【マイルCS】ブレイディヴェーグに「年齢」「前走着順」など5つの好データ 次点のエルトンバローズ含め高評価

門田光生

マイルチャンピオンシップの前走着順別成績(過去15回),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

所属と年齢に傾向あり

2024年11月17日に京都競馬場で行われる第41回マイルチャンピオンシップ(マイルCS)が行われる。上半期のマイル王決定戦である安田記念は香港馬のロマンチックウォリアーが勝利。マイルCSにこの馬の名前はないが、代わりに欧州のマイルGⅠ・3勝馬チャリンが参戦予定となっている。

国内組も昨年覇者のナミュールや富士Sの勝ち馬ジュンブロッサムなどが出走予定。レース名の通り、マイル王が決定する一戦と言っていい。そんな注目のマイルCSにはどんな傾向があるのか。過去15年の成績を基にして検証していきたい。

☆所属
美浦4勝(8連対)、栗東11勝(22連対)、外国馬0勝(0連対)。外国馬は3着が最高(2009、11年)だが、15年でのべ5頭しか出走していないので、全くの無視というわけにはいかない。のべ5頭中、2頭が3着。馬券に絡む確率はむしろ高い。

美浦と栗東の比較では、複勝率で栗東所属馬が上回っているが、勝率、連対率はほぼ互角だ。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牡馬、セン馬が12勝(27連対)、牝馬3勝(3連対)。連対率、複勝率で牡馬、セン馬が上回っている。また東西所属別で分けると、牡馬は栗東所属、牝馬は美浦所属の好走率が高い。

ちなみに、美浦・牝馬の2勝は20、21年に連覇したグランアレグリアになる。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆年齢
6勝(14連対)の4歳馬が、ほかの世代を圧倒している。7歳以上で連対したのは、09年のカンパニー(8歳)だけ。6歳も3~5歳と比べれば劣勢。また、6歳以上の美浦所属馬は、1頭も馬券に絡んでいない。

出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラス
連対馬が出ているのは、前走重賞のみ。前走国内GⅠ組は【6-3-2-42】勝率11.3%、複勝率20.8%。素直に評価したい。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆出走馬の主な前走
連対馬を多く出しているのは富士S(10頭)だが、好走率がいいのは天皇賞(秋)、スプリンターズS。安田記念も9頭中、1勝、2着1回と悪くない。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
勝率や複勝率がいいのは、前走1、3着馬。同10着以下は56頭が該当して、すべて着外だった。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
好走率が高いのは前走1、2番人気に支持されていた馬だ。反対に同6番人気以下は【1-1-1-98】で複勝率3.0%と苦戦している。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆誕生月
今年は該当馬がいないが、1月生まれの好走率が高い。ただ、古馬のGⅠで、完成度が早いとされる1月生まれが優勢というのは珍しい。勝ち馬が出ていないのは5月生まれ。こちらは割引データとなる。

出走馬の誕生月,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータは2つ。まずは毛色。鹿毛が11勝と強いデータが出ている。出走頭数も多いが、勝率、連対率、複勝率も上々だ。

続いて前走着差。0.9秒以上の差で負けていた馬は56頭いて、すべて当レースで着外となっている。

その他のデータ,ⒸSPAIA


プラスデータ多数のブレイディヴェーグ

マイルCSのデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「栗東所属の牡馬か、美浦所属の牝馬」
B「4歳馬」
C「前走が国内GⅠ」
D「前走1、3着」
E「前走1、2番人気」
F「鹿毛」

【勝率ダウン】
G「6歳以上の栗東所属馬」
H「前走6番人気以下」

【勝ち馬なし】
I「5月生まれ」

【連対馬なし】
J「6歳以上の美浦所属馬」
K「前走が条件戦、もしくはオープン」
L「前走10着以下」
M「前走が0.9秒以上で負け」

登録馬のうち、シックスペンスは出走回避を表明しているため、残りの17頭で見ていく。

プラスデータ6つのうち5つに該当するのはブレイディヴェーグ(ABDEF)だけで、4つに該当したのがエルトンバローズ(ABDF)とオオバンブルマイ(ABCF)。オオバンブルマイは連対馬が出ていないL「前走10着以下」に引っかかるので、本命はマイナスデータを持たないエルトンバローズかブレイディヴェーグに絞りたい。

今回のプラスデータで最も勝率がいいのは、A「美浦所属の牝馬」で、これに該当するのがブレイディヴェーグ。最多となる5つのプラスデータを持つことも考慮し、本命とする。対抗はプラスデータを4つ持つエルトンバローズだ。

プラスデータを3つ持っているのはニホンピロキーフ、レイベリング。ただし、どちらも連対馬が出ていないK「前走がオープン」に該当するので除外とする。

プラスデータ2つ、マイナスデータなしとなるのはジュンブロッサム(AD)、セリフォス(AE)、チャリン(BD)、ナミュール(CF)の4頭。外国馬チャリンをどう扱うかだが、年齢や前走着順などのデータは問題ない。勝つとなると微妙でも、馬券圏内なら可能性は十分あるとみて、印を回す。

残った3頭の比較だが、相手候補ということで、勝率より連対率、もしくは複勝率がいいデータを持つ馬を優先する。A~Fのうち、連対率、複勝率が高いのはB「4歳馬」、D「前走1、3着」、E「前走1、2番人気」。よって、Dを持つジュンブロッサム、Eを持つセリフォスが相手候補だ。

ジュンブロッサムのD「前走1着」と、セリフォスのE「前走2番人気」は、どちらも馬券に絡む確率は高いが、連対率、複勝率とも、わずかにE「前走2番人気」が上回る。順番としては3番手セリフォス、4番手ジュンブロッサムとする。

◎ブレイディヴェーグ
◯エルトンバローズ
▲セリフォス
△ジュンブロッサム
×チャリン

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
佐賀で行われたJBCで、兵庫所属馬のアラジンバローズ、キリンジが馬券に絡みました。ともに7番人気で、馬券的にも妙味十分。取った人は「JBC特需や!」と、狂喜乱舞していました。

《関連記事》
【マイルCS】1番人気は過去10年で2勝のみ エルトンバローズは好データ該当で今年こそ買いだ
【マイルCS】昨年覇者ナミュール、一昨年Vのセリフォスは消し ハイブリッド式消去法
【マイルCS】過去10年のレースデータ

おすすめ記事