【阪急杯】レシステンシアがレコードV 今後とるべきオススメの道とは

勝木淳

阪急杯2021レース結果インフォグラフィック

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進化したレシステンシアが向かうべきは

高松宮記念の前哨戦である阪急杯は、前走マイルCSではじめて馬券圏外に敗れた1番人気レシステンシアが、2着10番人気ミッキーブリランテに2馬身差をつけ快勝。勝ち時計1分19秒2は、従来のメモリーコロネットの記録を0.1上回るコースレコードだった。

レシステンシアは阪神JFで逃げてレコードタイムを樹立、調教でも栗東坂路で最後の200m11秒台を記録するなど、あふれんばかりの速力が武器。だが、昨春チューリップ賞では、先を意識して最初からスピード全開にさせず抑制しようと試み、ややリズムを崩した。それでも桜花賞、NHKマイルC2着と能力を示した。そのNHKマイルCで骨折が判明、秋の復帰戦マイルCSは8着。年が明け、古馬になったレシステンシアは見事に進化した。

1200mでも先行するロードアクアが内枠から一旦先頭に立つも、レシステンシアは自ら速力を加減するような自然な走りでそれを制し、3コーナー手前でハナを奪った。最初の600mは12.2-10.6-11.2で34.0。阪神JFは同区間33.7、チューリップ賞が35.1なので、その中間よりやや速いぐらいのラップは、レシステンシアの目指すところだろう。ロードアクアを交わす際もムキになるところもなく、落ち着いていた。この形なら発馬からスピード全開にせず、ほかにハナを奪われても途中から速力の違いで動いていけるだろう。

ハナに立ってから11.4-11.2とコーナーでじわりと加速、余裕十分で直線に向いてから追いだすと、並びにきたジャンダルムを突き放した。この区間のラップは10.8。これでは後続はもはや物理的に並ぶことができない。後半600mは全体の2位タイ33.8。ハナにいながら最後にいい脚を使える、これは強いダイワメジャー産駒の特徴でもある。

阪急杯を勝ったことで、レシステンシアは今後どこへ向かうだろうか。高松宮記念の前哨戦なので、1200m戦出走の可能性もあるが、前半の抑制が利いた走りをみる限り、距離短縮は方向性としてどうだろうか。

高松宮記念の前哨戦としての可能性とは

そもそも阪急杯勝ち馬は高松宮記念と相性が悪い。かつては連続好走が見られたが、16年2番人気2着ミッキーアイル以来、途絶えている。阪急杯組は凡走馬が1200mで息を吹きかえすパターンが多い。

今回のレシステンシアは残り400~200m10.8のあと最後の200m11.8を記録。止まる気配はなく、昨春の戦歴通り、マイル戦も問題ない。前半の走りからもマイルこそ上半期の大目標にすべきではなかろうか。

阪急杯組から高松宮記念で狙うのは敗退した馬。2着ミッキーブリランテは阪神がベスト、3着ジャンダルムは直近3戦連続出走の1400mに適性がありそう。4着インディチャンプは最後の伸びをみる限り、1400mは合わない印象でベストはマイル。5着ダノンファンタジーはスタート後手がいたく、最後はいい脚を使ったように1400m向き。6着メイショウチタン以下で高松宮記念への展望が開けそうな馬は見当たらず、今年の高松宮記念は阪急杯組以外に狙いを定めるべきだろう。

しかし、マイル路線や1400m戦となれば話は変わる。好記録を自力で記録したレシステンシアや距離延長で巻き返すインディチャンプ、ダノンファンタジーはもちろん、GⅠは厳しいものの、マイル重賞であればミッキーブリランテも十分狙える。1400m戦であればオープン通用の手ごたえをつかんだメイショウチタンや、最後までしぶとく伸びたザイツィンガーも狙って妙味がありそうだ。

阪急杯レース結果インフォグラフィックⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

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