【注目2歳馬】個性派オウケンブルースリ産駒がレコード勝ち! ジャズブルースのレース評価は?
三木俊幸
ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)
13年ぶりに2歳コースレコード更新
先週末に開幕した3回新潟競馬。その開幕週は合計4レースの新馬戦が行われたが、1番人気馬の勝利はなし。注目馬が揃っていただけに意外な決着が多かった。
その一方で芝の2歳未勝利戦では2レースでレコードが更新された。その中から今回は7月24日(土)の新潟1R、芝1400m戦を勝利したジャズブルース(栗東・吉村圭司厩舎)をピックアップする。
父は現2歳世代がJRAではわずか3頭しか競走馬登録されていないオウケンブルースリ、母はジュピターズジャズという個性派血統。生産は平取・坂東牧場ながらシルクホースクラブで総額1,500万円(1口3万円)で募集された。
デビューは世代最初のレースとなった6月5日(土)中京5Rの芝1600m戦。2番手からレースを進めるも勝ち馬から0.5秒離された5着に終わっていた。迎えた2戦目は鞍上に福永祐一騎手を迎え、1ハロンの距離短縮。
13番枠から好スタートを切り、上手く前に馬を置く形で4番手を追走。直線ではスムーズに外に持ち出すと早め先頭に立っていたゴーウィズフェイスをゴール前で捉えるという味のあるレースぶり。1:20.8という勝ちタイムは13年ぶりの2歳コースレコード更新となった。
前半3ハロンのレースラップは12.4-10.3-11.2(33.9)。同日に行われた豊栄特別(2勝クラス)の12.5-10.7-11.3(34.5)を上回るペースだったが、後半も11.6-11.6-11.6-12.1とバタッと止まることはなく、勝ち時計が豊栄特別と0.4秒しか変わらなかった点も高く評価していい。
現時点では瞬発力があるタイプではなく、スピードの持続力を活かすレースが合っていそう。父とは違って距離適性はマイルまでという印象だが、種付け頭数が少ない中からレコード勝ちの馬を輩出するのはすごいこと。高額馬が全てではないという競馬の魅力を改めて感じさせてくれる。決して早熟というタイプではないので、長く活躍して父の代表産駒となってほしい。
キタサンブラックの“長男”登場
今週末の注目新馬として取り上げたいのは、8月1日(日)の函館5Rに行われる芝2000mの新馬戦に出走予定のジャスティンスカイ(栗東・友道康夫厩舎)。2019年1月19日に最初に誕生したキタサンブラック産駒ということでも注目された馬だ。
父と同様に馬格があるタイプだが、調教映像を見るとそこまで重苦しさや反応の鈍さは感じない。ただ跳びが大きく2000mデビューとなった点は頷ける。ルメール騎手とのコンビでどのようなレースを見せるのか要注目だ。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。
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