「消し」材料と侮るなかれ 夏競馬に多い連闘を徹底分析

東大ホースメンクラブ

イメージ画像ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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消し材料と侮るなかれ 夏の連闘馬は一味違う

関東甲信地方は梅雨明け、個人的なことを言えば期末試験も終了し、本格的に夏がスタートした。猛暑日連続の8月、冷房の効いた部屋で思う存分夏休みを満喫したい。しかし競馬の世界では酷暑をものともせず、休みなくレースに出走することもある。2週続けてレースを使うことを指す連闘は、未勝利戦・1勝クラスで多く見られる夏の風物詩だ。

過去5年の出走間隔別成績と連闘馬の月別成績ⒸSPAIA

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まず連闘馬全体がどれほど結果を残しているかデータを分析する。表を見ると一目瞭然だが、連闘馬は他の出走間隔で臨む馬に比べるとやや成績が劣っているのが現状。馬券を組み立てる際には疲労などのデメリットを思い浮かべ、一般的に連闘は割引材料となるのもうなずける。

しかし、夏競馬シーズンの連闘馬は一味違う。7月から9月の連闘成績を見ると成績が上昇しており、他の出走間隔でレースを使う馬とそん色ない水準まで数値が上昇している。酷暑の夏こそ連闘馬の狙い目なのだ。

札幌の連闘馬は買い

では実際に夏競馬で連闘馬を買えるのはどの条件なのか。場所別のデータを見てみよう。

過去5年の場所別連闘成績ⒸSPAIA

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連闘が実を結びやすいのは最も出走頭数の多い函館ではなく、札幌だった。連対率は函館や2位の中京に5%以上の差を付け、複勝率では唯一の20%超えだった。逆に東京で連闘する馬は振るわないため、割引が必要だろう。

過去5年の札幌競馬場・人気別連闘成績ⒸSPAIA

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成績の良かった札幌での連闘成績を人気別にまとめると、1〜5番人気馬と6番人気以下の馬には大きな成績の隔たりがある。連対率は4割近く、馬連など連系の馬券軸として狙いやすい。対照的に6番人気以下では推奨が難しく、穴から狙う決め手とはなりにくいのが実情だ。

連闘馬は短距離戦でこそ狙え

最後に距離別の連闘成績を見てみよう。成績が良いのは1300m以下の短距離戦だ。

過去5年の距離別連闘成績・競馬場ごとの1000m成績ⒸSPAIA

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まず短距離戦のデータから回収率のいい、1000m戦のデータを抽出した。1000m戦では複勝率が短距離戦の中でもさらに高く、3番人気以内に限れば複勝率は61%をマークしている。全レースでの1番人気の複勝率が6割強であることを考慮すれば、評価できる数値といえるだろう。

場所別で推したいのは1000mでまず連想される直線競馬の新潟芝ではなく、連闘馬が強い札幌のダート。夏競馬ではデータを参考に連闘馬から的中をつかみたいところだ。 

対照的にマイル〜中距離戦の連闘馬はいまひとつで、評価を下げる材料として活用したい。

難解な夏競馬攻略の糸口となりうる連闘馬の扱い。多角的視点で評価し、的中を目指したいところだ。

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