困った時は田辺騎手 東大HCが中山ダート1800mの攻略法を徹底解説
東大ホースメンクラブ
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
枠順、脚質の傾向は…
先週から秋の中山開催がスタート。重賞が施行される芝の競走にばかり目が行きがちだが、組まれているレースの約半数はダート戦である。馬券で好結果を出すにはダート戦の攻略を避けては通れない。しかも、様々な距離設定が存在する芝のレースと違って、中山のダート戦はほとんどが1200mか1800m。つまり、2通りの傾向を知るだけで勝利にグッと近づくのだ。
以上から「ダートを制する者が中山を制す」と言っても過言ではない。今回は日曜メインのラジオ日本賞が行われるダート1800mに注目して、その攻略法を徹底解説したいと思う。(データは4回開催の開幕時。)
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紫苑Sの予想記事で中山芝2000mが外枠有利というデータを示した。
《紫苑Sの予想》
【紫苑S】“先物買い”で好配当を狙う 大外枠も好材料!東大HCの本命は配当妙味があるこの馬
中山ダ1800mは雑な言い方をすれば中山芝2000mのそのまま内側を走るコースなので、同様に外枠有利の傾向がある。ただし、人気薄がよく走るのは2枠で単回収率も187%と非常に高い。
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脚質別成績はどのコースで調べても基本的に前有利の傾向が出る。そこで、下部に他場を含めたダート1800m戦の平均値を示したので、これを基準に見てほしい。
中山ダ1800mのどの脚質を見ても平均値と大きな差はないことが分かるだろう。強いて言えば、追い込みが平均より多少悪い程度。ダート戦なので当然先行力のある馬を重視すべきだが、中山が他場よりも前有利と考えるのは誤りだ。
シニスターミニスター産駒に注目
続いて種牡馬別成績から見ていく。
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出走30回をラインとして勝率上位5頭は表の通り。勝率1位のシニスターミニスターは回収率も単複とも100%超え。キングカメハメハやサマーバードも回収率が高く、これらの産駒が狙い目になる。ディープインパクトは勝率5位に入ったが、回収率は低い。能力でこなす産駒は出ても、適性面で強調はできない。
中山ダ1800mへの出走回数が多くて成績の悪い種牡馬にはルーラーシップやロージズインメイがいる。これ以外ではステイゴールドおよびその後継(オルフェーヴル、ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ)は軒並み勝率が低い。これらの種牡馬の産駒が人気になっていたら疑ってかかりたい。
困ったら田辺騎手、高木厩舎
最後に騎手や調教師といった“人”の要素に注目する。
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上記は回収率のいい騎手をピックアップしたものだが、ルメール騎手のように勝率が高いが、人気馬中心ということもあって回収率が平凡な騎手は魅力がない。
勝率と馬券的な妙味のバランスがとれているのは田辺騎手で、「困ったら田辺騎手」という考えで問題ない。一発の魅力という意味では石川騎手や丸山騎手も推奨できる。
厩舎では、サウンドトゥルー、ホワイトフーガの活躍ですっかりダート戦に強いイメージがついた高木登厩舎の管理馬は中山ダ1800mでも好調。特に今年は3回開催までで27戦10勝、連対率56%という驚異の成績を残していて、マーク必須といえそうだ。
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《ライタープロフィール》
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約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。
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