【金鯱賞】川田将雅騎手が近5年で重賞6勝と無双中 東大HCが中京芝2000mを徹底検証
東大ホースメンクラブ
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コース分析
今週は中京芝2000mを舞台にGⅡ金鯱賞が行われる。1着馬に春の中距離GⅠ大阪杯の優先出走権が与えられる前哨戦。今年は5連勝で菊花賞を制したドゥレッツァvs昨年の覇者プログノーシスの対決が注目されている。
当該コースが舞台の重賞は3レース。今週の金鯱賞に加え、冬のハンデGⅢ愛知杯(24年は小倉開催)と中日新聞杯が施行される。今年は阪神競馬場改修に伴う番組の変更を受け、GⅡローズS、GⅢ小倉記念の2レースも同コースで行われる。コースの特徴を過去のデータから分析していこう(使用するデータは2019年3月9日~2023年12月17日)。
まずはコース紹介。オーソドックスな一周の形態だが、スタート地点が坂の途中にあり、1~2コーナーに設定されている坂と相まって1000m近く上りが主体となる。向正面から3~4コーナー、直線入口までは一転して下るが、412.5mの直線には高低差2mほどの上りが待ち構え、長く良い脚を使ってのスパートが求められる。
とにかく逃げ馬を狙え!
<中京芝2000m・過去5年の枠別成績>
1枠【27-35-24-235】勝率8.4%/連対率19.3%/複勝率26.8%
2枠【38-34-22-247】勝率11.1%/連対率21.1%/複勝率27.6%
3枠【36-31-28-261】勝率10.1%/連対率18.8%/複勝率26.7%
4枠【31-26-30-285】勝率8.3%/連対率15.3%/複勝率23.4%
5枠【32-33-43-291】勝率8.0%/連対率16.3%/複勝率27.1%
6枠【34-29-34-331】勝率7.9%/連対率14.7%/複勝率22.7%
7枠【26-34-48-384】勝率5.3%/連対率12.2%/複勝率22.0%
8枠【36-38-31-400】勝率7.1%/連対率14.7%/複勝率20.8%
枠別成績ではおおむね内~中枠有利の傾向。特に連対率の高い1、2枠のうち、先行馬は【29-31-20-114】で複勝率は40%オーバー。複勝回収率も115%とプラス域で、内枠から前々で運ぶ馬であれば人気薄でも勝負になる。
過去5年の金鯱賞では1、5枠に活躍馬が集中。1枠は【1-1-1-2】で複勝率60.0%、複勝回収率104%と好成績だ。開幕週でイン有利な馬場の恩恵は想像以上に大きいということだろう、馬券には必ず入れておきたい。三冠牝馬デアリングタクトを下した大穴馬ギベオンが該当する5枠は【2-0-1-6】で勝率22.2%、単勝回収率2540%。こちらも点数に余裕があれば押さえておきたい。
<中京芝2000m・過去5年の脚質別成績>
逃げ【49-30-33-160】勝率18.0%/連対率29.0%/複勝率41.2%
先行【111-112-99-553】勝率12.7%/連対率25.5%/複勝率36.8%
差し【73-87-86-883】勝率6.5%/連対率14.2%/複勝率21.8%
追込【22-29-37-819】勝率2.4%/連対率5.6%/複勝率9.7%
マクリ【5-2-5-19】勝率16.1%/連対率22.6%/複勝率38.7%
直線が長いコースのため、差しが決まりそうだが、むしろ逃げ、先行馬に利がある。前走4角3番手以内だった馬を全頭買っても単勝回収率は96%あり、逃げ、先行を軸として据えつつ、数頭の差し馬をヒモとして添えるのが馬券の基本線になる。また、サンプル数は少ないがマクリもまずまず決まる。
過去5年の金鯱賞に限定すると逃げが【2-1-1-1】複勝率80.0%と圧倒的。22年1番人気1着のジャックドール、23年3番人気2着のフェーングロッテンといった本命サイドから、21年10番人気1着のギベオンのような大穴馬まで様々なタイプの好走馬を輩出している。このコースの鍵を握るのは逃げ馬といっても過言ではないだろう。
川田将雅騎手が過去5年で重賞6勝と無双中!
<中京芝2000m・過去5年の種牡馬別成績>
ディープインパクト【39-35-32-164】勝率14.4%/連対率27.4%/複勝率39.3%
ハーツクライ【22-22-11-163】勝率10.1%/連対率20.2%/複勝率25.2%
ハービンジャー【21-13-16-133】勝率11.5%/連対率18.6%/複勝率27.3%
エピファネイア【15-15-11-100】勝率10.6%/連対率21.3%/複勝率29.1%
種牡馬別成績では勝利数の面でディープインパクトが抜けている。重賞でも【7-6-4-50】で単勝回収率397%と妙味十分だ。産駒の重賞好走馬には22年の中日新聞杯を制したキラーアビリティや23年の金鯱賞を制したプログノーシスがいる。
勝利数2位は17勝差でハーツクライ。過去5年の同コースで行われた重賞では、産駒のマテンロウレオが2回の好走を果たしている(22年きさらぎ賞2番人気1着、22年中日新聞杯4番人気2着)。特に2歳戦に強く【6-2-2-16】で複勝率は38.5%と高い。
3位はハービンジャー。サンプル数は少ないがOP・L競走に滅法強く【3-1-0-3】で単勝回収率241%、複勝回収率144%と妙味たっぷり。見かけたら馬券に入れておいて損はないだろう。ただ、重賞では【0-0-1-18】と、馬券に絡んだのは21年鳴尾記念3着のブラストワンピースただ1頭である。
4位はエピファネイア。産駒ではデアリングタクトが21年金鯱賞2着、ムジカが20年ローズSで14番人気2着に入っている。狙い目は2~3歳で【12-13-7-74】単勝回収率117%とベタ買いするだけでプラス域である。
今週の金鯱賞では、プログノーシスなどがディープインパクト産駒に該当する。ドゥレッツァなどが該当するドゥラメンテ産駒は【9-11-14-88】で複勝率27.9%、複勝回収率82%とまずまず。ヤマニンサルバムが該当するイスラボニータ産駒は【4-1-0-7】で単勝回収率192%とプラス域だ。ハヤヤッコなどが該当するキングカメハメハ産駒は【10-10-16-73】で複勝率33.0%と、複勝率3割の大台を超えており優秀だ。
<中京芝2000m・過去5年の騎手別成績>
川田将雅【34-18-14-35】勝率33.7%/連対率51.5%/複勝率65.3%
岩田望来【26-13-10-83】勝率19.7%/連対率29.5%/複勝率37.1%
松山弘平【19-17-14-80】勝率14.6%/連対率27.7%/複勝率38.5%
騎手別では川田将雅騎手が素晴らしい成績。平均2.0人気と高い支持率だが、それでも単勝回収率101%をマークしている。重賞に限定すると、昨年プログノーシスで制した金鯱賞を筆頭に、過去5年で【6-2-2-7】と6勝をあげている。回収率は単勝回収率111%、複勝回収率107%とさらに成績がアップする。人気馬に騎乗しても逆らわないのが吉だ。
勝利数2位は岩田望来騎手。重賞以外では【26-13-10-71】で勝率21.7%、単勝回収率181%と出色。ただ、重賞では【0-0-0-12】と一度も馬券に絡んでいない点には要注意だ。牝馬限定戦では【8-1-1-19】で勝率27.6%、単勝回収率233%とさらに数字が良くなる。平場では積極的に頼りにしていきたいジョッキーの1人だ。
3位は松山弘平騎手。20年の中日新聞杯をボッケリーニで制している。こちらも牝馬限定戦で数字を上げるタイプの騎手で【5-2-4-13】勝率20.8%、単勝回収率146%と黒字域をマーク。また2勝クラス以下【18-13-9-58】勝率18.4%、単勝回収率145%、3勝クラス以上【1-4-5-22】勝率3.1%、単勝回収率13%と、上級条件と下級条件で信頼度に大きな差がある。こちらも平場では頼りにしたい。
今週の金鯱賞では川田騎手がプログノーシスに騎乗予定。人気でも逆らいづらい。ドゥレッツァに騎乗予定のC.ルメール騎手は【9-7-4-20】複勝率50.0%と流石の安定感を発揮。ただ単勝回収率52%、複勝回収率77%と川田騎手ほどの妙味はない。ヤマニンサルバムに騎乗予定の三浦皇成騎手は【1-0-1-6】複勝率25.0%、ノッキングポイントに騎乗予定の戸崎圭太騎手は【1-0-0-7】複勝率12.5%、エアサージュに騎乗予定の池添謙一騎手は【1-8-9-27】で複勝率40.0%だ。
《ライタープロフィール》
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約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開。新入部員は随時募集中。
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