【エンプレス杯】1番人気グランブリッジが重賞連勝 ラストラン・サルサディオーネは果敢に逃げるも5着
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
スタートで出遅れも2馬身半差の快勝
川崎競馬場を舞台に争われた牝馬限定のダートグレード競走、エンプレス杯(JpnⅡ・ダート2100m)は川田将雅騎手騎乗で単勝1.6倍の1番人気に支持されたグランブリッジが勝利。前走のTCK女王盃に続いて重賞連勝を飾った。
好スタートから先頭に立ったのはサルサディオーネ。途中から捲っていくスタイルのテリオスベルが1周目の直線に向いたところで先頭に並びかけるも、いつものようにハナを奪いきることはできず、隊列が決まる。
グランブリッジはスタートで出遅れ7番手からレースを進める。勝負所で徐々に進出を開始すると、2周目の4角4番手から直線では大外へと持ち出し一気に先頭へと躍り出て、後続に2馬身半差をつける完勝。勝ちタイムは2:18.7(良)だった。
2着ヴァレーデラルナは勝ち馬より1kg重い57kgとやや厳しい条件に加え、初の小回り・川崎コース、また初距離となる2100mへの対応力にも差があり完敗という結果だった。しかしゴール前で3着となったテリオスベルを差し切ったのはさすがGⅠ級の優勝馬。それでもここ2戦のグランブリッジの強さは、ダート牝馬路線の主役として頭一つ抜け出したとみていいだろう。
最後まで自慢のスピードを披露
5着の9歳牝馬サルサディオーネは、このレースがラストラン。JRAで4勝をあげ2020年に大井・堀千亜樹厩舎へ移籍すると、マリーンCとクイーン賞を優勝。2021年には日本テレビ盃、2022年にはさきたま杯とJRA勢の牡馬相手にも勝利するなど、年齢を重ねてその強さはさらに際立った。このレースでも最後まで自慢のスピードを披露した。彼女らしい素晴らしい走りは多くのファンの記憶に深く刻まれたはずだ。
レース後、ゆっくりと検量前へと向かう途中で担当厩務員が迎えにやってきた。その目にはこみ上げるものがあったようにも見られ、55戦中24戦でコンビを組んだ矢野貴之騎手が、幾度となくサルサディオーネを労いながら帰ってきたシーンは胸が熱くなった。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
《関連記事》
・【弥生賞】皐月賞とは異なる適性が求められる 小回り、瞬発力勝負に強いLyphardの血
・【チューリップ賞】「前走阪神JF組」が9勝 本命はドゥーラで決まり!
・【オーシャンS】実績首位ナランフレグは差し損ね注意 中山巧者ジュビリーヘッドが初タイトルだ