【名古屋大賞典】「最後の重賞」にふさわしい大接戦 クリンチャーが連覇達成
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
着差以上に地力の高さを証明
"土古競馬場"という愛称でも親しまれてきた名古屋競馬場は、今開催をもって弥富へと移転。73年間の歴史に幕を閉じることとなる。その最後重賞として行われた名古屋大賞典(JpnⅢ・ダート1900m)は、クリンチャーが勝利した。
レースの主導権を握ったのは兵庫から参戦のジンギ。2番手にアナザートゥルースという展開で1周目のスタンド前を通過。スタートであまりダッシュがつかなかったクリンチャーは、5番手の外目からレースを進める。
2周目の3角で前2頭を交わして早めに進出していったケイアイパープルが直線に向いてもそのまま押し切るかという流れだったが、そこへ外から一完歩ずつその差を詰めてきたクリンチャー。
ゴール前はこの2頭による大接戦となったが、最後の最後でクリンチャーがグイッとアタマ差先着し、単勝1.4倍の人気に応えるとともに同レース連覇。また騎乗した川田将雅騎手は3連覇を達成した。勝ちタイムは2:03.4(良)だった。
この日は行きっぷりがあまり良くなく、4角でも川田将雅騎手が必死に促していく形。55kgのケイアイパープルに対してクリンチャーは58kgと3kg差だったことを踏まえると、地力の高さを改めて証明した一戦だったと言っていい。
昨年を上回る3着に健闘
2着のケイアイパープルは前走の佐賀記念を制して勢いに乗っての参戦。自ら動いていく競馬で、藤岡康太騎手としては完璧な乗り方だった。結果は敗れたが、交流重賞は3戦連続で連対と着実に力をつけてきているだけに、次走以降の走りに期待したい。
そこから4馬身離された3着はジンギ。2周目3角で鞍上の田中学騎手の手が激しく動き、一杯になったかと思ったが、最後までしぶとく食い下がった。他地区への遠征は昨年のこのレース以来だったが、昨年4着以上の結果を残してみせた。
開催自体はあと1日残っているが、見応え十分のゴール前は最後の重賞にふさわしく、ファンの心に深く刻まれるものとなったに違いない。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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