【エルムS】勝ち馬の上がり平均は36.2 速い上がりに対応できる馬は?
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
良馬場ながらタイムは速い
北の大地から秋への飛躍を狙うダート馬たちによって争われるエルムS(GⅢ・ダート1700m)。今年の注目馬は重賞4勝馬のグリム、4勝中3勝が地方交流重賞で2100mの白山大賞典、1900mの名古屋大賞典、2000mのマーキュリーCと長めの距離のレースを得意としている。果たして、札幌1700mへの適性はどうなのか。先週の札幌ダートコースの傾向とエルムSの上がりタイム、出走馬の適性からレースを分析していく。
まずは先週の札幌ダートコースで行われたレースについて振り返っておこう。
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10レースが行われた中で、エルムSと同じ1700mでは6レースが行われた。時計面を見てみると、アドマイヤビーナスが勝った3歳未勝利とベイコートが勝利した3歳以上1勝クラスで1:44.7、サラーブが勝利したポプラ特別(2勝クラス)では1:43.5と、良馬場の割に速いタイムが出るダートだということが見てとれる。
勝ち馬の上がり平均タイムを調べると36.9で、小回りコースの割に速い上がりを要求される馬場だと言える。脚質も小回りらしく、やはり先行有利の馬場と言ってもいいだろう。
良馬場でも35秒台の上がりをマーク
現在の施行条件となった2010年以降、函館競馬場で行われた2013年を除いた過去9年の1〜3着馬の上がりタイムは以下の通りとなっている。
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勝ち馬の上がり平均は36.2で、先週のレース傾向と同様に速い上がりを求められる馬場だということができるだろう。
また35秒台の上がりを使っている馬が多いことから、それらは全て雨馬場の時ではないかと思い、馬場状態を調べてみると2010年、2012年、2016年の3回が良馬場にも関わらず、35秒台の上がりを使った馬が勝利していた。馬場状態に関係なく、速い平均上がりを持っている馬を狙うのが良さそうだ。
唯一の平均上がり36秒台だったのは
これらのデータを踏まえたうえで、ピックアップした今年の出走馬は以下の6頭。
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3着以内に好走しているときの平均上がりが36秒台だった馬は、モズアトラクションの1頭のみだった。新潟、中京、阪神、京都、函館と競馬場のコース形態と馬場状態を問わず、安定して36秒台の上がりが使えるのは、大きな強みだと言える。ここは文句なしに本命にしていいだろう。
次に平均の上がりが速かったのはレッドアトゥの37.1。当初はブリーダーズGCへの出走を予定していたが、登録の不備もあってエルムSに出走してきた。平坦の京都の1800mを得意としており、同じく平坦な札幌コースも問題なくこなしてくれそう。
平均上がり37.2だったのは、サトノティターンとドリームキラリの2頭。サトノティターンは中山でマーチSを勝利しているが、広い東京コースを得意としているので札幌1700mという条件に対応できるかがカギとなる。
ドリームキラリは2017年のエルムSで3着、2018年は2着とこのレースで好成績を残している。ただ、今年は他にも逃げたい馬がいるのでスムーズなレースができるかがポイントになりそう。
その逃げたい馬というのが、リアンヴェリテだ。今夏、函館で大沼S、マリーンSを連勝して勢いに乗っているが、内容はいずれも逃げ切り勝ち。逃げられないともろい面があるので、この馬もすんなり先手を取れるかどうか注目される。
おそらく1番人気になるであろうグリムは、実績と勢いは文句なしにメンバー中最上位だが、平均の上がりをみると37.6と遅い。その理由として、近走で好走しているのがいずれも砂の深い地方競馬の競馬場だからである。今回は条件が異なる札幌コースに変わるのがどうかだが、力を考えると無印にはできない。
▽エルムS予想▽
◎モズアトラクション
○レッドアトゥ
▲ドリームキラリ
☆サトノティターン
△リアンヴェリテ
△グリム
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