最高配当額は56,940円 「単勝高額払い戻し」「本命党向き競馬場」ランキング

高橋楓

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最高配当額は「56,940円」高額払戻金ランキング!

「本当にきちゃったよ…」震える私の手には、とある単勝馬券が握られていた。2012年4月29日、天皇賞(春)ビートブラック。単勝15,960円。前年の三冠馬オルフェーヴルが断然の人気となる中で、影をも踏ませぬ逃走劇。大好きだったミスキャストの産駒がGⅠに挑戦する事への応援馬券だったのだが、思わぬ高配当を提供してくれた。

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第1位は2014年4月26日、福島競馬場の芝1200m戦で行われた4歳以上500万円以下で記録された「56,940円」である。地方帰りのリバティーホールが衝撃の特大万馬券を提供した。中央で3戦したのち、地方へ転出し2勝を挙げ中央再転入。前走では地方交流戦に出走し後方を追走し大敗。半年の休み明け、芝変わり、ブリンカー着用、全ては結果論だがここまでの大穴を的中させるためには、その様な「変わり身」を見抜けなければならないようだ。

第2位以下だが私が産まれる前のレースで、資料しか残っていないため順位のみおさらいしておきたい。

・第2位 「55,870円」タチバナヒメ(1955年・阪神芝2000m・アラブ系4歳以上オープン)
・第3位 「52,280円」タイコウオー(1961年・京都芝1400m・アラブ系3歳特別競走)
・第4位 「49,410円」シルバーシカイナミ(1980年・京都芝1400m・3歳未勝利戦)
・第5位 「47,680円」ヒノオ(1957年・阪神芝1800m・繋駕速歩(赤旗)4歳以上)

アラブ系や、馬の後ろに二輪馬車をつけ走らせる繋駕速歩(けいがそくほ)競走などランクインしているのが特徴的だ。

重賞における最高配当額はサンドピアリスの「43,060円」

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次に1984年のグレード制導入後の重賞高配当ランキングを見ていきたい。第1位は1989年11月12日、GⅠエリザベス女王杯でサンドピアリスが記録した「43,060円」である。その年に、今でいうダートの2勝クラスで1度も掲示板に載れていない条件馬が果敢にも挑戦したわけで、最低人気という事も無理もない話だ。なお馬主のヒダカ・ブリーダーズ・ユニオンは一口馬主クラブであり、初年度募集馬からGⅠ馬をいきなり誕生させる形となった。

第2位は1998年3月29日、GⅡ日経賞でテンジンショウグンが記録した「35,570円」である。前走まで障害レースを走っていて、当時の馬齢で9歳と高齢馬。同じく障害6連勝中のアワパラゴンもいた事でますます影が薄くなり、単勝支持率はわずか0.2%の最低人気。終わってみれば大激走で勝利するわけだが、単勝もさることながら馬連も21万馬券。3連系馬券がない当時としては、とんでもないざわめきだった事を記憶している。

第3位は2020年2月22日、GⅢダイヤモンドSでミライヘノツバサが記録した「32,550円」である。グリーングラスや祖母タムロチェリーなどGⅠ馬を輩出している諏訪牧場出身の青森県産馬。飛躍を期待された4歳時に1年6か月もの休養を余儀なくされる屈腱炎を発症し、常に引退と隣り合わせだった本馬だったが、このマラソンレースで輝きを取り戻した。

第4位は2014年2月23日、GⅠフェブラリーSでコパノリッキーが記録した「27,210円」である。のちにGⅠ・JpnⅠを日本競馬史上最多の11勝記録するのだが、この段階では主な勝ち鞍が兵庫チャンピオンシップの1勝のみで近2走が古馬の壁に跳ね返される大敗で、抽選を潜り抜けて出走にこぎつけた身だった。16頭中16番人気も致し方ない状況だった。このレースを境に一気に飛躍し、翌年は1番人気で連覇を果たしている。

第5位は2000年10月1日、GⅠスプリンターズSでダイタクヤマトが記録した「25,750円」である。出走馬16頭中7頭がGⅠ馬という豪華メンバー。同年の高松宮記念で11着、主な戦績が函館スプリントS2着では最低人気も仕方がなかったが、レースではスルスル抜け出し快勝。こう振り返ると2位のテンジンショウグンと5位のダイタクヤマトの鞍上には江田照男騎手がいるわけだから「穴と言ったら江田照男」というイメージがついて当然なのかも知れない。

本命党向き競馬場&条件ランキング!

単勝 競馬場別 平均配当ランキングⒸSPAIA


ここまでは高配当ランキングを紹介したが、次に2010年1月1日から2020年12月31日までの間で100レース以上行われた条件で本命党向きのデータを調べてみる。何をもって本命党にするかだが、ここでは単勝オッズが10倍未満の発生率が80.0%以上で定義する。

・第1位 函館競馬場(芝2000m)発生率81.7% 平均配当1,061円
・第2位 札幌競馬場(芝1500m)発生率81.3% 平均配当834円
・第3位 中山競馬場(芝2000m)発生率80.4% 平均配当890円
・第4位 京都競馬場(芝1800m)発生率80.3% 平均配当903円
・第5位 東京競馬場(芝2000m)発生率80.3% 平均配当794円
・第6位 中山競馬場(芝2500m)発生率80.2% 平均配当1,021円
・第7位 東京競馬場(芝2400m)発生率80.2% 平均配当814円

以上の7つの条件がランクイン。特に注目したいのは東京競馬場。1番人気の勝率が芝2000mの場合36.4%で平均配当794円、芝2400mの場合36.0%で平均配当814円と単勝オッズが低いガチガチの本命馬が崩れにくい傾向にある事が分かる。

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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