【注目2歳馬】コマンドラインが“出世レース”で3馬身差の快勝 強さと同時に見えた課題とは?
三木俊幸
ⒸSPAIA
ゴーサインが出てからモタモタ
6月に入り、夏競馬に突入するとともに2歳戦もスタート。2022年のダービーに向けた戦いの火蓋が切って落とされた。今週からは新たな企画として、週末に行われた新馬戦を勝利した注目馬を振り返っていく。
今回、注目馬として取り上げるのは6月5日(土)の東京5Rに行われた芝1600m戦を勝利したコマンドライン。父ディープインパクト、母コンドコマンドはダート7FのGⅠスピナウェイSを勝利している良血馬で、兄のアルジャンナは東京スポーツ杯2歳Sでコントレイルの2着という成績を残している。
育成時からその素質を高く評価され、POG関連の雑誌等でも取り上げられるなど注目度が高かったこと、新馬戦の開幕週に行われる東京芝1600m戦はグランアレグリアやサリオスなど活躍馬が多数出ている出世レースであったことから、東京競馬場のパドックにはその姿を一目見たいとGⅠレース並みの観客が訪れていた。
単勝1.1倍と断然の人気に推された中で好位の3番手からレースを進めたコマンドライン。逃げていたコンクパールをラスト1Fで捉えてから、最終的には3馬身差をつけて素質の片鱗を見せ付けた。しかし同時に期待が大きすぎただけに、ゴーサインが出てからモタモタしてすぐに反応できなかった点、勝ちタイムと上がりともに平凡だった点において、先述の2頭と比較すると物足りなさは否めなかった。
課題も見つかったが、裏を返せば2000m以上への適性が高いことの表れでもある。一度レースを経験したことによって次走どれだけ変わってくるのか、そのパフォーマンスに注目したい。
土曜日の中京芝1600mは素質馬揃い
併せて、今週末に行われる新馬戦の中で注目している馬についても触れておきたい。まずは土曜日の中京5Rに行われる芝1600m戦に出走を予定している中内田充正厩舎のダイワメジャー産駒、セリフォス。栗東のCWコースで好時計を出しており、映像からはなかなか切れる脚が使えそうな印象を受ける。
同じレースに出走予定、須貝尚介厩舎のドゥラメンテ産駒、ベルクレスタもバネが素晴らしく飛んでいるような走りをする一頭。姉は2017年のヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリード。姉を超える活躍が期待される。
そして日曜日の札幌5Rに出走予定のグットディールにも注目。こちらも須貝厩舎で父は新種牡馬のビッグアーサー。5月6日には栗東の坂路で49.9という破格の時計をマーク。能力面と仕上がりの早さで2歳重賞を狙える逸材だと見ている。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。
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