【中山記念】上位人気馬に死角アリ 伏兵の激走も?当日まで覚えておきたいデータとは
勝木淳
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上位人気がそれなりに走るレースだが
過去2年はGⅠ馬が5頭出走と上半期の始動戦として定番になりつつあった中山記念。その一方で昨年の勝ち馬ダノンキングリーのような1800mのスペシャリストが適性でしのぐ場合も多く、リピーターレースでもある。
近年では昨年引退したウインブライトが18、19年連覇。ほかにも05、06年バランスオブゲーム、08、09年カンパニーなど連覇が多い。ところが今年は様相がどうも異なる。昨年覇者ダノンキングリーは出走せず、想定にGⅠ馬の名前がない。そういった今年特有の事情を加味しながら、過去10年の傾向をもとに分析する。
始動戦とはいえ、出走すればGⅠ馬は上位人気におされるものだが、1番人気は【3-0-0-7】勝率30%で微妙。勝利した3頭のうち2頭は11年ヴィクトワールピサ(前走有馬記念1着)、16年ドゥラメンテ(前走日本ダービー1着)、直前でGⅠを勝った馬。例外は20年ダノンキングリーだが、同馬はそれまでに1800mの重賞を2勝していた。今年は信頼できるかどうか。
それでも勝ち馬は5番人気以内。頭数が少ない年も多いが、9番人気以下は3着以内ゼロ。大波乱は少ない。今年はこの傾向が当てはまるだろうか。
年齢では4歳【5-3-5-15】、5歳【4-3-1-20】と1着馬の大半はこの2世代が占める。6歳【1-3-2-22】など高齢馬も連下には加えたい。今年の想定では4歳はバビット、ビターエンダー、パンサラッサの3頭、5歳は上位人気が予想されるヒシイグアス、クラージュゲリエ、ケイデンスコールなどがいる。
前走GⅠ組のバビットは好走できるか
さて次は具体的な戦歴パターンから中山記念で好走しそうな馬を探っていく。
GⅠ馬が多数出走するレースだけに前走GⅠ【6-5-3-24】は納得だろう。今年は有馬記念1.8差13着のバビットが該当。
前走GⅠ組の前走レース別成績をみると、有馬記念は【2-1-0-5】勝率25%、複勝率37.5%なのでバビットは有力候補になりそうだ。
バビットが中山記念好走パターンに当てはまるかどうか、前走着差別成績でみる。有馬記念で1.0~1.9負けた馬は【1-1-0-1】。その内訳は13年1、2着のナカヤマナイト、ダイワファルコン、18年4着サクラアンプルール。1.8差だったバビットはこれに合致。このゾーンのみが好走しており、注目したい。
ヒシイグアスを信頼できるか
有力ステップの前走GⅠ組はバビットのみ。今年は別角度から分析しなければいけない。前走GⅡは【0-0-4-16】で3着が多いものの1、2着がない。そこで前走GⅢ【3-3-2-23】を検討する。
GⅢ組の主要ステップはケイデンスコールが該当する京都金杯【0-1-1-3】も気になるところだが、中山金杯【3-0-0-9】だろう。想定にはヒシイグアス、ウインイクシード(大阪城Sと両にらみ)がいる。
前走中山金杯組は有馬記念とは一転してシビア。0.1差以上で負けた馬は【0-0-0-6】。ウインイクシードは中山金杯0.3差3着なので、厳しい。中山金杯組は勝利が好走条件。ヒシイグアスは中山金杯0.0差1着。過去10年でタイム差なしで勝利した馬は【1-0-0-0】(12年フェデラリスト)。だが、これもたった1頭のデータで頼りない。
バビットやケイデンスコール、ヒシイグアス、加えて前走GⅡ出走のクラージュゲリエなども含め、データから全幅の信頼を置ける馬はおらず、伏兵の激走まで視野に入れた方がよさそうだ。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。
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