッキーグローリーが勝利をさらっていった(自分視点)。ミッキーグローリーは関屋記念が今年緒戦。上半期に散々耳にした「休み明け」というキーワードが復活。頭が痛くなってきた。

今週は重賞が2つ。札幌ではGⅡ札幌記念が行われる。昨年は1着サングレーザー(スワンS1着など)、2着マカヒキ(日本ダービー1着など)、3着モズカッチャン(エリザベス女王杯1着など)。

過去にはネオリアリズム、モーリス、ヌヴォレコルト、ハープスター、ゴールドシップ、古くはファインモーション、エアグルーヴ、セイウンスカイなど、数多くのGI馬も出走している。このレースは夏競馬のメインイベントといって過言ではないだろう。

紐解けばこの札幌記念、ダートで施行されていた。さらにさかのぼると、左回りで行われていた時代もあったとか。毎年のようにGI級が出走してくる今では想像もつかないことである。

ともあれ、今年もここから始動する実績馬が登場。大物といえばハープスターとゴールドシップの一騎打ちが思い出されるが、実際に緒戦から実力を発揮できているのだろうか。

札幌記念出走馬のローテーション・前走条件ⒸSPAIA<br><br>

ⒸSPAIA

GI級の有力馬がここから始動ということは、つまり前走はGIを走っていて、かつ間隔があいているというパターンが多いはず。結論はというと、中10週以上開いていても全く問題なし。また前走でGIを経由してきた馬の成績がよく、やはり実績馬が有利のデータが出ているようだ。

1番人気は信頼してよし

函館で行われた2013年を除いた過去11年、10回分のデータだが、1番人気が連対率8割と結果を残している。人気馬には逆らわない方が無難なようだ。

札幌記念1番人気の成績・出走馬の前走ⒸSPAIA<br><br>

ⒸSPAIA

また、前走で好走した馬の方が、馬券外の馬より成績がいい。過去の栄光より、現在進行形で結果を残している実績馬が狙いとなる。

札幌記念出走馬の脚質ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

最後に脚質。逃げ、追い込み馬には厳しいデータ。極端な競馬しかできない馬は切っても問題ないだろう。

威風堂々、フィエールマン

穴狙いの人には面白くないデータがそろってしまった。

①使い詰めより休み明け
②前走でGIを走っている馬が断然
③1番人気の信頼度が抜群
④前走3着以内
⑤逃げ、追い込み馬は厳しい

となる。全く荒れないレースではないが、何せ1番人気が8連対。ただ、1番人気が連を外した2年はいずれも3連単が20万を超えている。それを期待して狙いにいくのも一つの手だが、データを使って予想している限りは、的中により近い方を選択する。

今年も豪華なメンバーがそろったが、1番人気が予想され、さらにほかの全てのデータも満たしたフィエールマンで文句なしだろう。キャリア6戦で菊花賞と天皇賞・春を勝って実績は文句なし。冒頭にも書いたが、今年前半のGⅠのトレンドは「久々」。まず来ないというデータを覆して天皇賞・春を勝ったフィエールマンがまさにそれ。この馬はデビューからの6戦、全て2か月以上開けてレースを使い、なおかつ結果を出している。目標がどこであろうと、常に全力を出すタイプ。この馬で予想を当てて上半期のトラウマを消し去りたいところだ。

③の1番人気以外を満たしたクロコスミア、ワグネリアンの2頭が相手。クロコスミアはとにかく意外性のある馬。滞在競馬にも実績を残しており、今回も人気の盲点になりそうだ。ワグネリアンは正直厳しいと思っていた大阪杯で3着と好走。父、母の父とも急逝した大種牡馬で、馬主はその2頭を所有していた金子氏。これが勝てばドラマになる。

人気馬からいく限りは絞っていきたい。というわけで、馬券はフィエールマンからクロコスミア、ワグネリアンへ馬連2500円ずつ。

《関連記事》
【札幌記念】平均上がりは35.6 過去の馬場傾向から合うのは小回りでもダービー馬
買えるのは軽ハンデ?トップハンデ? ハンデ戦を制するものが夏競馬を制す
ロードカナロア?フィエールマン? ディープ&キンカメの後継種牡馬となるのは?

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。

おすすめ記事