【フェブラリーS】今年の上位3頭は侮れない 前後半ラップ差で探る根岸ステークス組の狙い馬
高槻とおる
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根岸ステークス組を狙うなら3着以内の好走馬
2月21日、東京競馬場では今年最初のGIレース、フェブラリーステークスが行われる。まずは、本番に向けてどのレースをステップに選んだ馬が活躍しているのか、過去10年の主な前走レースの成績をみてみよう。
この3つの重賞からの出走馬が過去10年で計13頭、実に10年中8年で連対しており、前哨戦としてはやはり注目が必要。特に根岸ステークスは出走馬の多さから連対率としては低いものの、本番と同じ東京ということもあり、例年、好走馬の取捨に悩むレースといえるだろう。
フェブラリーステークスで3着以内に好走した前走根岸ステークス出走馬は8頭いるが、このうち前走根岸ステークスでの成績は【5.2.1.0】。4着以下馬の馬券圏内への好走はなく、根岸ステークス組の狙いが好走馬というのは一目瞭然だ。
とはいっても、根岸ステークス3着以内馬全体で見ると、過去10年のフェブラリーステークス成績は【4.2.2.16】。勝率16.7%、連対率25.0%は悪くない成績だが、セイクリムズン、ダノンカモン、ワイドバッハ、サンライズノヴァ、コパノキッキングなど、上位人気で馬券圏内に入れなかった馬たちも多く、もう少し狙いを絞り込める判断材料がほしい。
根岸ステークスとフェブラリーステークスのラップを比較する
根岸ステークスとフェブラリーステークス。同時期の東京ダートを舞台にした2つの重賞だが、レースラップを比較することで、傾向の違いを探ってみよう。
根岸ステークスの前半3Fは条件クラスより0秒5程度速く、その後は平均して12秒0前後のラップが続くことが特徴。上がりも速く、先行馬に有利な流れというのが分かる。対してフェブラリーステークスは、前半3Fで条件クラスよりも1秒程度速く、その分、上がりを要する展開になることが多い。
当然、両レースともに年によってレースの流れに違いがあり、根岸ステークスにしても、常に先行馬に有利な流れになるわけではない。ただ、フェブラリーステークスの厳しいラップ、上がりのかかる展開を考えると、同年の根岸ステークスのラップは有力馬の取捨選択の判断材料になると考えた。手間のかかる比較ではなく、前後半のラップ差で、フェブラリーステークス好走馬の特徴をあぶり出してみよう。
前傾ラップの今年は根岸ステークス組に要警戒!
下の表は根岸ステークスの前3Fと後3Fのラップを比較したもの。16~19年の4年間が前傾ラップ、それ以外の6年は平均から遅めの先行馬有利の流れといえるだろう。
比較的流れが緩やかだった11~15年と20年の6年で、フェブラリーステークスで3着以内に好走したのは12年1着のテスタマッタ、2着シルクフォーチュン、20年1着モズアスコットの3頭。この3頭の根岸ステークスの4角位置取りは10、14、8番手で、上がりはメンバーで2位、1位、3位。
その年の根岸ステークスが前有利の流れになったときは、先行して好成績を残した馬は疑ってかかった方がいい。本番で上位人気になるなら、軽視して妙味の存在といえる。狙えるのは、速い上がりをものともせず、鋭い決め手を使って好走した馬。距離延長が問題ないタイプなら、本番でも先行勢の脚色が鈍ったところで伸びて来る可能性が高いだろう。
前傾ラップの16~19年の4年間では、16年1着モーニン、17年2着ベストウォーリア、3着カフジテイク、18年1着ノンコノユメ、19年3着ユラノトの5頭が馬券圏内に好走。レースが前傾ラップの厳しい流れになった年は、根岸ステークス好走馬を特に警戒する必要がある。5頭の根岸ステークスでの4角位置取りは、3、6、15、11、4番手。厳しい流れを経験しているだけに、先行タイプでも簡単に軽視できないことを覚えておいてほしい。
気になる今年の根岸ステークスのラップは、前3F34.4、後3F36.0でラップ差は-1.6の前傾ラップ。4角10番手のレッドルゼル、16番手のワンダーリーデルが1、2着したように先行勢には厳しい流れだった。こうした流れの中で好走した馬たちは本番のフェブラリーステークスでも当然、要注目といえるだろう。今年のフェブラリーステークスでは、根岸ステークス上位組から目が離せない。
ライタープロフィール
高槻とおる
グリーンチャンネルで結果分析、レース分析番組の構成作家を担当していた。現在は経営者取材などライターとして幅広く活躍中。ラップを長年研究しているが、実は馬券はパドック派。
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