【シルクロードS】参考レース振り返り 過去10年で3勝の京阪杯組、安定感抜群のルガルを信頼

三木俊幸

2024年シルクロードステークス出走予定のルガル,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

高松宮記念の前哨戦

4年ぶりに京都競馬場を舞台に争われるシルクロードS(GⅢ・芝1200m)。2023年は同レースを勝利したナムラクレア、2着ファストフォースが着順こそ入れ替わったが、GⅠの高松宮記念でワンツーと結果を残した。今年は20頭が登録、主な参考レースを過去10年のデータとともに振り返る。


京阪杯【データ:A メンバーレベル:B】

過去10年の成績【3-2-0-16】勝率14.3%、連対率23.8%、複勝率23.8%

10年で最多タイの3勝をマークしている最も好相性のレースと言える。しかし2021年にシヴァージが勝利して以降、3着内への好走は出ていない。

レースはビッグシーザーとヴァトレニが並んでレースを引っ張り、前半600mを33.7で通過。17番枠からスタートし、7番手の外を追走していたトウシンマカオが上がり32.7の末脚で直線大外から突き抜けた。勝ちタイムは1:07.4だった。

1番人気のルガルは5番手を追走、直線は外に持ち出したがトウシンマカオの切れ味には及ばず0.3秒差の2着に終わった。京都コースではその他にも2走前にスワンSで0.2秒差の4着、同舞台の葵Sでも0.1秒差2着と安定感は抜群で、重賞制覇が期待される。

4着トゥラヴェスーラは道中勝ち馬の直後を追走し、自身も上がり32.9で追い込むも、3着にはハナ差及ばなかった。不良馬場となった5走前の高松宮記念では3着と好走、その後も馬券圏内には届かないが1200mでは堅実に走っている。9歳を迎えたが、時計のかかる馬場で展開がハマれば一発の可能性も秘めており、軽視はできない。


スプリンターズS【データ:A メンバーレベル:A】

過去10年の成績【3-1-0-13】勝率17.6%、連対率23.5%、複勝率23.5%

京阪杯組と同じく最多タイの3勝。2022年メイケイエール、2023年ナムラクレアと2年連続で優勝馬を送り出している勢いのあるローテーションだ。

レースではスタートを決めたジャスパークローネがすんなりハナを奪い、600mを33.3で通過した。ゴール前は道中3番手からレースを進めたママコチャと内から伸びたマッドクールの追い比べとなったが、ママコチャがハナ差先着し、GⅠ初制覇を達成した。

14着テイエムスパーダは逃げることができず、2番手から運んだ。逃げられないと脆いタイプでもあり、この結果は仕方ない。逃げるとしぶといだけに、自分のペースに持ち込めるかがカギとなる。


阪神C【データ:B メンバーレベル:B】

過去10年の成績【2-0-0-9】勝率18.2%、連対率18.2%、複勝率18.2%

11頭が阪神Cをステップに参戦しているが、近2年は出走なし。ここから勝てば、2016~2017年に連覇したダンスディレクター以来となる。

大外枠からスタートしたウイングレイテストが逃げ、2番手にピクシーナイトが掛かり気味に差をつめていく展開で、前半600m通過33.1とハイペースで流れた。道中3列目の外から運んだウインマーベルが直線でジリジリと伸び、グレナディアガーズとアグリの差し脚を封じて1:19.3で勝利した。

アグリは、道中中団のインを追走。直線は馬群を捌いて一旦先頭に立つ勢いだったが、最後はグレナディアガーズにハナ差競り負けて3着に終わった。今回のメンバーに入ると能力上位だがベストは1400m、加えて斤量58kgはトゥラヴェスーラと並んでトップ。ハンデ差がカギとなる。

淀短距離S【データ:C メンバーレベル:C】

過去10年の成績【1-4-3-29】勝率2.7%、連対率13.5%、複勝率21.6%

2015年にアンバルブライベンが勝利するなど、オープン特別時代は複勝率41.2%。しかし、リステッドとなった2019年以降は20頭が出走して3着内の好走は2019年3着のティーハーフのみとなっている。

レースは抜群のスタートを決めたカルネアサーダが後続に3馬身ほどリードしてペースを刻む。2番手からレースを進めた1番人気のビッグシーザーは4角で徐々にその差をつめていき、残り200mで先頭に立つとそのまま押し切り1:08.6で勝利した。

メイショウソラフネは勝ったビッグシーザーの1列後ろ、4番手からレースを進めた。直線でも伸びを見せたが、前半600m通過が33.9と楽なペースだったこともあり、最後は同じ脚色で前との差を詰めることができず1馬身半差の2着だった。相手は強くなるが今回はハンデ戦。前走同様にロスなく立ち回って上位争いに食い込みたい。

サトノラムセスは2番枠からスタートして、中団からロスなく立ち回るも0.7秒差の4着。逃げたカルネアサーダも同着という結果だった。自身の能力は発揮したが、重賞となると強調材料に欠ける。

7着ショウナンハクラクは、中団追走から外を回す競馬。上がり2位となる34.2で4着とは0.1秒差までつめた。2走前の京阪杯でも0.6秒差の8着と、ハンデ戦で差しが届く展開になれば着順を押し上げることができそう。淀短距離S組ではこの馬に注目する。

道中13番手から運んだカワキタレブリーは、直線で外へ持ち出そうとするも進路が狭くなる場面があって10着に終わった。不利があったにせよ、上位に割って入るには展開の助けが必要だろう。

ラピスラズリS【データ:C メンバーレベル:C】

過去10年の成績【0-0-1-10】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率9.1%

10年で11頭がラピスラズリSから参戦するも、3着内に入ったのは2015年3着セイコーライコウのみ。複勝率9.1%とデータでの相性は良くない。

11頭立てで行われたレースでオタルエバーは4、5番手を追走。前半600mの通過は33.9、4角で3番手までポジションを上げ、直線で外から差し切った。勝ちタイムは1:07.8。相手は強くなるが、2走前の北陸Sは重馬場、ラピスラズリSは開幕週の高速馬場と条件を問わず連勝していることからも、充実期にあると言っていい。


富士S【データ:なし メンバーレベル:A】

過去10年で出走なし

レースはダノンタッチダウンが12.0-10.8-11.2-11.2というペースを刻み前半800m通過は45.2と流れた。8番手のインで脚を溜めたナミュールが、直線で徐々に外へ持ちだすと馬群を割って突き抜け、後続に1.1/4馬身差をつけて1:31.4で勝利した。

重賞初挑戦で2番人気に推されたエターナルタイムは、4番手追走から直線では伸びる場面も見られたが、残り200mを切ったところから失速。0.8秒差の6着だった。1200m、右回りともに初めてと、未知の条件となるが、難なくクリアする可能性はある。ただし、力のいる馬場よりは瞬発力が求められる高速馬場への適性がより高いと考える。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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