【エプソムC】レーベンスティール、ヴェルトライゼンデの取捨は「枠次第」 ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年のエプソムカップ『前走初角10番手以下』×『関東馬』の成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

今週はエプソムCを担当する。当欄では2年前に本命視した4番人気ノースブリッジが優勝した縁起のいいレース。エンジン全開でテンから飛ばしていこう。これまで通り、過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を順番に消していく。3分の2の抽選対象馬(*)も含めた登録馬19頭を対象に進めていきたい。

『前走から距離延長』×『前走で人気を上回る着順』★0.0%★

まずは前走距離に注目した。同距離、延長、短縮の3つに分けると、前走で今回と同じ1800mを走っていた馬の成績が良かった。一方で、前走から距離を延ばしてきた馬は【3-2-2-38】(複勝率15.6%)とやや低調。特に前走で人気を上回る着順に好走していた21頭はそろって4着以下に敗れていた。

今年この条件に当てはまったのは以下の5頭。サイルーンとルージュリナージュは上位人気に推されそうだが、思い切って消去する。

【今年の該当馬】
・サイルーン
・タイムトゥヘヴン
・ノースザワールド*
・ラケマーダ
・ルージュリナージュ

『前走初角10番手以下』×『関東馬』★3.2%★

続いては、前走時の最初のコーナー通過順に注目。これが10番手以下だった馬は【1-2-1-51】(複勝率7.3%)とこのデータだけでも複勝率10%未満の消去条件を満たす。ただハイブリッド式では別の条件と掛け合わせることで精度を高めるのが方針だ。ここでは関東馬をピックアップ。この2つの条件を重ねると、【0-0-1-30】(同3.2%)となった。

今年は以下の5頭がこの条件に当てはまったが、うち3頭は消去済み。新たにニシノスーベニアと、抽選対象のレッドランメルトの2頭が消去リスト行きとなった。

【今年の該当馬】
・(タイムトゥヘヴン)
・ニシノスーベニア
・(ノースザワールド*)
・(ルージュリナージュ)
・レッドランメルト*

『非社台系生産』×『前走時馬体重480kg未満』★3.7%★

続いては生産牧場を取り上げたい。今回は過去10年で【5-3-5-69】(複勝率15.9%)の非社台系牧場が対象だ。複勝率は21.8%の社台系生産馬と大差ないが、馬格が重要な要素となる。今回は前走時の馬体重を採用。これが480kg未満だった馬は【0-1-0-26】(同3.7%)で、3着以内は1頭しかいなかった。

今年この条件に当てはまったのは7頭。このうちルージュリナージュは3連続で消去法の網に引っ掛かった。新たに消えるのはトゥデイイズザデイなど以下の通り。3つの条件を終えて、早くも13頭が消去となった。

【今年の該当馬】
・グランスラムアスク*
・シルトホルン
・セルバーグ
・トゥデイイズザデイ
・マイネルケレリウス
・(ルージュリナージュ)
・ワールドウインズ

『前走上がり3F3位以内』×『前走4着以下』★6.7%★

4つ目の条件は前走時に上がり3ハロン3位以内の末脚を使いながら4着以下に敗れていた馬だ。過去10年でこの条件に当てはまった馬は15頭いたが、【0-1-0-14】(複勝率6.7%)という成績。唯一の好走例は、18年に4番人気で2着に入ったハクサンルドルフだった。

今年は4頭が当てはまったが、うち3頭が消去済み。新たにカレンシュトラウスを消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・カレンシュトラウス
・(タイムトゥヘヴン)
・(ニシノスーベニア)
・(ルージュリナージュ)

『前走から距離短縮』×『今回馬番1~4番』★0.0%★

ここまで4つの条件を終えて14頭を消去した。残っているのは5頭だけだ。最後は前走から距離を縮めてエプソムCに参戦してきた馬を取り上げたい。前走で1800mを超える距離を使われていた馬は【2-4-3-51】(複勝率15.0%)で、距離延長組とほぼ同じ数字を残している。これに掛け合わせるのは、今回のレースにおける馬番だ。5番から外なら【2-4-3-39】(同18.8%)と悪くなかったが、1~4番ゲートに入った馬は12頭全てが4着以下に沈んでいた。

残っている5頭のうち前走から距離を詰めてくるのはレーベンスティールとヴェルトライゼンデの2頭。もし4番以内に入ったときは迷わず消去する。

【今年の該当候補】
・レーベンスティール
・ヴェルトライゼンデ

5つの条件を終えて確実に残るのは、アルナシーム、グランディア、ジェイパームスの3頭となった。ここは軸馬を決めず、素直に3頭のワイドボックスで勝負する。レーベンスティールとヴェルトライゼンデが消去を免れた際は最大5頭の三連複ボックスも買い足したい。

昨夏のキーンランドC以来、約10か月ぶりとなる実戦復帰を果たす。といっても馬のことではない。諸事情で本コーナーの担当から離れていたが、今週から再登板となった。昨年は“休養”まで目も当てられない成績だったが、心機一転を図りたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

《関連記事》
【エプソムC】前走データからレーベンスティールは巻き返し可 面白いのはセルバーグとルージュリナージュ
【函館スプリントS】4歳馬アサカラキングが飛躍狙う 穴ならオープン敗退組・カルネアサーダ、レイベリング
【エプソムC】過去10年のレース結果一覧

おすすめ記事