【ジャパンC】ジャスティンパレスは消し、チェルヴィニアは枠次第 ハイブリッド式消去法

八木遊

2024年ジャパンカップの消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週のマイルCSは、1番人気のブレイディヴェーグを本命に指名。同馬の単勝に加えて、ソウルラッシュとチャリンの2頭に流す馬連も押さえていた。しかし肝心の本命馬が4着に敗退。結果的に外枠の馬が上位を占め、1枠2番のブレイディヴェーグは最後の直線で伸びを欠いた。

今週は日曜東京メインのジャパンCを予想する。いつも通り、過去10年のレースを対象に、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。

今年は15頭が登録しているが、プラダリアは香港ヴァーズへの参戦を表明済み。残る14頭を対象に進めていく。

『非社台系生産』×『ノーザンダンサー系』★0.0%★

まずは生産者別のデータから、過去10年で【2-2-2-73】(複勝率7.6%)の非社台系の牧場で生まれた馬を取り上げる。これだけでも複勝率は消去対象の10%未満だが、ハイブリッド式ではもう一つの条件を掛け合わせる。

今回は血統データから、父がノーザンダンサー系の馬をピックアップ。該当したのはほとんどが外国馬だったが、その成績は【0-0-0-23】(同0.0%)とサッパリ。ディープインパクト産駒のオーギュストロダン以外の外国馬は厳しい戦いを強いられそうだ。

今年この条件に当てはまったのは外国馬2頭を含めた3頭。シンエンペラーは今回と同じコースの日本ダービーで3着に好走しているが、海外遠征明け初戦で苦戦は必至とみる。

【今年の該当馬】
・ゴリアット
・シンエンペラー
・ファンタスティックムーン

『栗東所属以外』×『前走3番人気以下』★2.6%★

続いては“栗東所属以外”の馬、つまり「美浦、地方、海外」所属馬をピックアップする。過去10年の成績は【3-3-2-67】(複勝率10.7%)と低調。馬券に絡んだ8頭中7頭に共通していたのは、前走2番人気以内だったこと(JRA発売の海外レース含む)。逆に3番人気以下(JRA発売の海外レース含む)は【0-0-1-37】(同2.6%)と苦戦していた。

今年はGⅠ馬4頭を含む6頭がこの条件に当てはまった。昨年3着のスターズオンアースは、前走ドバイSCで3番人気(JRA発売)だったため消去する。

【今年の該当馬】
・シュトルーヴェ
・スターズオンアース
・ソールオリエンス
・ダノンベルーガ
・ドゥレッツァ
・(ファンタスティックムーン)

『前走国内GⅡ以下』×『前走5着以下』★3.4%★

3つ目は前走が国内GⅡ以下のレースをだった馬を取り上げる。成績は【3-3-3-61】(複勝率12.9%)と、【7-6-7-46】(同30.3%)の前走GⅠ組との差は大きい。

特に前走GⅡ以下で5着以下だった馬は【0-0-1-28】(同3.4%)と、ジャパンCで上位争いに加わることはほぼなかった。

今年この条件に当てはまったのは、カラテとブローザホーンの2頭。後者は今年6月の宝塚記念を制したGⅠウイナーだが、秋初戦の京都大賞典で最下位に惨敗。ひと叩きされ一変があってもおかしくはないが、今回は見送りとする。

【今年の該当馬】
・カラテ
・ブローザホーン

『5歳以上』×『前走馬体重479kg以下』★4.3%★

続いては年齢別データから5歳以上の馬に注目。成績は【4-3-4-83】(複勝率11.7%)で、4歳以下の【6-7-6-55】(同25.7%)と比べて見劣る。カギとなるのは前走馬体重(前走海外の一部を除く)。479kg以下の馬は【1-0-0-22】(同4.3%)と苦戦していた。唯一馬券に絡んだのは、17年の優勝馬シュヴァルグランだった。

今年は以下の3頭がこの条件に当てはまったが、うち2頭はすでに消去済み。新たにジャスティンパレスを消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・(シュトルーヴェ)
・ジャスティンパレス
・(ブローザホーン)

『3歳』×『今回馬番7番から外』★0.0%★

4つの消去条件を終えて、対象14頭のうち11頭が消えた。最後は年齢別データから3歳馬を取り上げる。成績は過去10年で【1-4-2-17】(複勝率29.2%)。3着以内に入った3歳馬の7頭に共通していたのは、当日で内目の馬番に入っていたことだ。

馬番が1~6番なら【1-4-2-5】(複勝率58.3%)の好成績だったが、7番から外だった馬は12頭すべてが4着以下に敗れている。

残っている3頭のうち3歳馬はチェルヴィニアのみ。枠順次第でその取捨が決まる。

【今年の該当候補】
・チェルヴィニア

全ての条件を終えて確実に残るのはオーギュストロダンとドウデュースの2頭。当然、日本が舞台の今回はドウデュースを上に取るべきだが、敢えてオーギュストロダンを本命に指名する。

ディープインパクト産駒の最終世代の同馬は、これが日本初上陸で引退レース。もし有終の美を父の故郷で飾ればこれ以上ないドラマとなる。ドウデュースはGⅠを1番人気で勝っていない点が引っ掛かる。1か月後には有馬記念も控えており、昨年4着に敗れた舞台で再び末脚不発となっても不思議はない。

買い目は本命馬の単勝とドウデュースへの馬単。そしてチェルヴィニアが内目の枠に入ったときは、3頭の三連複を押さえておく。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

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