【チャンピオンズC】レモンポップ、セラフィックコールは消し ハイブリッド式消去法
藤川祐輔
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5つのデータから絞れた馬は?
先週のジャパンCでは4頭が消去条件を免れ、その中からイクイノックス、リバティアイランドの2頭が好走した。だが3着に入ったスターズオンアースは消去対象としており、悔いが残る結果となった。
今週は12月3日に中京競馬場で行われるチャンピオンズC(GⅠ)を予想する。登録馬19頭のうち、ゼットリアン、プロミストウォリアが回避表明済み、パンサラッサはジャパンCがラストラン。さらにクリノドラゴンは先週末に出走したため回避と想定して、残りの15頭を対象に絞り込みを行う。中京競馬場で行われた過去9年(14~22年)のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。
『前走5着以下』×『4歳以下』 ★5.0%★
前走着順が1~4着だった馬は【8-7-6-61】(複勝率25.6%)と好成績で、馬券に絡んだ馬の多くがこの組に含まれている。一方、前走で5着以下だった馬は【1-2-3-53】(同10.2%)と苦戦気味だ。
この組を出走各馬の年齢別に分類すると、4歳以下は【1-0-0-19】(同5.0%)と全く振るっていなかった。唯一好走したのは17年に勝利したゴールドドリームだが、同馬は同年春のフェブラリーSの勝者だった。
今年はこのデータに3頭が該当。芝のGⅠを制したジオグリフ、ドゥラエレーデも含まれる。しかし、2頭ともゴールドドリームほどのダート実績を有しておらず、データを踏まえれば当レースでの巻き返しは難しいとみて軽視する。
【今年の該当馬】
・ウィルソンテソーロ
・ジオグリフ
・ドゥラエレーデ
『前走1600m』×『1800m以上重賞・3着以内実績無し』 ★0.0%★
※交流重賞含む
前走で1600mのレースを使っていた馬は【2-4-1-30】(複勝率18.9%)と上々の結果を収めていた。だが、この組を「1800m以上の重賞での3着内実績」の有無で分類すると、明暗が分かれる。
同実績を有していた馬は【2-4-1-17】(同29.2%)と好成績で、好走した馬は全てこちらに含まれる。一方、同実績がなかった馬は【0-0-0-13】(同0.0%)となっている。
このデータには今年のフェブラリーSを制したレモンポップが該当する。同馬はこれまでに2ターンコースの経験が一度もなく、今回は1800mの距離とコース形態の両面に不安がつきまとう。フェブラリーS、マイルCS南部杯のような高いパフォーマンスを発揮することは難しいとみて、消去対象に加える。
【今年の該当馬】
・ケイアイシェルビー
・レモンポップ
『前走・JRA競馬場』×『前走3角4番手以下』 ★6.2%★
当レースは前走で地方を走っていた馬の転戦が多く、成績も【8-5-3-37】(複勝率30.2%)と高水準だ。反対に前走でJRAのレースを使っていた馬は【1-4-6-73】(同13.1%)とやや不振。この組を前走3角4番手以下の馬に限定すると、【1-2-1-61】(同6.2%)とさらに落ち込む。
このデータには3頭が該当し、無敗の5連勝で重賞を制したセラフィックコールも含まれる。前走のみやこSは圧巻の走りであったが、一線級の馬が地方交流GⅠに流れた影響で相手関係に恵まれた面も否めない。GⅠ級のメンバーが揃った中で通用するかは未知数であり、上位人気必至の中では馬券的妙味も薄いと考え消去する。
【今年の該当馬】
・セラフィックコール
・ハギノアレグリアス
・メイクアリープ
『父ナスルーラ系』×『2番人気以下』 ★0.0%★
次は血統面から絞り込みを行う。父ナスルーラ系の馬は【1-1-0-17】(複勝率10.5%)と振るっておらず、連対した2頭はいずれも1番人気に支持されていた。2番人気以下に限ると【0-0-0-16】(同0.0%)で、全ての馬が馬券圏外に沈んでいた。
このデータには新たにテーオーケインズ、メイショウハリオが該当。2頭ともにGⅠ級競走を複数勝利している実績馬だが、前走で敗れている。派手な勝ち方をしたレモンポップやセラフィックコールよりは支持されないと想定して、消去リスト行きとする。
【今年の該当馬】
・テーオーケインズ
・メイショウハリオ
・(メイクアリープ)
『前走馬体重480kg以下』×『4~8枠』 ★6.3%★
最後は馬体重と枠順に関するデータから絞り込みを行う。前走馬体重が480kg以下だった馬は【3-1-2-26】(複勝率18.8%)と悪くないが、これを4~8枠に入った馬に限定すると【1-0-0-15】(同6.3%)と厳しい。一方で1~3枠の馬は【2-1-2-11】(同31.3%)と好成績を収めており、小柄な馬は内枠からロスなく立ち回ることが、好走に繋がっていると判断できる。
ここまでに5頭が消去を免れているが、この中で前走馬体重が480kg以下だったのはアーテルアストレア、アイコンテーラーの牝馬2頭だ。思い返せば過去9年で唯一牝馬で制しているサンビスタ(15年)も、2枠4番の内枠からインでじっくりと脚を溜めるレース運びであった。
牡馬に比べて馬格やパワーで劣る牝馬が好走を果たすには、内枠の利が是が非でもほしいところ。馬券における取捨選択を考える上でも、2頭の牝馬の枠順は特に注視したい。
【今年の該当候補馬】
・アーテルアストレア
・アイコンテーラー
・(ケイアイシェルビー)
・(メイクアリープ)
全ての条件を終えて、凡走データに該当しない馬はクラウンプライド、グロリアムンディ、ノットゥルノの3頭だ。
特に注目したいのはクラウンプライドだ。GⅠ級競走で3度2着に好走しており、ダート路線でトップクラスの実力を証明し続けてきた。前走のコリアCでは2着のグロリアムンディに10馬身差をつける圧勝劇で、4歳秋を迎えてさらに力をつけてきた印象だ。昨年はクビ差2着に敗れたが、本格化を果たした今年は悲願のGⅠタイトルにも手が届くはずだ。
《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、より「予想」にフォーカスした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。
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