【チャンピオンズC】内有利のイス取りゲームを制するのは? 穴は中京3勝のオーヴェルニュに注目

坂上明大

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スローペースからの高速持続力勝負

ジャパンカップダートがチャンピオンズカップと名称を変え、舞台も中京ダ1800mへ移って早8年目。中央G1とあって例年メンバーレベルは相当高いが、内有利が顕著なイス取りゲーム的側面も外せない視点となっている。今年、有利なポジションを取るのはどの馬か。

【JBCクラシック】
金沢ダ2100mで行われた今年のJBCクラシック。レースはダノンファラオがハナを主張し、取り切ってからは前半1100m72.8の超スローペース。向正面に向いてから一気にペースが上がり、後半1000m60.3の高速持続力勝負となった。

3着馬チュウワウィザードは1枠1番から好位のインにつけ、3角手前までジッと我慢。相変わらずコーナーでの加速は悪かったが、直線に向いてからテーオーケインズを交わして3着に上がった。骨折明けを考慮すれば上々の内容だっただろう。

4着馬テーオーケインズはまともに出遅れて、道中は終始力み気味の追走でもあった。体形的に重たい砂の2100m戦は少々長い印象もあり、中央の1800m戦なら大幅にパフォーマンスを上げてくるとみる。

5着馬ケイティブレイブは直線で挟まれて失速する不利。ただ、手応えで劣勢だったがゆえの事象だけに、スムーズでも着順の入れ替わりまでは望めないか。

6着馬カジノフォンテンは1600mのかしわ記念で中央勢を抑え込んだ馬。中京ダ1800mへの条件替わりはプラス材料だろう。

7着馬ダノンファラオはマイペースで逃げられたが、後続の追撃に抵抗できず3角手前で失速。今回も展開のカギを握る一頭であるが、古馬混合G1のハードルはなかなか高い。

底を見せずの重賞初勝利

みやこSの展開/馬場バイアス,イメージ画像,ⒸSPAIA


【みやこS】
アナザートゥルースの逃げで前後半3F37.5-36.5-36.8だが、直線追い方向の強風により後方勢も十分に届く展開。稍後有利と評価。

1着馬メイショウハリオは4角でオーヴェルニュに寄られながらもゴールまで伸び切っての勝利。自身の上がり3Fは12.1-12.0-12.0程度であり、底を見せない形での重賞初勝利となった。馬群を割ってこられる器用さは中京ダ1800mでも大きな強みとなるだろう。

3着馬アナザートゥルースは展開に反した競馬だが、自身もマイペースの逃げが叶った形。過大評価は禁物だ。

12着馬オーヴェルニュは久々でやや余裕残しの仕上がり。レースでは馬群で包まれる形にもなり、スマートファルコン産駒には少々酷な競馬となった。スムーズなら巻き返し濃厚だろう。

負けて強しの2着

【武蔵野S】
内枠からリアンヴェリテがムチを入れてハナを主張。前後半3F34.4-36.5の前傾2.1秒で後有利と評価する。

2着馬エアスピネルは先頭集団の直後につけたが、直線は馬群を捌くのに苦労。ラスト1Fはメンバー中最速であり、1着馬ソリストサンダーとの力差は感じない。器用なタイプで中京替わりも問題なく、久々の1800mも十分に対応できるだろう。

JBCクラシック組が中心

桜花賞馬ソダシの参戦に注目が集まるが、中心はJBCクラシック組のテーオーケインズとチュウワウィザード。前者は前走の敗因が明白で、後者も骨折明けを叩いての上積みが見込める。穴で注目はオーヴェルニュ。3戦3勝の中京で巻き返しに期待したい。

注目馬:テーオーケインズ、チュウワウィザード、オーヴェルニュ

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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